kyoujyuの気まぐれ

ゲーム関連や日々の気になった出来事等を気まぐれで書いていきます。軍事知識は一般人に毛が生えた程度なのであしからず・・・

武器輸出三原則とは?

2010-11-22 22:45:06 | 軍事関連
面白い記事があったので紹介
<米空軍がPS3を2200台注文。といってもCall of Duty4を遊ぶためではない>2009.11.29.



記事の詳しい中身はよくわからなかったのですが、米空軍が何かのプロジェクトに使用する大規模なコンピューティングクラスタ
を大量のPS3で作るみたいです。
大量生産されているゲーム機を使ったほうが、高性能コンピューターをわざわざ作るよりコストが安いということ
でしょうか。
Air Force orders 2,200 PlayStation 3s(Air Force Times)
http://www.airforcetimes.com/news/2009/11/airforce_playstation_112709w/

さてこの記事を見て思うのが、「武器輸出三原則」じゃないでしょうか。
少し無理やりかもしれませんがw民主党が緩和を検討し、最近注目を浴びているということで言及しておこうかなと。
細かいことまで突っ込むときりが無いので、深くは突っ込みません。


<武器輸出三原則 見直し?>

民主党のリベラルな部分に期待して投票した人は寝耳に水なんじゃないでしょうか。
そもそも武器輸出三原則と聞くと、武器の輸出を禁止している法律か何かのように勘違いしているかたが多いかなぁと思います。
そしてそれを変えると即、「死の商人」になる!なんて社民党なんかは大騒ぎ。
防衛大臣が武器輸出三原則緩和について触れただけで、テレビ朝○のコメンテーターなんかは騒いでました。「平和国家として・・・(ry

<民生品と軍用品の区別は難しい>

日本が武器を輸出していないか?といえばそうでもありません。
上記の記事のように、日本が輸出した民生品が軍事利用されるケースは少なくありません。
代表格は「車」でしょう。世界中のテロリスト達がトヨタ車を愛用しているというのは有名な話じゃないでしょうか。
チャドの内戦ではトヨタのトラックが多く使われ、「TOYOTA WAR(トヨタ戦争)」とも呼ばれています。

<今や私たちの生活に軍事技術は欠かせない>

自身は武器輸出はしない、としている日本ですが、今やほとんどの車に搭載されているカーナビゲーションシステム
に使われているGPS(爆弾、ミサイルの誘導)、インターネット(部隊間の情報共有、通信)に代表されるように、
私たちは軍事技術の恩恵を受けて生活している、ということを知っておかなければならないと思います。

さて本題。
<武器輸出三原則は武器の輸出を禁じていない>

実際に読んでいただければ一目瞭然です。


武器輸出三原則 次の三つの場合には武器輸出を認めないという政策のことをいう。

(1)共産圏諸国向けの場合

(2)国連決議により武器等の輸出が禁止されている国向けの場合

(3)国際紛争の当事国又はそのおそれのある国向けの場合


つまりこの三つにあてはまらなければ輸出しても良い、ということです。
武器輸出三原則自体は武器の輸出を禁じていないのですが、
1976年の三木内閣、三木首相による国会答弁において、「武器輸出三原則以外でも武器の輸出を自粛する。」
という主旨の答弁をしました。それ以来、「武器輸出に関する政府統一見解」として日本は武器の輸出はしない。
ということになっています。

武器輸出に関する政府統一見解

(1)三原則対象地域については「武器」の輸出を認めない。

(2)三原則対象地域以外の地域については、憲法及び外国為替及び外国貿易管理法の精神にのっとり、
「武器」の輸出を慎むものとする。

(3)武器製造関連設備の輸出については、「武器」に準じて取り扱うものとする。

この見解と三原則を1つとして、武器輸出三原則となりました。
そして今緩和が検討されているのが政府見解、すなわち「等」の部分です。
これらはあくまで「国としての方針」ですので、実際に武器の輸出を禁止する法律、法的根拠は一切ありません。

あてはまるとすれば、外国為替及び外国貿易法の48条ですが、これも経済産業大臣の許可を求めているもので、
禁止はしていません。

<なぜ武器輸出三原則等を緩和しようとしているのか>

現在、兵器の価格、開発コストはうなぎのぼりに高額化しています。
その為、世界では、友好国同士での「多国間共同開発」が主流となっています。
現在日本では米国としか共同開発はできません。これを緩和しよう、というわけです。
ちなみに航空自衛隊のF-X(次期主力戦闘機)でよく名前が出るF-35も多国間共同開発されていますので、
これに参加し、採用するにしても緩和が必要です。

<今緩和しようとしている最大の理由>

最大の理由は「MD(ミサイル防衛システム)」です。欧州でも導入の動きが広がっていますが、
これ、ミサイルの開発に日本が関わっているんです。
なので、緩和して輸出できるようにしないと、米国だけでなく、欧州各国から大ブーイング間違いなし。
というわけです。

<結論>

上記のような理由で緩和しようとしているものですので、特に騒ぎ立てるほどのことではありません。
今出ている情報を見る限りでは、緩和したからといって武器輸出大国になる、なんて事はまず無いし、
仮に武器輸出三原則等を全廃したとしても、実戦経験も無い上に高価格な日本の兵器をわざわざ買おう、
なんて酔狂な国はまず無いでしょう。

緩和しようとすると、おそらくお隣の中国(自身は見境無く武器を売りまくって問題視されている)
なんかがクレームをつけてくることは間違いないので、民主党政権がしっかり実行できるかどうかのほうが心配です。


ユーロファイター タイフーン 四カ国共同で開発された戦闘機(イギリス、イタリア、スペイン、ドイツ)


F-35 ライトニング2
多国間共同開発
(アメリカ、イギリス、イタリア、オランダ、オーストラリア、カナダ、デンマーク、トルコ、ノルウェー、イスラエル、シンガポール)

(参考・ソース)

世界の武装ゲリラがトヨタを愛する理由(News Week記事)
http://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2010/11/post-1817.php?page=1

日米共同開発の標準型ミサイル-3を発表 - 米国(AFP BBNews記事)
http://www.afpbb.com/article/politics/2034211/385166

欧米防衛のミサイル網構築で合意、NATO首脳会議(CNN 記事)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20101120-00000007-cnn-int

武器輸出三原則等(外務省ホームページ)
http://www.mofa.go.jp/MOFAJ/gaiko/arms/mine/sanngen.html

武器輸出3原則 時代に則した内容に 高まる見直しの機運(朝雲新聞記事)
http://www.asagumo-news.com/news/201011/101104/10110402.html

人権侵害国に武器を輸出する中国(IPS JAPAN 記事)
http://www.news.janjan.jp/world/0808/0808154639/1.php


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