kyoujyuの気まぐれ

ゲーム関連や日々の気になった出来事等を気まぐれで書いていきます。軍事知識は一般人に毛が生えた程度なのであしからず・・・

リビア軍事介入長期化の様相

2011-06-21 20:58:43 | 軍事関連
民主化デモが内戦に発展
チュニジアの反政府デモに端を発した民主化運動はリビアにも飛び火、リビアの独裁指導者カダフィの退陣を
求めるデモが頻発した。リビア政府は当初、治安維持の為に警察を動員していたが、デモが広がりを見せると
軍を動員、市民に対し攻撃を加え始めた。これに対抗し、市民側も武装によって対峙、「反政府軍」と呼ばれ
るまでに拡大した。政府側からも離反者が出、離反した政府高官を中心に「リビア国民評議会」が設立され、
内戦状態となった。リビアにいる自国民を救助するため、各国はNEO(非戦闘員救出作戦)を実施。
中国や韓国は海賊対処の為にソマリア沖に展開していた艦艇を急遽自国民救出の為に派遣した。
リビア国民評議会は各国に軍事介入を要請するが、アメリカやトルコなどは軍事介入には消極的だった。
(アメリカは今思えば当時進行中だったオサマ・ビン・ラディン急襲作戦の影響で消極的だったのかもしれない)
国連安保理で軍事介入の是非を決定する投票が行われ、賛成10、棄権5(ロシア、中国、インド、ブラジル、ドイツ)
反対0で可決、リビア政府軍による市民への攻撃を阻止するため軍事介入が決定した。

 
反政府軍  相変わらずの日本車の存在感w


3月19日 「オデッセイ・ドーン作戦」戦いの口火が切られる
3月19日、飛行禁止区域の監視と地上攻撃を目的とした作戦が開始された。参加国は
アメリカ、イギリス、ベルギー、カナダ、デンマーク、ギリシャ、イタリア、ノルウェー、
カタール、スペイン、アラブ首長国連邦、オランダ。
米アフリカ軍司令部(シュツッツガルド)が司令部となり、各国軍はその指揮下に入るか、協調作戦を行った。
空軍機は主にイタリア国内の基地に展開。カタール空軍、アラブ首長国連邦空軍は実戦初参加となった。

海軍艦艇は地中海に展開し、トマホーク巡航ミサイルによる地上攻撃とリビア海軍の監視、民間船舶の護衛
を行った。海軍はアメリカ海軍が駆逐艦バリー、スタウト、ミサイル原潜フロリダ等を展開、イタリア海軍が空母
ジュゼッペ・ガリバルディ等を派遣、フランス海軍は空母シャルル・ドゴール等を派遣、他にもイギリス、ベルギー、
ギリシャ、スペイン、ウクライナ、ブルガリア、ルーマニアが艦艇を派遣している。


地中海上空を飛行するフランス軍 ラファールとミラージュ2000

3月31日 指揮権はNATOへ 参加国増加
3月31日から指揮権はNATO軍司令部へ移され、作戦名称も「ユニファイド・プロテクター作戦」となった。
ここから新たにブルガリア、ルーマニア、トルコ、スウェーデン、ヨルダンが作戦に加わった。
ヨルダンは実戦初参加となった。

軍事介入開始から3ヶ月が経過 膠着状態が続く
作戦参加航空機の出撃数は5月7日の時点ですでに5000回を越えており、リビア空軍の作戦機、対空ミサイル、レーダーサイト
は破壊され空軍の機能は無いものの、地上軍は頑強に抵抗を続けており、反政府軍側の装備、統制力の低さもあって
戦況は膠着状態が続いている。民間人への誤爆による軍事介入への反発、作戦長期化による参加国の財政的な負担も大きく、
事態打開のめどはたっていない。

イラク戦争より大規模 18カ国から作戦機が集結
今回の作戦では18カ国から300機以上の作戦機が集結し、イラク戦より大規模な航空作戦となった。
スウェーデン空軍のJAS39Cグリペン、イギリス空軍のユーロファイタータイフーン、
アメリカ海軍のEA-18Gグロウラーは初の実戦参加となった。
機数が多かったのはF-16で、10カ国80機余りの様々なタイプのF-16が集まった。

 
アメリカ海軍EA-18Gグロウラー電子戦機(左) スウェーデン空軍JAS39Cグリペン戦闘機(右)

 
デンマーク空軍F-16戦闘機(左) アラブ首長国連邦空軍F-16戦闘機(右)

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