栗田艦隊航海日誌

戦争とプラモと映画で頭が侵されてしまった人のブログ

【完成】ハセガワ 1/72 D4 MiG-25P(フォックスバットA)

2017-05-09 13:35:59 | プラモデル
ゴールデンウィーク中は久しぶりにプラモデルの制作に励んでいた。
GWの終わりには間に合わなかったが、昨日になってようやくプラモデルが一つ完成した。

ハセガワが1/72スケールのD帯で出している、MiG-25 フォックスバット。
MiG-25はソ連のミグ設計局によって生み出された高速迎撃戦闘機で、マッハ3もの最高速度を出す事が可能であった。
「フォックスバット(Foxbat)」とは北大西洋条約機構(NATO)が付けたコードネームで、キットの名称もNATOのコードネームが用いられている。「Foxbat」は「オオコウモリ」という意味だそうな。
本キットのMiG-25の正式な型式名は最初の量産型である「MiG-25P(МиГ-25П)」で、NATOコードネームでは「フォックスバットA」であった。本記事では両方を併記している。





まず機体だが、1/72スケールでも全体的に大きい。
撮影の背景に用いている画用紙はA4程の大きさのはずだが、機体のサイズがあまりにも大きいので画用紙に中々収まりきらず、撮影には苦労した。
収納にもスペースを多く食ってしまうので困ったものだ。

実機はアメリカのF-15戦闘機などよりも大きいので、1/72でここまで大きいのは当然かもしれない。
ちなみにMiG-25が開発されるきっかけとなったアメリカのXB-70ヴァルキリー超音速爆撃機の模型を、私は某展示会で一度目にした事があるが、同じ1/72スケールのはずなのにMiG-25よりもはるかに巨大で、とりわけ全長が非常に長かったので驚かされた記憶がある。

キットは近所の模型店で購入して以降だいぶ長い間積んでいた物なので、今回完成出来たのは大変嬉しかった。
塗装はほぼキットの塗装指示通りに仕上げた。機体色は水性ホビーカラーのH1ホワイトとH75ダークシーグレーを混ぜ、機首のノーズなどの暗いグレーの部分はH12つや消しブラックとH53ニュートラルグレーを混ぜて筆塗りで仕上げた。
しかし塗装面積の広いジェット戦闘機に筆塗りはやはり難しく、塗装のムラが目立ってしまったのは残念だ。
機内色はH53ニュートラルグレーで塗ったが、実機の機内色はかなり異なった色のようで、実機に忠実な塗装をする場合は注意が必要だ。





キットのデカールは、1976年9月6日に亡命を求めて函館空港に強行着陸したソ連国土防空軍のヴィクトル・ベレンコ中尉が搭乗していた機体の仕様だ。
ベレンコ中尉による強行着陸事件は後に「ベレンコ中尉亡命事件」と呼ばれ、この事件を機にMiG-25の機密情報がアメリカ側に漏れ、ソ連はMiG-25の搭載機材の大幅な改良を迫られた。
このキットは事件の直後に発売され、この事件を機に売り上げが爆発的に増加したという。

1970年代後半に発売されたキットなので、バリが酷く部品の噛み合わせも良くないが、スタイルは見事にかっこよく仕上がっている。
デカールは経年劣化のせいかお湯につけると一部が破けてしまったが、なんとか全て貼ることに成功した。







MiG-25の兵装のR-40ミサイル。
ミサイル後部はMiG-25の機体色、前部はつやありの黒で塗ったが、実際のミサイルの塗装とは正確ではない可能性もある。
亡命時の機体は訓練目的で飛び立っていたためか、ミサイルは積んでいなかったようだ。
ジェット戦闘機のキットはやはりこうした兵装があるとよりかっこよく見えるものだ。

