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新・私に続きを記させて(くろまっくのブログ)

ハイキングに里山再生、れんちゃん姉妹とお父さんの日々。

眼のないエロスのために

2010年10月13日 | 読書
『記号の森の伝説歌』を読み返す。
何度読み返しても感動的な、
官能的な素晴らしい詩集。

眼のないエロスのために
  きょうもひさがれる言葉
   遠い過去においてきた
    記憶の家の語調
  空のつぎ目や涯ての村を
 おわったあとも結びつけている
  眼に視えない紐のような音
            (唱歌)

この冒頭の「眼のないエロスのために」という詩句に、
わしづかみにされる。
これこそ原生的疎外だと思う。
生命であるというだけで、
無機的自然から疎外された異和の領域、
それがエロティシズムの本質ではないだろうか。

生物が飛躍的爆発的に進化したのは、
カンブリア紀、「眼」という光スイッチを
手に入れてからだ。
このときに見るもの-見られるものという非対称的な関係も、
食うもの-食われるものという対立も生じた。

(十三回忌。
タナトスにはたぶん眼もなければ口もない)


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