笠井潔氏の『テロルの現象学』新版が出る。おれの保有する初犯、ちゃう、初版は本多著作選のように真っ赤な装丁だ。
長崎浩氏の『革命の哲学』を好意的に評していた山形浩生氏の批評を見かけた。この批判は、以前の清水アリカ批判にも通じる。さすがに「ゲロ」呼ばわりはしていないが。
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今にして思うと、結局この集合観念がよくて共同観念がダメ、各種の革命思想や運動が、集合観念から共同観念に転落していく . . . 本文を読む
<なぜ革マル派なんですか? たまたま早稲田に入ったからであって、もし法政に行ってたらいまごろ中核派で革マル派の批判してるんじゃないですか?
これにたいして、革マル派の客観的優位性を示すような回答を僕は期待していた。
ところがお兄さんは、こう言った。
常野くん、それはジュクというものだ。
え、ジュク? なんですかそれは?
受ける苦しみと書いて受苦。受動的に出会ってしまったんだ。
ええー、 . . . 本文を読む
「黒よ、共産主義って何だと思う?」
「『ゴータ綱領批判』の能力に応じて働き、必要に応じて受け取るアレですか? それとも『ドイデ』の朝には狩りをし、午後には釣りをし、夕方には牧畜を営み、食後には批判するアレ? 批判って総括みたいに殴る蹴るもOKっすか?」
「そんなものは赤軍派の諸君に任せておけ。共産主義は人類が万有引力の法則から解放されて、空を飛べるようになる時代だぜ」
「なるほど。ニ . . . 本文を読む
1859年11月24日、ダーウィンの『種の起原』出版さる。
エンゲルスがマルクス葬送のことばのなかで、「マルクスは人間の歴史の法則を発見したことで、ダーウィンの功績に比すべきものだ」と述べたのはよく知られている。
しかし、1980年代に思想的に物心めざめた世代には、マルクスもダーウィンも評判がよろしくない。「近代批判」「ポストモダン」「デカルト的世界観」「大きな物語」とか、その他いろいろ . . . 本文を読む
1903年11月18日、アメリカが、パナマ新政府とヘイ・ビューノー・バリラ条約を調印。アメリカは将来の運河両岸5マイル地帯を永久租借することになる。
パナマ運河の計画に最初着手したのはフランスだった。
会社を作ったのはスエズ運河を作ったレセップスである。1880年、フランスはパナマ運河建設にとりかかったが、作業員の多くが黄熱病やマラリアなどの病気にかかってしまい、失敗した。
その後を . . . 本文を読む
「まるでGuy Fawkes' Dayのようだね」
と、ロンドンから来た友人が平日夕方の渋谷の雑踏に驚いていた。英国人ではない。沖縄に生まれ育ち、大学も沖縄、卒業後に英国留学したので、ロンドンと那覇以外の都会を知らなかったのだ。
11月5日は、ガイ・フォークス・デイ(Guy Fawkes' Day)。ジョン・レノンも「リメンバー」で「11月5日を思い出せ」と歌っている。この日は、イギリスの . . . 本文を読む
一九四五年十月二九日、戦後初の宝くじ「政府第一回宝籤」発売。一枚十円で一等賞金十万円だった。
山田風太郎の『戦中派不戦日記』より。
「駅の売店デパート、タバコ配給所及び街頭いたるところに宣伝のたすきをかけ、旗を持ちたる宝クジの販売員を見る。ほんの先日まで勝札といいて売りたるものなり。一枚十円一等十万円。四等まで純綿の金巾、クジ外れ四枚にて金鵄一箱なり」
ここでも記されているように、 . . . 本文を読む
1936年のきょう、魯迅が55歳で亡くなった。
竹内好の魯迅論「中国の近代と日本の近代」からの引用。
「ドレイは、自分がドレイであるという意識を拒むものだ。かれは自分がドレイでないと思うときに真のドレイである。ドレイは、かれみずからがドレイの主人になったときに十全のドレイ性を発揮する。魯迅は『ドレイとドレイの主人はおなじものだ』といっている。『暴君治下の臣民は暴君よりも暴である』ともいっている . . . 本文を読む
ゾルゲ事件論の(1)はこちら。
1941年10月15日、尾崎秀實逮捕される(ゾルゲ事件)。
「十五日(水)
尾崎は午前六時には朝食を済ませて、朝日の差しこむ書斎にくつろいで読書に耽っていた。それは、中国で命を落としたベテラン報道員が、死の直前の心境を記した感動的な書物だった。
そのとき、廊下を踏み鳴らす騒々しい足音が聞こえた。尾崎にはすぐにぴんときた。もう何日も前から、彼はこの早朝の . . . 本文を読む
1765年10月7日、ニューヨークで、イギリスの印紙税法に反対する9植民地の代表が印紙税法会議が開かれる。
1763年2月、七年戦争(フレンチ・アンド・インディアン戦争)は、イギリスの勝利に終わった。イギリスは北アメリカ大陸の東半分を領有して、インドでもフランス勢力を圧倒した。しかし、戦争には勝っても、このときの戦費のためイギリスには多額の借金が残った。そして、拡大したアメリカの領土の統治 . . . 本文を読む