ひょうたん(瓢箪)。豊臣秀吉の馬印として有名ですね
織田信長の稲葉城(岐阜)攻めの際、藤吉郎時代の秀吉が腰に付けていたひょうたんを竹か槍の先端にくくりつけて掲げ、総攻撃を合図したのがきっかけに秀吉の馬印となったとか。
名古屋・中村公園にある秀吉を祀った豊国神社のそばにも、ひょうたんの棚があります。生育期をすぎて、あちこちから茶褐色の枯葉がぶら下がる棚のほぼ中央に残された、大小一つずつの瓢箪。秀吉の栄枯盛衰を物語る光景のように思え、描いてみました。
それはともかく、ひょうたん栽培は少年時代を過ごした田舎でよく見かけた風景です。食用には適さない植物ですが、さまざまな生活必需品に加工できるうえ、ユーモラスな姿かたちが親しまれ、とりわけ農村では昔から重宝されてきました。
縦に割って皿やひしゃくにしたり、横に切って大小の茶碗にしたり。薬入れや作物の種を保存する容器にも。近所のお年寄りたちが、置物や装飾品に加工して楽しんでいた記憶がよみがえります。
盛夏には風通りのいい日陰を作ってくれ、今もひょうたんの栽培や装飾品作りを楽しむ愛好家は多いようです。
ひょうたんの花は白くて地味な感じですが、花言葉もあると知りました。
「繁栄、利得、夢」。これも秀吉を思わせますね。