キットを組んでいて思ったが、F-15より古い設計で目立った戦果は残していない機体ではあるが、私にとってMiG-25はやはり魅力的な機体である事に変わりはない。

【完成】ハセガワ 1/72 MT8 6号戦車・タイガー1型

2017-02-27 22:14:39 | プラモデル
今日は以前から作りかけで放置していたプラモデルを完成させた。
今回作ったのは、ハセガワの1/72スケールのミニボックスシリーズ、MT8 6号戦車・タイガー1型だ。
第二次世界大戦中に登場したドイツ軍の代表的な戦車、6号戦車タイガー1型のキットだ。
現在ではドイツ語読みで「ティーガー」と表記される事が多いが、30-40年前までは英語読みの「タイガー」と呼ばれる事が多かった。

ミニボックスシリーズのタイガーは1973年発売だが、現在に至っても生産され続けている。
手頃な価格と1/72スケールというコンパクトなサイズのおかげだろう。
40年ほど前の古いキットだが、タイガー独特のスタイルを十分に再現している。





戦車の車体はミスターホビーの「ガールズ&パンツァー カラーセット 黒森峰女学園Ver.」に含まれている「黒森峰ゲルプ1」で塗装した。
戦車砲の砲口、後部の排気管などは水性ホビーカラーのH-76 焼鉄色で塗装し、砲弾の発射による砲口の焼けと排気で黒ずんだ汚れを筆で表現してみた。



戦車の転輪ゴムはガンダムマーカーのブラックで塗装したが、水性故か色が非常に乗りにくく、組んでから塗ってしまった為に塗装が汚くなってしまった。
タイガー戦車の転輪は非常に複雑な配置になっているので、組んでから塗装するのではなく、塗装してから組む事をオススメする。
この複雑な転輪配置は接地圧の分散・低減による走破性の向上を狙ったものだが、一方で複雑な配置が災いして整備に大きな負担がかかったようだ。



砲塔のハッチの内側はネット上の作例などを参考につや消し白を塗った。一方で内側が車体色で塗られた作例も存在するので、正確な塗装ではないかもしれない。
キットの履帯はベルト式で、履帯の端にあるピンをもう片方の端にある穴に通し、火で炙ったドライバーでピンを焼き止めする事で輪っかにできるが、私個人はこの焼き止めの作業が非常に苦手で、二つとも結局失敗して穴を潰してしまった。
タミヤの高強度タイプの瞬間接着剤を使用して事なきを得たが、次は成功させたい。



戦車兵の人形は戦闘帽、制服共につや消し黒、肌はタミヤカラーのXF-15 フラットフレッシュ、肩章はX-11 クロームシルバー、髪をXF-10 フラットブラウンで塗装。
目や口、指のモールドにも面相筆でフラットブラウンを入れてみた。
キューポラに戦車兵の人形を入れる場合、キューポラと人形の下半身が干渉してしまうので、下半身をデザインナイフなどで削ると良いかもしれない。

第四回プラモデル紹介:ハセガワ 1/32 「紫電改のマキ」 川崎 キ61 三式戦闘機 飛燕 1型 “飛燕のお蛍”

2017-02-08 21:35:34 | プラモデル
2月初めての投稿になる。
今回はハセガワのクリエイターワークスシリーズ、1/32 「紫電改のマキ」 川崎 キ61 三式戦闘機 飛燕 1型 “飛燕のお蛍”の紹介だ。
第二回プラモデル紹介の記事で同じハセガワの1/48 「紫電改のマキ」スピットファイア Mk.9 のキットについて取り上げたが、今回も「紫電改のマキ」のキットについて取り上げる。

このキットは野上武志の漫画「紫電改のマキ」(チャンピオンRED連載)に登場する、石神女子高校の義勇部隊「石神新選組」の撃墜王、“飛燕のお蛍”こと古嵐蛍の乗機である「川崎 キ61 三式戦闘機 飛燕 1型」を再現した物だ。
二回目に紹介した「紫電改のマキ」のスピットファイア同様、キットの中身自体は既存キットである「川崎 キ61 三式戦闘機 飛燕1型丙」の流用だが、キット化にあたって新たに制作された古嵐蛍の同スケールのレジン製フィギュアが二体(着座と立ちポーズ)付属している。
川崎 キ61 三式戦闘機 飛燕1型丙(ホビーサーチ)



