憩いの家西510

入院中の備忘録、記録、思い出として

病院食は美味しい

2022-06-14 11:32:00 | 日記
入院9日目
明日膀胱癌の手術を受ける予定
手術に向けて少しずつ動き出した気配
術前のPCR検査だったり
検便とか、手術の段取りの説明を受けたり
泌尿器科の病棟に1週間入院していると、同室の方が続々と手術室に運ばれて行ったり、送り返されてきたりするのをカーテン越しに見聞きしているので、大体の流れは理解できる
今度の手術が大きいのか小さいのかも僕には分からないんだけれど、でも全身麻酔を施しての手術なんて生まれて初めての体験なので、ワクワクの中にさすがに少しドキドキも混ざってきたかも
でも、やはり変化は楽しい
何もすることがなく、ひたすら安静にするだけの1週間を過ごしてきたので、手術を目前にして、やったるで〜と、張り切っている

病院食は美味しい
予想を良い意味で裏切ってかなり美味しい
味付けは濃くなく、当然薄味
でも、しっかり味があるし量も少ないけれど少ないなりにちゃんとあって、毎食美味しく頂いている






毎食きまった時間に自室の食卓?までキチンと運んできてくださって、食べ終わった食器は自分で廊下にある台車まで返しにいくんだけれど、こんな贅沢な事はない
毎日何を食べようか考えなくてもいいし、作らなくてもいいし、買いに行かなくてもいいし
食生活に関しても幸せな日々を送っている
いよいよ明日は手術当日、ワクワクの中にもやはり少しはドキドキも混ざってきた
それも又楽しい
ワクワクもドキドキも楽しもう
膀胱癌になるって本当に素敵だ








2022/06/13箸休めその1

2022-06-13 12:28:00 | 日記
ああ、お前だね
いいよ、お入りそこへ座ってね 
それでどうだい、お城のお勝手向きのことは
おおよそ分かったかい
明日から自分が働くんだから、よく見て分からないところは何でも聞いて覚えて、いいね、お願いしましたよ
お前は特にお妃様のお世話をしてもらうからね、食事の支度とか、お着替えとかね
先輩のメイドがいるから心配いらないよ 
でも、たった一つお妃様には好き嫌いがあってね、それが不思議なことにリンゴなんだ、リンゴはお食べにならないから気をつけるように
いや、その名前はお妃様がまだ独身で森で暮らしていた頃の名前だよ。今では普通にお妃様と、お呼びしているからね
そう、お妃様は森でお暮らしだったんだよ
お前庭を通った時見なかったかい
築山の上に、小さなお墓が7つあったろう
お妃様が森でお暮らしの頃、お世話をしていた木こりたちのお墓だよ
お妃様は年取って働けなくなったその人たちをお城に引き取ってね
最後まで面倒見られたんだよ
そう、七人もねなかなかできることではないよ
森で暮らしていたと言っても、元々は隣の国のお姫様だからね、王子様、今では王様だけれどとご結婚なさるのも不釣り合いではなかったのさ
それに、今でもそうだけれどその頃のお妃様はそれは美しくてね
薔薇の花があの方のそばでは恥じてしおれてしまう程だった
心も優しい方でね、私たち目下のものにも良くしてくださって、この城でこの国であの方のことを悪く言うものは誰一人いないんだよ
お姫様にもそれは優しくてね
ああ、そうだよお姫様はお妃様の本当の娘ではないんだ、王様が最初に迎えられたお妃様との間に生まれた方だよ
最初のお妃様はお姫様を産んですぐに亡くなってしまわれた
お前、さっきチラッとお顔見ただろう?
お姫様も本当に可憐で美しい方だろう?
今のお妃様がお城にお越しになった頃はまだほんの小さな子供で、それでも見たことがないくらい可愛かったもんだけれど、お妃様はそのお姫様をまるで自分の実の娘のように、大事に大事にお育てになってね
お姫様もなついて

お妃様はあの美しさだから、最初の頃は城中の国中の評判だった
皆んながお妃様に会いたがったもんさ
でも、あの方はそんなこと少しも鼻にかけることなくね
いつも慎ましやかにニコニコとしておいでだった
最近ではね、お妃様もだけど、お姫様の美しさも大評判でね
街に行くとお姫様の似顔絵が売り出されてるそうじゃないか
以前はお妃様の似顔絵も売られてたんだけど、今ではお姫様の似顔絵の方が人気があるのかもしれないね
いや、お妃様はそんなことで機嫌を悪くなさるような方ではないよ
可愛がって育てたお姫様を妬むなんてそんなお人ではないよ
ただ、そこはやはり年齢だからね、お休みになる前に鏡に向かう時間が前よりは長くなったかもしれないね
鏡はね、お妃様がお里のお城からわざわざ運ばせて、大事にお使いになっている鏡だからお前もお掃除する時には充分気をつけてね
そう、お休みになる前には必ず鏡の前にお座りになるね
お里のお母様から引き継いだ習慣だそうだよ
毎晩鏡に向かって仰るんだ
「鏡よ鏡」ってね

