栗田艦隊航海日誌

戦争とプラモと映画で頭が侵されてしまった人のブログ

第二回プラモデル紹介:ハセガワ 1/48 「紫電改のマキ」 スピットファイア Mk.9 “スピットファイアの蘭”

2017-01-13 02:51:45 | プラモデル
昨日に引き続ぎ新年早々買ったプラモデルの紹介を。
ハセガワのクリエイターワークスシリーズの1/48「紫電改のマキ」 スピットファイア Mk.9 “スピットファイアの蘭”。
(機種依存文字の関係でローマ数字は記事内では全てアラビア数字に置き換えている)



このキットは野上武志の漫画「紫電改のマキ」(チャンピオンRED連載)に登場する、
吉祥時女学園飛行機俱楽部の隊長、“スピットファイアの蘭”こと藤堂蘭の乗機である「スピットファイア Mk.9」を再現している。
といっても、作中の仕様を完全再現したわけではなく、既存キットの「スピットファイア Mk.9c」の金型を流用してデカールを新規作成しただけのようではあるが…。
ハセガワ 1/48 スピットファイアMk.9c(ホビーサーチ)

ファインモールド、プラッツ、ドラゴンが共同で出しているガールズ&パンツァーのプラモデルも同様だと記憶している。
わざわざ金型作っちゃうと金もかかるし、キットの仕様も作中と完全一致でなくても大丈夫なのだろう。よっぽどのマニアじゃないと気にしないし。

私は「紫電改のマキ」は未読でどのような作品なのかほんの少ししか知らないのだが、いわゆる「萌えミリ」コラボのプラモデルキットがどのようなものか気になったので、
思い切って購入に踏み切ってしまった。

中身はこういう風になっている。ぱっと見キットの品質も精度も極めて良さそうに見える。
ただし、1/48とはいえ米粒よりも小さな部品もいくつかあるので、ランナーから切り取る際や接着時の紛失には十分気を付けよう。



キットのデカール。
藤堂蘭の乗機の仕様を再現した物だが、ラウンデルやマーク以外は実在のスピットファイアをそのまま再現しているようだ。
この手のコラボキットにはよくある話だが、何故か用途不明なキャラの全身像のデカールが入っている。無いよりはマシだけど。
大きさ的に1/24の自動車キットなんかには使えるかもしれない。一応このデカールの用途自体は既に考えてはいる。それはまた今度のお楽しみに。




キットの説明書。
巻頭にはキャラクターの解説と、史実のイギリス軍戦闘機「スピットファイア Mk.9」の解説が載っている。



キットの制作手順はこのようにキャラが注意点や制作のアドバイスを教える形となっている。解説自体は初心者にもわかりやすく親切ではある。
それにしてもこの気取ったポーズは一体何なのか。こんなポーズで実際に逐一解説されたら笑っちゃうぞ。






塗装用に買ったGSIクレオスのMr.カラー特色セット。
CS681「WW2アメリカ・陸海軍機 イギリス空軍機 インテリア塗装色」とCS684「WW2 イギリス空軍機中・後期標準塗装色」。
キットの塗装に必要とされる色で、単品や他メーカーの塗料では同じ色が無かったりするので、キットを買った後に購入した。



しかし、普通に単品でも代用できる塗料が説明書に書かれていることを購入後に知ってしまった。チクショウ。
まぁWW2航空機モデルは頻繁に作るので、今後の為だと思っておこう。

ところで、キットの塗装にどのような色が必要なのか、買って説明書を開くまで解らないケースは多いのではないか。
長いこと同じ種類のキットを作っていれば多少は解ってはくるが、それでもキットを買った後に再び塗料を買いに行くのは不便である。塗装初心者だと尚更だ。

フジミやタミヤのキットでは、箱の側面に塗装に必要な塗料の一覧が書かれていたり、イギリスの模型メーカーのエアフィックスのように塗料が付属しているキット、
最近では塗装が苦手な人向けに塗装済みキットも出現している。
通販サイトのホビーサーチでは、キットの中身と説明書を画像で確認できたりするので、段々そうした不満も解消されつつある。

こうした制作にあたってのモデラーへの配慮が進んでいることは良いことだ。

第一回プラモデル紹介:アリイ(マイクロエース) 1/800 CV-66「アメリカ」

2017-01-12 01:56:13 | プラモデル
ブログを開設して早速記事を投稿してみる。
初めて紹介するプラモデルは、新年早々某所で購入した、アリイ(マイクロエース)のプラモデル、1/800 CV-66「アメリカ」。


アメリカ海軍のキティホーク級航空母艦3番艦として1965年に就役した「アメリカ」(CV-66)。
ベトナム戦争や湾岸戦争に従事し、1996年に退役、2005年に標的艦として海没処分された。
実はアメリカ海軍の空母の中で人名が名付けられなかった最後の空母だという。国名の「アメリカ」という直球なネーミングは嫌いではない。

このキットは今は無き模型メーカーの大滝製作所(オオタキ)が出していたキットで、80年代半ばにオオタキが倒産した後、金型がアリイに引き継がれ現在に至る。
オオタキは日本の模型業界においてタミヤと並ぶ老舗の模型メーカーだったそうだ。それだけに無くなってしまったのが惜しまれる。

ところで、この「アメリカ」の箱絵、画像では解りにくいが甲板上の艦載機などが非常に緻密に描かれていて、構図も個人的に好みなのだが、
よく見ると「T.Kajita」のサインがあり、調べてみるとプラモデルの箱絵を描かれていた画家の故・梶田達二氏が描いた絵のようだ。
おそらくアリイの1/800米空母の箱絵は全て梶田氏が描かれた作品なのだろう。


さて、肝心のプラモデルの中身はこのようになっている。


船体は目視でざっと40cmほどの長さ。
スケール自体はタミヤ・ハセガワ・アオシマ三社のウォーターラインやフジミのシーウェイモデルよりも小さい1/800で、部品の精度自体もそれほど高くない大味な設計なのだが、
第二次大戦後の空母は第二次大戦期の戦艦や空母を上回る大きさなので、1/700の艦船模型と比較してもスケールが大きいように思えてしまうのだ。
戦後の米空母はまさに「動く軍事基地」と言えるだろう。



艦載機は就役当時のF-4JファントムやA-6Aイントルーダー、キット発売当時(80年代)のF-14トムキャット、F/A-18ホーネットなど多種多様である。



元々は水に浮かべてモーターで走らせて遊ぶモーターライズのキットだったらしく、船底の内側に電池を置くスペースや軸受け部分が存在する。
余談だが、アリイは潰れた他の模型メーカーから多くの金型を引き継ぎ現在も生産し続けているのだが、金型の経年劣化で部品にバリや傷が多くできてしまい、
中には部品に亀裂が生じそのままでは到底組めないような状態になっているキットも存在する。
このキットには亀裂まではないものの、同メーカーのキットの例に漏れず大きなバリが生じている。


デカールはこんな感じなのだが、ちゃんと使えるのだろうか?
アリイのキットの場合、経年劣化でデカールが全て駄目になっているケースも多いので気をつけよう。



船体に甲板を載せるとこんな風に。甲板には目立った傷は少ない。



同じアリイの1/800 CVN-65 「ニューエンタープライズ」と比較。エンタープライズも大変大きいのだが、アメリカも負けてはいない。
しかし完成すると置き場所が無いんだよな…



「アメリカ」の紹介はここまで。
このキットをどのように作り上げるかはまた次の機会に。