通勤に便利だからと自宅から京都に一人住まいする
娘が帰ってきたのは全国的に大雪となった日曜日の朝だった。
元々は週の半ばに彼女の誕生日があり帰省するのは毎年のことだが、
律儀というか実際にはご馳走にありつけるというので家族の誰の誕生日であろうと
必ず帰ってくるのは定番化しているのである。
前日の朝から頭が重くて近所の医者に診てもらうとインフルエンザ。
週明けから1週間勤務も停止となってしまっては一人アパートで悶々とするのと比べるまでもなく、
無料で顎足つきの完全看護の自宅では選択の余地もあるわけがない。
因みにその数日後今度は嫁はんも罹り、予防接種をしていない俺だけが大丈夫なのも
なんとも不安な現在なのであるが。
折角の誕生日を向かえて食欲もないのがスゴク悔しい娘に対して、
ここは一丁親父らしく何か考えなければなかろう。
熱っぽい体には冷たい物が良かろうと思う前に既にアイスクリームのリクエストがあり、
購入済みでは多少の二番煎じは否めんが六甲山牧場のプリンを買って帰ることにしよう。
実際には近所の百貨店や専門店でも入手出来ただろうが、
娘への土産の口実に午後から暇な仕事を抜けて六甲山ドライブとしゃれ込んだ。
当然多少の積雪や凍結は織り込み済みさ。
せっかく先月早々にスタッドレスに交換後に今シーズンは一度高速で経験したままで、
まだ雪の山道は通ったこともないのが実のところちょっぴり心残りだったのよね。
平日の日中はそりゃガラガラ空き空きで運転もしやすいのも予定通り。
ゆっくり逆瀬川から昇る六甲は昔、何度となく通ったデートコースなのである。
遠くを見つめ物思いに耽る間に段々と道端には溶けずに雪が残っていて気が抜けない。
慎重に運転を続けると前のマジェスタに追いついてしまった。
車高をやや下げたような若者仕様でどうやらカップルのようだ。
折角の六甲ドライブデートもノーマルタイヤでは自転車並みの速度である。
決して煽ったりせず追走していただけだが、
俺に気づいたマジェスタは路肩に車を止めパスさせてくれたので
頂上にあるレストハウスまで一気に駆け上がった。
予想通り店内は開店休業状態の客は俺ひとり。
目当てのプリンをゲットしてふと思いついたんだよね。
以前アルミテープやバランスエッグを購入して過去最高の燃費を記録した話を
ブログアップしたのを覚えてるガズ友もいるだろう。
あの時は裏六甲の北側を通る中国自動車道を西宮北インターから
池田インターを通るルートで記録したものだったが、
六甲山頂から裏六甲側に下りて高速を通れば更に記録がアップするのではないかって事さ。
このまま下った阪神高速からは中国道に合流するまでの道のりはほぼ下りしかないのだから。
てことで来た道をUターンせず、そのまま山を行き過ぎた反対方向に下り、
高速を利用して帰ることにしたという訳である。
夜なら凍結の恐れもある裏六甲への下りの道も前後どころか対向車も1、2台の
ほぼ独占状態の道路状況であった。
自宅までの40キロ弱を走行した結果がこれさ。
まあこれ以上のシチュエーションは現実的にはないと言うべきか、
これに比べりゃ三菱やワーゲンの燃費改ざんなんて子供だましの可愛らしさ、
ユセフトルコの目を盗んで栓抜きをパンツに隠すような良心的なものでないのは間違いないな。