この人生、なかなか大変だぁ

日々の人生雑感をつれづれに綴り、時に、人生を哲学していきます。

家庭訪問には反対です

2021-05-10 13:13:30 | つれづれ記
今朝(10日)の羽鳥慎一モーニングショーで「家庭訪問は要るか、要らないか」というコーナーがあった。その可否に興味はなかったが、小学校4年生の時の家庭訪問での事件を思い出した。
わたしの母は行事ごとが苦手だった。盆や正月が来るたびにパニックになっていた。
祖母のお通夜の時も、父は死亡広告の記事に忙しく、叔父などと打ち合わせしてあちらこちらに連絡していた。
母は集まった15、6人の親族をほったらかしにして奥の部屋に引っ込んだまま出てこない。さすがに見かねた義理の叔父が「みんなお腹を空かせてますよ。なんとかしないと」と、わたしを責めた。

母は完全主義者と呼んだ方がいいのだろう。物事を完璧にこなさないといけなくて、人からとやかく言われることを嫌った。だからなかなか動けなかった。大の字になって納得がいくまであれこれシミュレーションをしないとすまない。驚くことに、時に時間切れになることもあった。
盆・正月家を片付けなくてはいけないし、ご馳走も作らなくてはいけない。できないわけじゃないが器用というわけでもなかった。
その時期は台風直撃の様相で大暴れ。ヒステリックに誰彼構わず怒鳴り散らされた。家族は刺激しないように息をひそめるばかりだった。

その通夜の時は親戚がたくさん来ていたので怒鳴り散らすことはできず奥に引っ込んでいたのだ。仕方なく近くの店に行ってのり巻きやら天ぷらやらを買ってきてその場をしのいだように記憶している。
母は家庭訪問も苦手だった。まず家を片付けるということにプレッシャーがかかった。思い起こしてもそれほど乱雑な家ではなかったが、完璧主義者なるが故なのだろう。朝から大騒ぎだった。
小6の兄と小4のわたしは刺激しないように窓際で去年作った夏休みの宿題の「アリの巣」の標本をいじっていたら、「あんたたち暇だったら、買い物に行って来て頂戴!」と怒鳴られて、大判焼きを買いにやらされた。

兄とお店に行くと、幾つ買えばいいかわからない。指示されていなかったのだ。
渡されたのは1ドル。今なら110円ぐらいだが、当時のレートでも360円。実態感覚ではもっと高額だった。コカ・コーラが10セント。安いコーラは5セント。もっと時代は下って高校生の頃は25セントで市役所のランチが食べられた。いまの500円くらいの感じだ。
大判焼きは3セントくらいだったと思う。兄と相談の末33個だったかを全額使って帰った。
家に帰って母に渡すと「なんでこんなに買ってくるのよ!」と、いきなりビンタを張られた。

今考えれば「こんなに買って誰が食べるんじゃい!」と思うが、それならそもそも1ドルを渡したのが間違いだし、どうして年下のわたしだけが殴られなければならなかったのかがわからない。
その理不尽さに今でも煮えたぎるような怒りが止まない。
この一点をしてわたしは「家庭訪問」に反対である。

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