kyoujyuの気まぐれ

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海上自衛隊

2011-07-31 03:09:55 | 軍事関連
海上自衛隊 (Japan Maritime Self Defence Force)
大日本帝国海軍の伝統を受け継ぐ防人達
 

<任務と特徴>

海上自衛隊は、1952年に海上保安庁の外局として設置された海上警備隊が前身。
人員約4万2000人。

航空自衛隊は戦後誕生した全く新しい組織、陸上自衛隊は旧陸軍との関係の断絶を図っているのに対し、
海上自衛隊は旧海軍からの伝統を多く受け継いでいる(礼式、用語、軍艦旗、海軍カレー等)。
護衛艦等の艦艇の名前も基本的に旧軍で使われていた艦名を踏襲している。
また、太平洋戦争において連合軍(主に米軍)の潜水艦による通商破壊活動によって海上補給路を破壊された戦訓から
対潜水艦戦を重視しており、高い能力を誇る。
領海に侵入した中国海軍の潜水艦を、潜行する潜水艦は探知が難しいにもかかわらずほとんど見失う事無くリアルタイム
で現在位置をお茶の間に届けたことは記憶に新しい。
また、海上自衛隊は戦中に日米両軍によって敷設された7万個以上もの機雷を処理する掃海任務からスタートした。
多数の殉職者を出しながらも実に半世紀以上も対機雷戦という実戦を重ね、日本周辺海域の掃海はほぼ完了している。
そのため掃海技術は世界トップレベルである。平成3年のペルシャ湾掃海任務では、装備は欧米の艦艇より劣っていた
にもかかわらず1人の犠牲者を出す事も無く完璧にやってのけたことからも、技術・練度の高さがうかがえる。

海上自衛隊の主任務は、わが国の海上交通路の安全確保である。日本は島国であり、生活に必要な物資の多くを海外に
依存している。哨戒機、護衛艦、潜水艦等は航路海域を警戒監視し、敵の水上艦艇や潜水艦を撃破する、また機雷が
設置された場合は掃海部隊がこれを除去する。
弾道ミサイル迎撃能力が付与されているミサイル護衛艦(DDG)には弾道ミサイル監視・迎撃任務が与えられている。

平時の主要任務はわが国周辺海域の警戒監視活動、災害派遣。
特に宗谷海峡、対馬海峡は厳重な監視体制が敷かれており、ここを通過する外国艦艇(主にロシア海軍・中国海軍)
があると、時折統合幕僚監部から報道発表が出されている。
2009年からはソマリア沖の海賊対処活動を実施しており、現在も継続中である。

海上自衛隊は大きく分けて、艦艇部隊と航空部隊に分けられる。
海上幕僚監部の下に海上自衛隊の要である自衛艦隊、5つの地方隊、教育航空部隊が配置されている。
自衛艦隊は護衛艦隊、潜水艦隊、航空集団に分かれている。

<主要装備>

(DDH ヘリコプター搭載護衛艦)
3機以上のヘリコプターを搭載し、主にヘリコプターの母艦として補給・整備にあたる能力を持った護衛艦。
「はるな型」の後継艦として、実質的なヘリ空母としての能力をもつ「ひゅうが型」が配備され、その能力は
飛躍的に高まった。

しらね型(しらね・くらま)


「はるな」型の拡大改良型で、武器システムをデジタルコンピュータで統括した初のシステム艦。
ミサイル護衛艦以外ではじめてミサイルを搭載した護衛艦でもある。
「くらま」はCIWS(近接防御火器)としてファランクスを搭載したはじめての艦で、
2001年のインド洋派遣、2005年の漢級原潜領海侵犯事件でも出動した歴戦の艦。
2009年関門海峡で韓国籍の貨物船「カリナスター号」の操船ミスにより衝突、艦首部分を大きく
破損する被害を被ったが、修理され復帰、東日本大震災では災害派遣部隊の一員として活躍した。


ひゅうが型(ひゅうが・いせ)
 

老朽化した「はるな」型(はるな・ひえい)の後継艦として建造された護衛艦。
護衛艦としては過去最大のサイズである。
特徴はなんといっても艦橋を右舷に寄せた、全通甲板を有する空母型の船体だろう。
従来のDDHは、ヘリの運用能力は高いとはいっても、格納庫内では大掛かりな整備はできず、運用には制約があった。
全通飛行甲板とした「ひゅうが型」は3機の同時発艦が可能で最大11機を搭載、格納庫内で十分な整備もできる。
また、艦隊旗艦としての司令部機能も充実しており、災害派遣等を考慮し集中治療室を含む医療設備もある。
砲は装備していないものの、VLS(ミサイル垂直発射システム)、ファランクス、短魚雷発射管を装備、
個艦防御、対潜、対空戦闘用としては十分な能力を持つ。
東日本大震災では洋上の補給拠点として機能した。