購入に至った経緯は、ツイッターのハセガワ公式アカウントにてこのキットの宣伝ツイートがなされていたのを偶然見かけたのがきっかけであった。
1/32という航空機モデルでは大きなスケールに加えて、萌えミリコラボのキットではあまり見かけない、同スケールのキャラのフィギュアがキットに付属しているとの事で、半ば衝動買いではあったが購入に至った。
発売から間も無いキットを購入するのは実を言えばこれが初めてだ。

キャラのフィギュアを付属させた萌えミリコラボキットは全く存在しない訳ではなく、ハセガワは以前にも「紫電改のマキ」主人公の羽衣マキの乗機、川西 N1K2-J 局地戦闘機 紫電改を1/32で、羽衣マキのレジン製フィギュア二体付属で
キット化している。
こうしたキャラのフィギュアを付属させたキットが1/48や1/72でも出る事を願っているが、コストや技術云々からして難しいのだろう。

キットの中身。
主翼桁やコクピット、胴体下の冷却器といった部分の再現性はかなり高く、品質も申し分ない。
ただ一つ残念な点は、飛燕の特色である液冷式エンジン「ハ40」が再現されていない点だ。
レベルの同スケールの飛燕1型改やアリイ(オオタキからの再販) 1/48 飛燕1型ではエンジンが再現されていただけに惜しまれる。
レベル 1/32 飛燕1型改やアリイ 1/48 飛燕1型については、またの機会に
取り上げたい。

レジン製のフィギュアはこのような形でキットに包装されている。
コクピットに着座するポーズと立ちポーズの二体が存在する。
レジン製といえども髪の毛や制服のシワ、眼鏡のモールドなどは非常に細かく表現されている。





元が既存キットからの流用故に、おそらく漫画には出てこないであろう陸軍パイロットの人形がそのままキットに付属している。
組んで別のキットに流用したり、改造の素材にしてしまうのもアリだ。



キットの説明書。
スピットファイアのキット同様、キャラが組み立てのアドバイスを行う形だ。
組み立ての工程自体は既存キットの説明書とそれほど変わりはない。





レジン製フィギュアの組み立て、塗装指示。
レジン製部品は通常のプラスチックとは違い、接着には瞬間接着剤を用いる。
塗装に関しても、台所用の中性洗剤でパーツを洗浄し、細かい部分を歯ブラシなどで磨き、市販の樹脂用プライマーを吹いた上で塗装しなくてはならない。
プライマーには、価格も安価で、レジンだけでなく通常のプラスチックやウレタン、金属などにも使用できるタミヤの「スーパーサーフェイサー」の使用が
オススメだ。



キットのデカール。
機体やキャラデカールだけでなく、フィギュアの制服や瞳などといった細かい部分のデカールも多いので、貼る際には紛失に気をつけよう。



余談だが、個人的に飛燕は日本軍機の中で最も格好良いスタイルをした戦闘機だと思っている。
兵庫県神戸市で開催された「川崎重工創立120周年記念展」において、川崎重工の手で復元された飛燕2型を見に行った時は非常に感銘を受けたものだ。
復元された飛燕2型についてもいつかは取り上げたい。

第三回プラモデル紹介:エフトイズ・コンフェクト 1/144 ウイングキットコレクション VS5 「A-25A シュライク」

2017-01-26 01:22:46 | プラモデル
今回はエフトイズ・コンフェクトから販売されている食玩プラモデル、1/144スケール 「ウイングキットコレクション VS(バーサス)5」の紹介だ。
このキットは日本海軍の第二次大戦末期の艦上攻撃機「流星 11型」と、アメリカ海軍の偵察爆撃機「SB2C-4 ヘルダイバー」のいずれか一つの機体が付属している。
エフトイズのバーサスシリーズは、日米両軍の同時期・同種の航空機を組み合わせて塗装済み半完成キットとして販売している。
1/144スケールと小さなスケールの食玩だが、キットの設計、塗装ともにクオリティは高く、価格も500円程とリーズナブルである。



