新・私に続きを記させて(くろまっくのブログ)

ハイキングに里山再生、れんちゃんとお父さんの日々。

ポール・ヴェルレーヌ「秋の歌」 岡田嘉夫画伯のおもいでに

2021年03月11日 | 文学少女 五十鈴れんの冒険
(1)ヴェルレーヌ「秋のうた」

Chanson d'automne
                Paul Verlaine

Les sanglots longs
Des violons
 De l'automne
Blessent mon coeur
D'une langueur
 Monotone.

Tout suffocant
Et blême, quand
 Sonne l'heure,
Je me souviens
Des jours anciens
 Et je pleure

Et je m'en vais
Au vent mauvais
 Qui m'emporte
Deçà, delà,
Pareil à la
 Feuille morte.

「秋唄」(擬古文・漢字かな混淆バージョン)

         ポール・ヴェルレーヌ


まだ咽き熄まぬ
ヴィオロンの
 秋の音あらば
心傷み
身じろぎもせず
 生気も失せたり


いきどほろしく
蔭気たる
 鐘鳴る空に
思ひでの
過ぎ来し方も
 涕と消えぬ


われを離らしむ
塵旋風
 逆巻きゆけば
散りにける
拾ふものなき
 枯葉ぞわれは


「アキウタ」(擬古文・カナバージョン)

            ぽーる・う゛ぇるれーぬ

マダ ナキヤマヌ
ゔぃおろんノ
 アキノ ト アラバ
ムネ イタミ
ミジロギモ セズ
 イロモ ウセタリ

イキドホロシク
クスミタル
  カネ ナル ソラ二
オモヒデノ
スギコシカタモ
 ナミダト キエヌ

ワレヲ カラシム
ツムジカゼ
 サカマキ ユケバ
チリニケル
ヒロフ モノ ナキ
 カレハゾ ワレハ



「秋のしゃんそん」(口語訳バージョン)
             ぽーる・う゛ぇるれーぬ


むせび泣く……
う゛ぁいおりんだね、
 秋風は。
やるせなく
もう あきあきな
 せぴあの季節--


息詰まり……
死にたくなるよな
 鐘の音に
思い出も、
遠いむかしも
 涙でかすむ--

「いずこに」と?
狂った風に
 くるくると
宙に舞う
よりどりみどりの
 枯葉に聞けば?

                (五十鈴れん訳)


天国の岡田先生に届きますように…はぃ。

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7 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (れん父)
2021-03-12 15:03:13
早速の天の声に感謝です!

(口語訳)
(旧)死にたくなるような
(新)死にたくなるよな

(旧)「いずこに」って?
(新)「いずこにと?

「あきあき」「みどりの枯葉」とシャレ満杯といっていただけました。ありがとうございます。
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Unknown (れん父)
2021-03-13 10:17:54
改訳履歴

(擬古文訳・カナバージョン)
[第一連]
アキノ ネ → アキノ ト

岩波古語辞典より

と【音】「おと(音)」の「お」が脱落したかたち。「足(あ)の-」「瓊(ぬ」な-」「夜-」など。「遠(とほ)-にも君がなげくと聞きつれば」(万四二一五)

蚊は「かあ」、手は「てえ」と母音を延ばす上方流の発音で、「アキノオ ト」と読んでもらうと、現代語に近づく……と思ってもらえたらいいなあ?(適当)

(口語訳)
[第二連] 思い出たちも → 思い出も、

またまた天の声に感謝です! 愛娘の詩がどんどんかわいくレベルもあがり、おやばかですが喜びもひとしおです!
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Unknown (れん父)
2021-03-13 21:01:15
改訳履歴

(口語訳)
第一連四行め 「やるせなく」追加
(自由詩から定型詩に変えたときに欠落したのを訳補)
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Unknown (れん父)
2021-03-14 14:09:50
改訳履歴

擬古文訳・タイトル
「秋のシャンソン」より「秋のうた」に修正


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Unknown (れん父)
2021-03-15 12:56:53
改訳履歴

(口語訳)
第一連
[初出]
むせび泣く……
秋風の音は
 う゛ぁいおりん--

[改訳]
むせび泣く……
う゛ぁいおりんだね、
 秋風は。

擬古文同様に原詩の語順に準じる。
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Unknown (れん父)
2021-03-16 00:25:47
改訳履歴

擬古文訳 タイトル
旧 秋の歌
新 秋唄 

二連第四行
旧 時告ぐ鐘に
新 鐘鳴る空に

第一連から第三連を鉤括弧閉じに変更。

より朗詠しやすい方向へ修正。
「」付きにした最終二行がシテで、前の四行が賑やかしのワキというのか、読み上げるときも両者の声音は変える。
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Unknown (れん父)
2021-03-24 12:01:24
改訳履歴

擬古文訳 各連五行・六行
鍵括弧を外し元に戻した。実際に朗詠した際、わざわざシテとワキで声音を変える必要もなかった。

口語訳 第三連四行目

(旧)飛び回ってる
(新)宙に舞う

朗詠すると読みづらい。「くるくると」の跡に「飛び回っている」と「と」が続くのもぎこちない。ここだけ七音になっていることに気づき、他の連と合わせて語数を合わせた。旧かな表記なら「ちう」で五音になる。
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