(DDG ミサイル護衛艦)
長射程の対空ミサイルと高度な防空システムにより、自艦だけでなく艦隊を防御する能力を持った護衛艦。
イージスシステム搭載護衛艦の配備により大幅に強化され、弾道ミサイル迎撃能力が付与されている艦もある。

はたかぜ型(はたかぜ・しまかぜ)


海上自衛隊では第三世代のミサイル護衛艦。前方の敵性航空機に迅速に対処するためミサイル発射機が
前甲板に配置されている。DDGとしてははじめてオール・ガスタービン推進を採用した。
イージスシステム搭載護衛艦が6隻揃った現在では、同時に2目標にしか対処できない本型は
艦隊防空艦として見劣りしてしまう存在になってしまった。

こんごう型(こんごう・きりしま・みょうこう・ちょうかい)
 

イージスシステム(同時に100以上の目標を捕捉・追跡、10以上の目標を同時攻撃できる)
を搭載し、米海軍アーレイバーク級をベースに開発された護衛艦。
司令部機能の充実を図ったため、艦橋構造物はより大型になった。
本型の配備により、対潜・掃海能力に特化していた海上自衛隊の防空能力は大きく向上することとなった。
こんごう型4艦は全艦が弾道ミサイル迎撃能力付与の改修を受けた。
2009年に北朝鮮が行った弾道ミサイル発射実験では、日本海側に配置された「こんごう」「ちょうかい」、
太平洋側に配置された「きりしま」が発射された弾道ミサイルの探知・追尾に成功している。

あたご型(あたご・あしがら)


こんごう型の発展改良型。マストや船体各所にステルス対策が施されており、ヘリコプター格納庫も
設置された。あたご型2隻についても弾道ミサイル迎撃能力が付与されることとなっている。

(DD 汎用護衛艦)
対空・対潜・対艦・ヘリコプター搭載能力を持ち、一通りの能力を備えた護衛艦。隻数は最も多く、
護衛艦隊の中核戦力である。

はつゆき型(みねゆき・さわゆき・はまゆき・いそゆき・はるゆき・やまゆき・まつゆき・せとゆき・あさゆき)


昭和57~62年に12隻が就役した汎用護衛艦。DDとしてはじめてオール・ガスタービン推進を採用した。
バランスの取れた兵装を搭載している。8番艦からはフォークランド紛争の戦訓から艦橋構造物などが鋼製化された。

あさぎり型(やまぎり・ゆうぎり・あまぎり・はまぎり・せとぎり・さわぎり・うみぎり)


「はつゆき型」の拡大改良型。情報処理能力の向上、水中雑音の低減等が図られている。

むらさめ型(むらさめ・はるさめ・ゆうだち・きりさめ・いなづま・さみだれ・いかづち・あけぼの・ありあけ)


平成8~14年に9隻が就役した汎用護衛艦。ミサイル発射機がVLS(垂直発射システム)化されステルス性も考慮されている。
レーダーやソナー、電子装備も刷新されている。
省力、省人化も重視され、乗員数は「あさぎり型」に比べ55人減り、居住性が向上した。

たかなみ型(たかなみ・おおなみ・まきなみ・さざなみ・すずなみ)
 

「むらさめ」型の発展改良型。76ミリ速射砲から127ミリ速射砲に改め、2形式からなっていたVLSをMk41に
統一して前甲板にまとめられている。

あきづき型(あきづき・てるづき)
 

2012年~2014年に4隻が就役予定の汎用護衛艦。従来よりも高いステルス性を有し、弾道ミサイル迎撃任務
にあたるイージスシステム搭載護衛艦を補完、護衛するためFCS-3艦対空戦闘システムを搭載、
自艦だけでなく艦隊防空を行うことができる。

(DE 小型護衛艦)
地方隊に配備され、沿岸防衛にあたる護衛艦。予算縮減により近年新造艦は無い。
2008年に行われた組織改編により、DEも護衛艦隊に編入された。

あぶくま型(あぶくま・じんつう・おおよど・せんだい・ちくま・とね)


アスロック対潜ミサイル、ハープーン対艦ミサイルを装備し、DEとしては高い対潜、対艦能力を持つ。

(PG ミサイル艇)
対艦ミサイルを装備した舟艇。主として対艦攻撃任務と哨戒任務を行う。
快足を生かして不審船対処にあたることも考慮されている。

はやぶさ型(はやぶさ・わかたか・おおたか・くまたか・うみたか・しらたか)


6隻が配備されたミサイル艇。ステルス性を重視された船体、砲が特徴的。
局地防衛用の水上打撃力として沿岸の哨戒任務に就いている。

(MST 掃海母艦)
掃海艇の母艦として、掃海艇への補給、乗員の休養を行える設備を持った艦。

うらが型(うらが・ぶんご)


