「同じように、わたしはあなたたちの老いる日まで白髪になるまで、背負って行こう。わたしはあなたたちを造った。わたしが担い、背負い、救い出す。」(イザヤ書46:4)
元ハンセン病患者・桜井哲夫さんが、思い切って故郷の津軽を訪問したときのことです。彼は、13歳で発病した後、群馬県の強制隔離施設に収容され、故郷との関わりを一切絶つように名前を変えられています。更に、その後、病気のために、顔は全面ケロイド状になり、視力も失ってしまいます。彼は、精神的にも、肉体的にも、深く、深く苦痛を経験されるのです。
そんな彼が、故郷である青森県鶴田町を訪れ、彼の遊び友達であった町長と再会します。60年ぶりの再会です。町長は、喜んで彼の手を握って言います。「俺達はケヤグだ」と。津軽弁で「ケヤグ」とは、「親しい友達」という意味があるそうです。
この「ケヤグ」という言葉は、「契約」に由来すると考える説があります。本当の友達とは、固い約束で結ばれている人たちのことである。どんなことがあっても、見捨てない。裏切らない。それが「ケヤグ」だと言うのです。
この考えは、聖書に示されている神様の「契約・約束」に近いと思います。神様は、わたしたちと契約を結ばれ、どんなことがあっても見捨てず、裏切らないと約束されているからです。
聖書の神様は、わたしたちに向かって言われます。「あなたは、わたしのケヤグだ」と。そして、「今までそうであったように、わたしは、あなたを担い、背負い、救い出す」と約束されるのです(イザヤ46:4)。
主の約束を信じ、主の恵みを感謝します。
山口 平賀和弘
(No.123.09,11,14.防府教会牧師室便りより)