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鳥の歌

2010年07月05日 21時43分17秒 | 日記

チェロ奏者のパブロ・カザルスはケネディ大統領の招きに応じ、ホワイトハウスの純白の広い舞踏室で演奏した。
1961年11月13日の事だった。
それは、しかし当時としては異例の出来事だったのだ。

カザルスは1898年にマッキンレー大統領に、また1904年にはルーズベルト大統領に招かれ、ホワイトハウスで演奏している。
しかし祖国スペインのフランコ独裁政権に反対する立場から、1938以降アメリカでは演奏活動を行っていない。
それはアメリカが、この独裁政権を承認していたからだ。
カザルスはケネディ大統領をヒューマニズムの指導者として敬愛し、世界の危機的な状況を打開してくれるだろうと期待した。
そうしてカザルスの、平和を願う気持ちの象徴として語り継がれる演奏会が実現したという訳だ。

当時のカザルスが、演奏会の最後に好んで演奏したのが、生まれ故郷カタルニアの民謡である「鳥の歌」である。
彼はたいていこう言ってこの曲を弾いたと言う。
「故郷カタルニアの小鳥たちは、青空に飛び上がると、ピース、ピースと言って鳴くのです」と…

パブロ・カザルス:チェロ
ミエチスラフ・ホルショフスキー:ピアノ
アレクサンダー・シュナイダー:ヴァイオリン