掃海母艦としての指揮・補給能力に加え、掃海ヘリへの補給能力、機雷敷設も行うことができる。

(MSO 掃海艦・MSC 掃海艇・MSL 掃海管制艇)
掃海艦・掃海艇は敷設された機雷を除去し、海域の安全を確保する任務を担う。
掃海管制艇は、自航式機雷掃海具を管制する母艇。
非磁性を保つため船体は木造だったが平成20年度計画の「えのしま型」掃海艇からは
FRP(強化プラスチック)製に改められた。

すがしま型(掃海艇 すがしま・のとじま・つのしま・なおしま・とよしま・うくしま・いずしま・あいしま・あおしま・みやじま・ししじま・くろしま)


12隻が就役した木造掃海艇。ペルシャ湾での教訓を生かし本格的な機雷掃討システムを装備している。

ひらしま型(掃海艇 ひらしま・やくしま・たかしま)


「すがしま型」の発展改良型。国産の新型機雷掃討システムを装備している。S-10掃討具は
機雷の捜索・探知を自ら行える水中航走式である。

やえやま型(掃海艦 やえやま・つしま・はちじょう)


3隻が就役した掃海艦。世界最大の木造船でもある。深々度掃海を任務としており、
深々度機雷、対潜用機雷に対処する。

いえしま型(掃海管制艇 いえしま)


陸岸に近い浅海面の掃海を任務とする。スウェーデン製の自航式掃海具SAMの母艇として使用されている。

(LST 輸送艦)
輸送任務を担う艦。全通甲板型の「おおすみ」型輸送艦の配備により大幅に能力が向上した。

おおすみ型(おおすみ・しもきた・くにさき)
 

「おおすみ型」は登場時にマスコミが「空母だ」などと騒ぎたて、軍事無知ぶりを露呈した全通甲板が特徴
の輸送艦。エアクッション艇「LCAC」2隻を搭載し、揚陸することができる。
完全武装の陸自隊員330名、90式戦車20両、火砲・大型車両40両を搭載する能力を持つ。
他国でいうドック型揚陸艦である。LCACは海岸や不整地に直接進入することができるため、
東日本大震災においても活躍した。

(AOE 補給艦)
他の艦船に対し燃料や弾薬の補給を行い、長期間の艦隊行動を支える艦。

とわだ型(とわだ・ときわ・はまな)


3隻が就役した補給艦。方舷3箇所の補給ステーションを装備。コンピューター制御により方舷で
1分間に1リットルの補給が可能で補給状況を判読する装置も備えている。

ましゅう型(ましゅう・おうみ)


2隻が就役している補給艦。海外派遣や災害派遣も考慮され、充実した医療設備も持つ。
ステルス性を考慮された船体、補給艦としてはじめてガスタービン推進を採用、ヘリの搭載ができるよう
ヘリコプター格納庫も設置された。

(ASR 潜水艦救難艦・AS 潜水艦救難母艦)
海中で遭難・沈没した潜水艦の乗員を救助する装備を持った艦。
潜水艦救難母艦は救難艦としての能力だけでなく、潜水艦乗員の休養施設、補給、給電といった潜水母艦としての能力も
持つ。

ちはや型(潜水艦救難艦 ちはや)


DSRV(深海救難艇)を搭載した潜水艦救難艦。艦の後部にはヘリコプター甲板を有する。

ちよだ型(潜水艦救難母艦 ちよだ)


前代ちはや型の拡大改良型。DSRVとDDS(深海潜水装置)を搭載。潜水母艦としての機能も持つ。

(SS 潜水艦)
海中に潜行し、隠密性を生かして敵水上目標を監視、攻撃する任務を担っている艦。
海上自衛隊は原子力潜水艦の配備は政治的な制約により不可能なため、全て通常動力型の潜水艦である。
通常動力型潜水艦は長期間の潜航ができない事が最大の弱点であったが、「そうりゅう型」から本格的に搭載されたAIP機関
により、数週間の連続潜行が可能となった。平時は各海域において警戒監視やデータ収集を行っていると思われるが、
隠密性が最大の武器である潜水艦の任務や行動については潜水艦隊司令部が一元指揮を執っており、ほとんど明らかにされる事は無い。

おやしお型(おやしお・みちしお・うずしお・まきしお・いそしお・なるしお・くろしお・たかしお・やえしお・せとしお・もちしお)
 

11隻が就役している潜水艦。これまでの海上自衛隊潜水艦の主流であった涙滴型の船体から葉巻型の船体へと
大幅なデザイン変更が行われた。船体やセイルには吸音タイルが装着され、高い静寂性を誇る。
艦の両舷にフランクアレイソナーを装備し、探知能力が大幅に向上、有線魚雷6本を同時管制できる。

