名古屋の市立高校14校の作品展が20日、栄の市民ギャラリーで始まりました。25日(日)まで。全室を展示場にして書道・美術・家庭・写真の4部門に、部活や授業で励み、制作した作品が並んでいます。
例年のことですが作品は素直で伸びやか、思い切った表現が目立ちます。
美術部門の「黒」と題する絵画に、目をひかれました。
添え書きには「私にとって黒色はとても安心する色。『何かを伝えたい』というより『安心してほしい』と描きました。居心地がいいと思ってもらえれば、うれしいです」と。
写真部門でも姉が恋人と歩く姿、運動会を見つめる祖父の表情、高校野球愛知大会のひとコマなど、高校生ならでは目で撮った傑作を目にして、しばしば足が止まりました。
段ボールで組み立てたアナログテレビと名古屋テレビ塔、お母さんがつくってくれたという海鮮丼を描いた絵、麻で造った小間物など楽しい作品でいっぱいです。
作品の一部に添付された生徒自身のコメントを拝見するのも楽しみです。
「今回は行書でしたが次は草書に挑戦します」「折り目を無視して書き迫力を出しました」「百戦錬磨と書くのは大変だったけど、書いてみて意味がよく分かりました」。これらは書道の添え書きです。
書道といえば、例年楽しみにしているのが、大きな展示版いっぱいのサイズで書く山田高校書道部の共同作品です。1昨年の「夢」、昨年の「舞」に続く、今年の文字は「飛」。力強く飛び立とうとの思いが伝わってきます。
ただ、残念だったのは会場の都合で展示スペースが狭く、鑑賞しにくかったこと。書道部のみなさんも人生の行く手にはこんなこともあるでしょう。がんばって飛翔してください。