名古屋・東山動植物園の第65回春まつり(5月6日まで)が開幕しました。
今回の主役は、類人猿の横綱「ニシローランドゴリラ」。大きな体と容貌は、昨年の秋まつりの主役だったコアラとは真逆のようですが、性格は極めて温和です。
ニシローランドゴリラはコンゴ、ウガンダ、カメルーン、ナイジェリアなどアフリカ中西部の樹林帯が故郷。他の動物仲間と同様、森林の開発や内戦などで生息数が減っています。
主食は果実や樹木の葉(東山動物園では、以前バナナを主食にしていましたが、現在はキュウリやトマト、ナスなどの野菜を主食にしているそうです)。
オスの体格は背丈が160~180センチ、体重200~250キロ。メスはその半分くらいで、オス・メスの体格差が大きいのが特徴です。さらに特徴といえば、握力の強力なこと。人間の平均的握力の10倍、大相撲の力士と比較しても4~5倍の400~500キロもあるとみられ、果実や葉が不足すると、この握力で太い竹を割ったり、樹皮をはいだり、木の根を掘り返して食べるそうです。
1頭のオスを中心に10頭ほどで群れをつくり、前肢を握るようにして4足歩行で移動します。
性格は温和。それに外見からは信じられないほどデリケートで、ストレスに弱いようです。
ゴリラといえば、映画を思い出される方が多いでしょう。何本も制作されましたが、とりわけ年配の方にとって懐かしいのは先駆けとなった1933年制作の米映画「キングコング」ですね。
大変な人気で何度も上映され、僕も少年時代に見ました。
巨大化したゴリラのキングコングがニューヨークへ見世物として連れてこられ、逃げ出してエンパイアステートビルの頂上へ。飛行機と戦うラストシーンを、胸が締めつけられる思いで見た記憶がよみがえります。
現在、東山動物園の北園エリアにある類人猿舎で暮らすゴリラの家族は、リーダーのシャバーニ(オス、18歳)、2匹の子を育てるネネ(メス、40代前半)、アイ(メス、12歳)、それに2歳半のキヨマサ(オス)と1歳半のアニー(メス)の計5頭。
春祭りの主役に選ばれたことを知ってか知らずか、観客への顔見せ時間になると庭に出てきてエサをむしゃむしゃ。仲の良い家族ぶりを見せていましたが、ときにはこんなシーンも。
シャパーニが子どもに近づき抱き寄せるような仕草をしたときのこと。2頭のうちのメスのうちのネネでしょうか。すごい勢いでとんで来て、歯をむき出し、大声でシャバーニを威嚇。その剣幕に驚いたシャバーニが逃げ出す様子に、観客からも笑いが。母は強いですね。
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