そうりゅう型(そうりゅう・うんりゅう・はくりゅう)
 

これまでに3隻が就役している潜水艦。通常動力型潜水艦としては世界最大である。
スターリング機関4基によるAIP(非大気依存推進システム)を搭載し、水中持続力が増大した。
艦尾舵も十字型からX舵に変更され、水中運動性能が向上した。

(哨戒機)

P-3C オライオン
 

米海軍が開発した対潜哨戒機。西側諸国の多くで採用されている。
海上自衛隊では昭和53年から101機を調達した。
磁気探知機や赤外線暗視装置、逆開口レーダー、ソノブイ等を用いて潜水艦を探知、対潜爆弾や対潜魚雷で攻撃する。
対艦ミサイルを装備しての対艦攻撃も可能。
それぞれの航空群が担当エリアで監視飛行を行い、不審な船舶や周辺国海軍艦艇の動向に目を光らせている。
その監視能力はソマリア沖での海賊対処でも生かされている。
装備の改修は行われているものの、機体の老朽化により退役がはじまっており、後継機の導入が行われる。

P-1(XP-1)


P-3Cの後継機として国内開発されている次期哨戒機。航空自衛隊の次期輸送機(XC-2)と機体部品の
共有によるコスト低減が図られている。P-3Cを完全に置き換え、飛行性能の向上により配備数は減少する見込み。
間も無く開発が終了し、部隊配備が開始されると思われる。

SH-60J シーホーク


海上自衛隊では米海軍SH-60Bの日本向け仕様を103機導入した。
護衛艦に搭載され、護衛艦の作戦手段の1つとして運用される。護衛艦とはデータリンクで結ばれ、
ヘリのレーダー画像やソノブイの探知情報は護衛艦のCIC(戦闘指揮所)でも見ることができる。

SH-60K
 

SH-60Jを基に独自改良を行ったヘリコプター。エンジンの換装、機体形状、ローターの変更、
搭載機器の追加、変更など改良箇所は多岐にわたる。また、対艦ミサイル、対潜爆弾の装備が可能となり、
攻撃能力も大幅に向上した。SH-60Jを全て置き換える方針だったが予算縮減によりSH-60Jの
退役数分が調達できず、SH-60Jに機体延命措置を施すことで対応している。

(電子偵察機)

EP-3


P-3Cの機体をベースに電子戦データ収集機として5機が新造された。
飛行中に収集した信号や通信電波を解析、艦艇や地上に伝達する。

(掃海機)

MH-53E シードラゴン


海上自衛隊は米海軍が開発したCH-53Eの掃海用として開発されたMH-53Eを11機導入した。
掃海母艦に搭載され、航空掃海具を曳航して機雷を探知、処分。掃海艇が行う機雷掃討を支援する。
航空掃海を行うことができるのは世界でも米海軍と海上自衛隊だけである。

MCH-101


海上自衛隊はイギリスとイタリアが共同開発したAW101をMH-53Eの後継機として導入した。
MH-53Eと同じ11機が調達されると思われる。作戦機としては初の欧州製の機体となった。
MCH-101用の掃海具はまだ制式化されておらず、掃海機として戦力化されるにはまだ時間がかかる
と思われる。

(救難機)

UH-60J
 

海上自衛隊では、航空自衛隊と同じく救難ヘリコプターとしてUH-60ブラックホークに改良を施して19機を導入した。
機上救護員が搭乗し、洋上で高度な救助活動を行う。

US-1A
 

対潜哨戒機として開発されていたPS-1に救難器具を搭載し、救難飛行艇US-1として採用された。
7号機からエンジンを換装しUS-1Aとなった。波高3メートルの海面への着水が可能。洋上への着水
が可能なことから離島の急患輸送にも活躍している。後継機US-2の配備により退役する。
PS-1の開発に携わった菊原静男技師は旧海軍で大活躍した二式飛行艇の設計主務者であり、その技術は
US-2として今に受け継がれている。

旧日本海軍の二式飛行艇(二式大艇)

US-2


US-1Aに様々な改良が加えられた救難飛行艇。艇体についてはほとんど変更は無い。
フライ・バイ・ワイヤシステムの導入により、より安全な着水が可能となった。
他にもキャビンの与圧、自動操縦装置の装備、グラスコックピットの採用などの改良が行われ、
世界で最高性能の飛行艇となった。導入に関心を示している国もある。
US-2は武装等は持たない純然たる救難機のため防衛省は「武器輸出三原則」には抵触しないと判断、
民間転用のための技術情報を開示する方針を固めた。製造元の新明和工業は各国へ売り込みを図っている。

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