付属の機体の一覧表。
流星11型は「第752航空隊 攻撃第5飛行隊」所属機(二種存在)、「愛知航空機」所属機、「海軍航空技術廠」所属の増加試作機の計4種の仕様が存在する。
SB2C-4 ヘルダイバーは「アメリカ海軍第3爆撃飛行隊 空母ヨークタウン」所属機、「アメリカ海軍第85爆撃飛行隊 空母シャングリラ」所属機、「アメリカ海軍第84爆撃飛行隊 空母バンカーヒル」所属機、「アメリカ海軍第83爆撃飛行隊 空母エセックス」所属機、「アメリカ陸軍第13戦闘飛行隊 A-25A シュライク」の計5種が存在する。
「A-25A シュライク」とは、アメリカ陸軍航空隊に採用されたSB2Cで、900機ほどが生産されたが、その多くはアメリカ海兵隊で使用され、陸軍機として使われることは無かったようだ。



中身。開封してみた結果、先ほど紹介した「A-25A シュライク」が入っていた。
ちなみにキットと一緒に写っているフィギュアは、グッドスマイルカンパニー ねんどろいどぷち ガールズ&パンツァー 「秋山優花里」。台座まで含めた全長は約6.4cm、台座込みでの幅が約2.9cm程なので、大きさ比較になるかもしれない(?)。



早速組み立ててみた。このキットには飛行機を立てるスタンドが付属しているので、スタンドに載せて飾ってみた。
ねんぷちのフィギュアと比較するとスタンドの高さがわかるかもしれない。スタンドは角度を変える事が可能。
キットは主脚を格納した飛行状態か、主脚を出した着陸状態のいずれかを選択できる。
接着剤必須ではないので、接着剤無しでも組む事は可能だが、小さい部品は接着剤無しでは取り付けにくい。コニシのボンドGクリヤーなどのゴム系接着剤を爪楊枝の先につけて接着するのが望ましい。
ゴム系接着剤が無ければ瞬間接着剤でも可能だが、写真に写っている胴体部分のアンテナや左翼のピトー管のように接着面が白化してしまうので要注意。特に透明な部品は瞬間接着剤を使用すると曇ってしまうので使用はNGだ。
制作中にピトー管を取り付ける最中に部品が折れてしまったので瞬間接着剤で応急処置を施したが、瞬間接着剤を多用した結果接着した部分が太くなってしまった。
ピトー管などの小さい部品の取り付けにはピンセットの使用が望ましい。部品の紛失にも注意しよう。



スタンド無しの着陸状態。SB2Cは同時期の日米両軍の同種の機体と比べるとずんぐりむっくりなスタイルで少々不恰好だが、こうした角度から見ると魅力的な機体にも見える。
SB2Cはその設計故に安定性不足で乗組員から不評であったが、防弾性と爆弾搭載量が優れていた事と、登場時にアメリカ軍の戦局が好転していた事が幸いし活躍を遂げる事ができた。



シュライクの後部アングル。シュライクの着艦フックは陸軍には不要なので廃止されていたとの事だが、説明書の指示通り組み立てた。
余談ながら、A-25Aの愛称の「シュライク」とは「モズ科の鳥の総称」を意味する。



機体の風防は接着せずに取り外し可能な状態にした。
内装は小さいながらも細かく再現しており、後部の機銃座なども省略されずに再現している。
胴体は左右分割式だが、接着が不十分だったのか分割線が生じてしまった。
接着する際は目玉クリップや洗濯バサミなどで抑えておくと良い。



機体下面。爆弾槽も主脚同様に開閉状態を選択できる。
爆弾のパーツも付属しており、爆弾槽の部分も細かく再現するなど、こだわりを
感じる設計だ。