おさづけ

2022-06-13 11:04:00 | 日記
入院8日目
膀胱癌の手術も明後日に迫って
迫ったけれど、もう細々の検査だの、診察だのは早い段階で終わったので、あとは血糖コントロールのための入院だから
これといって、何もすることがない
ドクターや看護師ちゃんたちの「言いつけを守り」けして「間食や買い食いなどをせず」「けしてせず」
従順な子犬のように過ごす毎日であるのだ
毎日、暇な時間に一階のコンビニで「ブラック」コーヒーを買い求め、10階のロビーの椅子に腰掛けて、窓外の景色を眺めてブログを書いたりするのが楽しみだ
拙文ではあるけれども、お読みくださるならばこれに勝る幸甚はない

この病院は経営母体が「天理教」なので院内にも色濃く天理教色が表れている
「事情部講師」という立場の先生方が病棟を回り天理教者に許された病平癒のお祈り「おさづけの理のお取次」をなさって下さるのもその内の大切な一つ
僕は毎日お越しくださいとお願いしてあるので、毎朝10時前後くらいにお越しくださって「おさづけのお取次」をなさって下さる
ありがたい

おたすけの名人などと冠される方がいらっしゃる
「あの先生のおさづけはとてもよく効きますよ」
などというお話も聞くことがある
でも、そんなのはあまり信用しない、いや信用しないわけではないけど、頂いた「おさづけの理」に違いはなかろうと思うので
どなたにお取次いただいても変わりはないと思っている
おさづけの理はどなたに取次いでもらってもこの上なく嬉しいし、又どなたに「取りつがせて」いただいても心から嬉しい
お取次を頂く時は
「この方はこんなにも真剣にこんな私のような者の病平癒を祈って下さるのだ」と、思って感謝しかないし
お取次させて頂く時は
「この方は病になってまで、痛い思いをしてまでこんな私のような者の
心の成人を促して下さるのだ」
と、思うので目頭が熱くなる

おさづけのお取次の時は基本相手の身体の一部に触れる
こうしてお互いのためを思って心からの祈りを「スキンシップ」を通じてお互いに捧げ合う
おさづけというシステムはこの世で1番素晴らしい行為だと思うし
僕が膀胱癌になっても、糖尿病になっても何一つ心配もしていなければ、微塵の不安も抱えていないのは、多くの方に「おさづけのお取次」をしていただいているからである
おさづけは本当にありがたい
おさづけは本当に素晴らしい
そして
膀胱癌になるって本当に素晴らしい
膀胱癌って本当に素敵だ

リゾートファッション

2022-06-12 15:57:00 | 日記
入院7日目、週末は特に検査も治療も何も無いので
暇である事夥しい
暇の国から退屈を広めに来たような退屈だ、退屈に慣れてゆっくり身体を休める事も立派な治療、正しく闘病
自分も来週手術を終えたらそうなるんだろうと思うんだけど、廊下やロビーには点滴を引っ張った方がパジャマ姿で歩いてはる

入院する前に
何しろ生まれて初めての入院なので
右も左も分からず
何を準備していいのやら
何は準備しなくていいのやら
何は準備してはいけないのやら
その中にも病院で貰った入院予定の人向けの冊子に
こんな感じのものを持って来いよな
分かってんだろうなてめえら
的なコーナーがあり
入院中の服装についても記述があった
何も用意してこなくても病院で貸してあげるよ
借りるのかい?1日借りるといくらだぜ、週に何回だか取り替えるんだよ。と、書いてある
そして、でも自前の服を持ってきてもいいよ、ただしその際は「入院に相応しい」格好にしてくれよな
とも書いてある。
で、特に何も用意はせず普段着ているTシャツを何枚かと、ジャージだの短パンだのをいくつか用意していったら
入院初日に看護師さんが
ご自分で用意されてるならそれを着てくださいね〜
と、あっさり仰ったので
お言葉に甘えてだかなんだか、毎日Tシャツと短パン的な、リゾートファッションに身を包んでいる
でも、周囲を見渡すと圧倒的に多いのは自前のパジャマ姿の人だ
入院ってなると、とりあえずパジャマを着ようってなるんだろうな
でも、正直言って昼間の廊下で見かけるパジャマ姿は鬼ダサイ
と、思う
(あくまでも個人の感想です)
病院で貸してくれるあれの正式名称はなんて言うのか?「病衣」なのかな
あれは、パジャマに輪をかけてダサイ、、、と、思う
(あくまでも個人の感想です)
もちろん病気になって入院してるんだから、ゆったり着られて、脱ぎ着しやすい服を着るに越したことはなく。僕もその路線で服を選んでいるんである
ただ、僕の入院中の服装を見て
「どっからどう見てもバカンスやな」と、言うた人がいた
こんな可哀想な膀胱癌患者なのに、そんな感想を持たれるのは不本意である






