この人生、なかなか大変だぁ

日々の人生雑感をつれづれに綴り、時に、人生を哲学していきます。

この人生、なかなか大変だぁ。だけど、生きていくのも案外捨てたもんじゃない

2009-12-23 09:41:13 | 人はなぜ生まれ、そして死んでいくのか
カテゴリーを追加しました。これまで「つれづれ記」にまとめていたものから、とくに関心の高い「生きること」、「人生とは何か」、「この世界はなんだろう」という疑問について少し哲学的に考えてみたものをまとめて「人はなぜ生まれ、そして死んでいくのか」というカテゴリーにしました。続けていくうちにちょっとした「まとまり」になるのではと期待しています。また、競馬に興味がある方は「加屋凡男の挑戦」のカテゴリーだけ読んでいただければと思います。

「存在の神秘」はつい力が入ってしまって、引用文も含めて長い長い読み物になってしまいました。わかりにくい内容かもしれませんが、わたしの知るかぎり「ホンモノ」だと思います。機会あるごとに読んでみてください。
われわれが存在することは科学では「ありえない」ことなのです。よく言われるエネルギーの第二法則やエントロピーの考えからは生命という存在は考えられないのです。だからこそ、存在するわれわれは「奇蹟」としか理解できないのです。

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平成11年ごろから自殺者が3万人を越えているという報道を耳にする。不審死が同じ数ぐらいあるらしく、遺書などの自殺を証明するものがないから不審死に加えられてしまっているケースが多いそうだ。それらを勘定に入れると、自殺者は4、5万人にも上るのではないかともいわれている。一日に100人以上の人が命を絶っていることになるから、この瞬間にも誰かが死んでいるのだ。

材木関係の会社を経営している友人がいたが、経営の行き詰まりから、別荘がわりのコテージにひとりで行って自殺してしまった。掛けていた生命保険で借金の返済をして欲しいと遺書を残していたらしい。それもひとつのけじめではあるが、もし彼が不動産を整理し、借金の一部にあて自己破産をしてしまえば、一応の解決はついたはずだ。返済してもらえないからといって銀行は自殺しない。問題は手形を回していたから困るのは同じような個人だったり、連帯保証をしてくれた友人だったりしたのだろう。

だから簡単には行かなかったのはよくわかるが、債権者も彼が死ぬことまで望みはしない。むしろ生きて完済して欲しいだろう。まぁ、それも叶わないとしても、一旦破産してしまえばまた活路も見えたと思う。経営だけでなく、何事もそうだと思うが、損切りがなかなかできない。挽回しようと踠けば踠くほど墓穴を掘っていくものだ。もう戻れないと思った地点でも、後で考えれば十分に間に合った地点だということがよくわかる。一旦損切りしてしまえば、それ以上に借金は増えない。その状態が確保できればそこで冷静に事態が見られるようになる。すると落ち着いてくるし、誰かに相談しようという気にもなってくる。そうなればしめたもの自分にとって巨大な怪物だった問題が案外たいしたことはないと実体が見えてくることが多い。

たとえ完済できないとしても、どこかに勤めながら小額でも返済の努力をしていれば誰も日常生活を邪魔しない。この危機に家族との絆もいっそう深まっただろうし、将来、孫の顔も見ることはできただろう。また、マイナスから始めた事業で大成功しあっさり借金を返済することだってある。意外性は小説のなかにあるのではなく、むしろ現実世界に起きることが多いのだ。

何も恥じることはない。ただこれまでの生活があったから、体裁があったから、死をえらんだのかもしれないが、プライドは実体ではない。これまでの人生のなかで自らが築いたものではなく、単なる虚像でしかない。プライドではメシは食えないのだ。捨ててしまうまでは、そんなことできないと思うかもしれないが、捨ててしまえばなぜあんなに拘っていたのかと驚くものである。

人生なんて「たかが・・・でしかない」と切り捨ててしまうニヒリズムを、ラリー・ドッシーもハイデガーもV・E・フランクルもみんな否定している。それは自分たちの存在をひどく小さく、限定的に見てしまうことによるものだから。
たしかに人生は問題の連続でしんどいけれど、なんとか凌いで通り抜けると、とても素晴らしい見晴らしに出ることがある。こんなもんだと思っていたパーティーで、旧知に出会い楽しい一夜になることもあったはずである。思いがけない恩恵に預かることは、幾度となくこれまであったし、これからもある。

この人生、なかなか大変だぁ。だけど、生きていくのも案外捨てたもんじゃない、である。

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