くろやなぎ農園 農園便り

長野県上水内郡飯綱町で自然農法の米、野菜、果物を育てています。援農、農作業体験したい方大歓迎、後継者募集中。

稲作便り(冬期湛水)

2019-01-23 | 稲作便り
   

 冬期湛水とは秋に稲刈りをした後も田んぼに水を入れておく農法。

 冬期湛水の主な目的は、雑草を抑える事 と 多様な生き物が生息できる環境を作る事 の2点。

 田んぼにいつも水を湛えておくと、いろいろな生き物が棲みつく。

 イトミミズ、タニシ、オタマジャクシ、カエル、ゲンゴロウ、コオイムシ、ヤゴ、トンボ・・・・・・・・・

 さらに夏になると藻の一種サヤミドロが繁殖する。

 これらの生き物の糞や死骸、さらにはサヤミドロが土に戻ることにより良い土ができるみたいだ。

 特にイトミミズの効果は絶大だ、生クリームの様なトロトロの泥(イトミミズの糞)が出来る。

 美味しい米の秘訣はこれらの土や泥にあるみたいだ。その美味しさは抜群。

 一般の慣行栽培の農家は、なぜ冬期湛水をしないのだろうか。

 それは除草剤や農薬を使っているから、冬期湛水をしても意味がないからだ。

 雑草は除草剤で簡単に防げるし、病気や害虫は農薬(フィプロニール)で対応できる。


【雑草とイネミズゾウ虫】

 冬期湛水を始めて7年目。

 冬期湛水を始めた当初は雑草が多くて苦労したが、年々雑草が少なくなり

 最近はあまり田の草取りをしなくてもよくなる。

 一方で厄介なことが起きる。それはイネミズゾウ虫だ。

 イネミズゾウ虫の成虫は、3mm程の大きさをしていて、稲の根元に卵を産み付ける。

 卵からかえった幼虫は稲の根を食べる。根を食べられた稲はほとんど成長できず、

 米の収量は激減となってしまう。

 今までイネミズゾウ虫対策をいろいろ試みたが、どれもうまくいかず3年前から

 1匹1匹手で捕まえることにしている。この作業はすごく大変だが仕方がない。

 慣行栽培の農家は、イネミズゾウ虫対策の苦労は知らない。(6月のイネミズゾウ虫捕り

 農薬フィプロニールでいとも簡単に防げるからだ。


【除草剤】について

 田植え直後に苗が水面から出ている状態にして除草剤を投入する。

 除草剤の強力な酸化作用により、水面下の植物(雑草)を窒息死させる。

 この時田んぼの中の生き物も死んでしまう。

【農薬フィプロニール】について

 稲の苗にこの農薬を吸収させる。夏ごろまで効果を持続させいもち病や害虫の被害を防ぐ。

 この殺菌・殺虫剤の毒性が田んぼの微生物や生き物の生息を妨げる。

 特にイネミズゾウ虫には効果てきめん。毒性が葉に移行しているためイネミズゾウ虫は葉を食べることができない。

 この毒性が葉には移行するが、米に移行することがないのだろうか。


(参考 ウィキペディア冬期湛水



facebookページInstagram 
日曜百姓しませんか? 援農大歓迎
野菜の宅配のご注文受付中 
くろやなぎ流自然農法とは 
当農園での研修について
くろやなぎ農園のお米
お問い合わせ



コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 明けましておめでとうござい... | トップ | 椎茸の駒打ち »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。