ご縁は続くよどこまでも

2022-06-11 12:15:00 | 日記
タイトルの付け方がダサイ
そこだけをみても才能の無さが垣間見えて嫌になる涙

膀胱癌がわかって、糖尿病もわかってさて入院ってなってから
驚くほどのサプライズが立て続けに起こった
立て続けなので記録しとかないといくつかは忘れてしまうかも
忘れてしまったらそれぞれのサプライズに登場する方々に失礼になるので、備忘録の意味も込めてここに書き記す事にする
1、これは既述でもあるが、久しぶりに現場が一緒になった同僚の田上さん、何と腎臓癌から復活して現場復帰3日目やった

2、6/1の朝敬虔な天理教信者である僕は天理教本部の「朝づとめ」に参拝して、「中庭」に出てきたらこの日は月に1度の月例参拝だとかで、中庭に本部に勤務する「境内掛」の皆さんが集まっておられた
その中に最近は若い女の子も勤務しておられるのだが、その横を通り過ぎながら「おはようございます、朝は気持ちいいですね〜」と、挨拶
すると、その子が
「おはようございます、もしかして三重教区の方でありませんか?」
と、返事
びっくりしていると更に
「私覚えませんか?以前夏の「忍者村の『ひのきしん』でお世話になりました。そう言われてみればお名前は記憶になかったけどお顔や佇まいに何となく覚えが、
えーっびっくり‼️
そこで
「おっちゃん、もうじき膀胱癌で入院するのでそれまでの間におさづけお取次してくれまへんか?」
と、お願いして、その翌日勤務先まで押しかけてお取次頂いた

3、親友がいる、親友には子供が3人
この子たちはそれこそもうほんのちっちゃい頃から馴染んでいる子供たちだ、「おっちゃん膀胱癌やねん」と、お願いしてまず末っ子の長女におさづけのお取次を頂いた
翌日、僕によく懐いてくれてる彼の長男がわざわざ三重から天理まで来てくれて、おさづけをお取次してくれた
だが親友の次男には会う機会無いから、あいつにはおさづけしてもらえないなぁと、半ば諦めていたその翌日、やはり朝づとめの帰り階下のトイレに行こうかどうしようか随分逡巡した後で、豊井の自宅アパートまで歩く間に間に合わなかったらいけないから、済ませておこうと思って、東階下の男子トイレに入った、用を済ませて手を洗っていると背後から「村瀬さん」と、声をかける若者、それが諦めていた親友の次男
正直驚いて、早速頼んでそこでおさづけお取次頂いた

4、入院の事も病気のことも殆ど誰にも話していない仕事先の人々、身の回りの限られた人たちにしか打ち明けていないのに、入院当日2人の仲の良かった同級生から別々に連絡が入った
1人は千葉の悪友「もうじき天理に行くから、何日か滞在するから一杯飲もうぜ」
「うーん、それはちょっと無理やなぁ苦笑」「実はカクカクシカジカ、云々間何」
もう1人は今は静岡の浜松に住んでる女性の同級生、もうほんとに久しぶりに何年ぶりかに僕が以前書いたFacebookの駄記事に「イイネ」を押してくれた、あまりのタイミングなので心底驚いて、こっちから連絡を取ってみることに

5、入院の翌日は糖尿病の合併症の検査のため、外来棟の眼科に診察に行った、何気なくフラフラっと歩いて行ったら、眼科の外待合に所属大教会の前会長さんと、その奥様が座っておられて「おっ、お前具合どうや?」「昨日から入院してます」「そうか、気をつけろよ」

6、入院当日午後1の入院予定だったのでこの際「最後の昼食や〜」と、ばかり、大好きな創作和食のお店に駆けつけ、入院前のドカ食いをしていると、入口の戸が開いて入ってきた二人連れの1人は、今回病気のことを打ち明けた数少ないお友達の1人、大好きなY子ちゃん先生
えーっ、打ち合わせしてないよね〜
握手してもらって、頑張ってきてくださいね〜と、送り出された

ここまで立て続けにサプライズが起こると、こんな人間の屑の僕なんかでも
「こりゃ大丈夫っぽいな」と、思わざるを得ん。
いや、そもそも少しも心配などしていなかったのだけれど、こんなに沢山のご縁を感じると、驚くと共に何かしら1つの確信を得る
こんなサプライズ立て続けに見せて貰えるのも膀胱癌になればこそだ
膀胱癌になるって本当に素晴らしい