kyoujyuの気まぐれ

ゲーム関連や日々の気になった出来事等を気まぐれで書いていきます。軍事知識は一般人に毛が生えた程度なのであしからず・・・

気になる中国海軍空母とその動向

2012-02-27 20:13:32 | 軍事関連
<はじめに>



日本でも何かと話題に登る事が多い中国海軍の航空母艦。
中国は好調な経済状況を背景に軍の近代化、拡充を図っているが、海軍においても例外ではない。
中国は経済発展のため、海上交通路への依存を強めると思われる。日本はアメリカと同盟関係にあり、遠方
における海上交通路の防衛は米海軍に依存しているため(ソマリア沖の海賊対処は行っているが)日本人からしてみれば
なぜ中国は海軍を増強するのか、疑問を抱くのは当然だと思う。
しかし中国からしてみれば、軍事的には台湾をめぐってアメリカと対立状態にあり、南沙諸島をめぐる周辺国との対立、インドとの
領土問題での対立があり、中国の海上交通路が脅かされる可能性は少なくない。
中国が独自に自国の海上交通路を保護しようとするのであれば、経済発展に比例した海軍力の増強は必然のものであるといえる。

しかし、なぜ空母を保有する必要があるのだろうか。中国の悲願でもある台湾併合を目的とするならば、台湾海峡は空母を
浮かべるには不向きであるので、揚陸戦力の増強、潜水艦を増強し、米海軍空母の接近を阻止、妨害するほうがよほど効果的だろう。
それでもなお空母保有にこだわるのは、軍部や政府高官に根強くある「中国は大国であり、大国は空母を持つべきである」
という考え方によるものであると思われる。このあたりは、日本人には到底理解できないものであろう。

<中国初の航空母艦保有に向けた動き>

1985年、中国はオーストラリア海軍の退役空母「メルボルン」を購入、設備や構造を入念に調査され、
1994年に解体された。また、ロシアから退役空母「キエフ」級2隻を購入し、これも徹底的な調査が行われた。
そして1998年、ウクライナから「海上ホテルとして改装する」という名目で旧ロシア海軍空母「ワリヤーグ」
を購入、有力な空母の入手に成功する。
2002年に大連に到着するも、電子装備、戦闘システムや発着艦に関する設備、システムは未搭載であった。
ロシアの協力も中々得られず、独自開発、又は入手を余儀なくされたため、長らく大連に停泊したままであったが、
2011年ついに改装工事が終了し、現在は海上公試がおこなわれている。
ただ、技術的なハードルはまだまだあると見られており、「ワリヤーグ」は練習空母として運用されていくのか、
本格的な空母として再就役するのかは不透明である。

<空母機動部隊の創設か?>

あくまで空母の完成は第一段階に過ぎない。空母は単体では機能しないからだ。
レーダーには大きく写り、水中騒音は大きく、攻撃を受ければそのにぶい巨体が敵の手から逃れる
すべは少ない。空母そのものは、海上における巨大な「的」でしかない。
空母の天敵は潜水艦であるといわれる。空母の予測進路上の海底で待ち伏せ、魚雷攻撃を行うことができるからだ。
海上自衛隊は中国の空母保有を見越しての事だと思われるが、潜水艦の装備定数を16隻から22隻へと増やした。

そのため空母を外洋で運用する国は、空母単体では行動させず、何隻もの潜水艦・水上艦を護衛に付けて行動させている。
空母を戦力として運用するためには、空母を護衛する高度な防空・対潜能力を備えた水上艦、潜水艦、補給艦の整備、
艦載機の調達、訓練などなどハードルを挙げていけばきりが無く、戦力化して米海軍・海上自衛隊と対峙できるようになるまでには
相当な時間と資金がかかることだろう。


中国版イージス艦「旅洋2型」駆逐艦

<中国空母の役割は?>

空母の主な役割・特徴は3つあるといわれる。
・外洋展開
空母搭載の艦載機により制空権を確保し、軍事力をより遠方へ、より安全に展開させることができる。
・戦力投射 
艦載機により、公海上からならどこからでも攻撃、監視等が可能になる。
・砲艦外交
実際に攻撃を行わずともそれが可能である、という無言の圧力により、外交に影響力を与えることができる。

前述のように、東シナ海・台湾海峡等において米海軍・海上自衛隊と対峙するには力不足の空母であっても、
南沙諸島方面であれば話は違ってくる。今回配備された「旧ワリヤーグ(公称不明)」の所属が南海艦隊であること
からも、目的は明白である。すなわち、中国空母の目標は南シナ海にあるということだ。
東南アジア諸国の海軍力は、近年中国海軍に対抗して増強されつつあるものの、中国の空母機動部隊が完成すれば
十分に牽制できる規模だ。
つまり中国空母は当面、南シナ海での軍事プレゼンスとして使用され、将来様々なハードルをクリアした複数の空母機動部隊
が整備された時、インド海軍や米海軍、海上自衛隊と対峙し、影響力を与えてくる事になるだろう。

<世界に空母を保有している海軍はどのくらいあるのか?>

海軍を保有している国は123カ国、その中で空母を保有しているのはわずかに7カ国しかない。
※アメリカ、フランス、ロシア、イタリア、スペイン、インド、ブラジル

・イギリスは軽空母3隻を保有していたが、2隻が退役、そのうえ搭載機が全て退役しヘリ空母となっている。
2020年にF-35を搭載する空母「クイーン・エリザベス」が就役の予定。
・タイも軽空母1隻を保有していたが、搭載機が退役、ヘリ空母となった。

<世界の現役空母>

(アメリカ海軍)11隻
エンタープライズ、ニミッツ、ドワイト・D・アイゼンハワー、カールビンソン、セオドア・ルーズベルト
エイブラハム・リンカーン、ジョージ・ワシントン、ジョン・C・ステニス、ハリー・S・トルーマン
ロナルド・レーガン、ジョージ・H・W・ブッシュ
 
ニミッツと搭載機F/A-18E

(ロシア海軍)1隻
アドミラル・クズネツォフ

(フランス海軍)1隻
シャルル・ドゴール
 
シャルル・ドゴールと搭載機ラファール

(イタリア海軍)2隻
ジュゼッベ・ガリバルディ、カヴール

カヴール

(スペイン海軍)1隻
プリンシペ・デ・アストゥリアス

(インド海軍)1隻
ヴィラート


(ブラジル海軍)1隻
サンパウロ
 
サンパウロと搭載機AF-1

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