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風の遊子(ゆうし)の楽がきノート

旅人を意味する遊子(ゆうし)のように、気ままに歩き、自己満足の域を出ない水彩画を描いたり、ちょっといい話を綴れたら・・・

楽書き雑記「米寿の父・祖父を囲むファミリー展」

2017-10-10 17:29:45 | アート・文化

米寿(88歳)のボールペン画を囲むように、孫や息子・娘らの水彩画や木工などの作品が並びます。
名古屋市民ギャラリー栄で開かれている「飯田正廣 米寿記念ファミリー展」。
「素晴らしいアートファミリーだな」と心からそう思いました。展覧会は15日(日)まで。

名古屋市港区在住の飯田さんは、元国家公務員。定年後も民間企業や町内会の仕事などに追われていましたが、一段落した20年ほど前からアクエリル、ボタニカルアートなどの世界に入り、今はボールペン画を描いているそうです。

6号前後の色紙に、ボールペンで描かれた城や五重の塔、観音像、古い町並みなど。「昼間に2時間ほどずつ描いています。1カ月で1枚といったところですね」。
ペン画は憧れても描くのは無理、とあきらめている僕ですが、その繊細な描写には素人ながら目を見張ります。

「ボールペンは、いつごろからですか」と尋ねると「3年。まだそんなに経っていないかな」との返事。思わず「ご冗談でしょ」と言いかけたほどです。

そんな飯田さんの才能と姿勢をならってか、子どもや孫たちも美大や芸大に進み、その伴侶もアーティストというファミリー。
長女の薬師寺智子さんは水彩画とローズウィンドウ、ご主人は木工、長男の飯田賢治さんは写真、奥さまはデッサンと水彩画といった具合で、美術教諭や教室の先生などとして活躍しています。

ファミリー展は、喜寿や傘寿の時にも考えたそうですが、実現したのは初めて。
飯田さんの奥様は「マネジャー役」になって、家族みんなで作品を持ち寄ることになったそうで「やると決まってからは、お祭り騒ぎです」と智子さん。

それにしても飯田さんの顔色、声、立ち振る舞いは、とても米寿とは思えぬほど。
展示会場を訪れた1人が「みんな同じようなトシに見えて、どなたが飯田さんなのか分からなくて」と話していましたが、実は僕もしばらく同じ思いで作品を見回っていたものです。

「次は卒寿(90歳)展、それに白寿(99歳)展ということですね」との質問に「卒寿はすぐだけど・・・。白寿、うーん、そうですね。ワッハッハ」と飯田さん。頑張ってください。家族たちがついていますから。