月明かりの下の独り言

こちらに舞い戻って参りました。
こちらで、ちょっくら暑苦しく真面目な話題に、取り組んでいきたいと思います。

「空気」に逆らう自分の「立ち位置」と、社会の関係

2008-01-09 | 民主主義とは
昨日、アメブロに書いた記事の続きです。

空気を読むのが得意な日本人。
良い面ももちろんあるんだろうけど。
空気を読む、という言葉で言ってしまえば、いろんな意味が含まれてしまって。

「あの時代」につながっていくような空気になった時。

それはもはやKYというもので捉えられるようなものではなく、その価値観、意見に無意識に同調し、それがあたかも自分の意見であり、価値観であると錯覚してしまう、という状態になる。その価値観、意見が「空気」のように当たり前のようになってしまう。そんなことになりうる怖さを、人間は持っているのではないだろうか。

これは、日本人に限らず、例えば同時多発テロの後の、アメリカ合衆国における雰囲気が、それをよく物語っているだろう。攻撃されたことに対するショックで、茫然自失になりつつ、強いアメリカを取り戻すため、報復することに全くのためらいがない雰囲気。あのビルの崩壊で肉親を失った人の中に、「私の大切な人の死を、さらなる憎しみにつなげないで」というメッセージを発した人がいた。その遺族に対し、「アメリカ合衆国政府のやり方に異を唱える非国民」的な脅しや誹謗中傷が集中した、という内容のドキュメンタリーを、いつかNHK-BSで見た。

そんな「空気」に、社会が染まった時。その「流れ」に、果たして私は逆らうことができるだろうか。それが、とても怖い。

自分の考えていることは、果たして本当に自分自身で考え、判断したことなのか。その自分の意見、価値観の根っこを、選り分け、探り、なぜ自分がそう考えるに至ったのか、それをきちんと分かっていたい。把握しておきたい。自覚していたい。そして、その根本に照らし合わせることで、次に自分が何をどのように感じ、認識し、判断するか、自覚的に捉え、選び取っていきたい。自分の「立ち位置」を、確かめておきたい。

「立ち位置」と自分のキャラ。この二つは、もしかしたら似たような意味で捉えられるかもしれない。

後者は、若い人達の中でやっぱり人間関係を築く上で重要なキーワードとなっているらしい。友人の中で、自分の「居場所」。

でも、私の考える「立ち位置」とは、そうではない。自分がなにかに「流されて」いるのではないか、きちんと地面に足をつけているか。その地面が「立ち位置」。その確認作業をし続けたい。

だけど、それだけでは、やっぱり足りないと思う。自分がきちんとしていれば、それで良いの?

そして、同じことを、相手との対話でやっていく。相手の話に誠実に耳を傾けることで、できるだけ相手の「立ち位置」を理解する。相手の立場、考え方、根っこの部分。それは、相手が無意識に持っているモノだとしても、そこになんとか入り込んで、理解し、妥協する。もちろん、自分が受け取ったもの、理解したものは、自分のフィルターを通したものであること、ということを忘れてはいけない。そのためにも、自分自身はできるだけ自覚的でありたい。

そして、自分の根っこと、相手の根っこを、こすりつけてみたり、ぶつけてみたり。
そうすることで、自分の価値観や考えが、相手の影響で変わっていくこともあるだろうし、相手のほうも私に影響を受けることだってあるかもしれない。その可能性を、つぶしてはいけない。

そうやって、自分は変わっていきたいし、世の中も、社会も、少しずつ変えていきたい。
変えていけると、信じたい。

空気を読んで、何となくその空気に自分を合わせていく、のではなく。
ただ、空気に反発する、と言うのではなく。
自分自身も一度グチャグチャに壊して、そして組立て直す。

そんな作業をすると言うことが、じつは民主主義、なんじゃないかと思う。

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3 コメント

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流されないこと ()
2008-01-09 20:22:15
「長いものには巻かれても、巻かれながら巻かれないでいることだ、そしていつか巻き返す」というような意味の小田さんの言葉を思い出しました。
とてもむずかしいことですが…。好きな言葉です。
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Unknown (夕顔)
2008-01-12 09:09:58
私もKYって言葉嫌いです。
空気読めないって悪口言われるのが怖くて
自分をなくすなんて・・・
というより人の空気感に合わせていくだけで
自我が確立されてないのかしら現代人って。

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>夕顔さん (くぅ)
2008-01-13 00:55:10
以前も書いたように、人から迷惑を掛けられること、掛けられたと思ってしまう状況に、極端に我慢できない人たちが増えているような気がします。安易なクレーマーや、モンスターペアレント。

一生懸命、自分のキャラを作ってるのに、それに気づいてくれないことも、傷ついてしまうらしいですよ。

空気を読むことを重視しすぎる風潮に、実はみんなと一緒がいいっていう感覚と、個性を求め過ぎる感覚の両方が影響しているのかもしれませんね。

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