栗田艦隊航海日誌

戦争とプラモと映画で頭が侵されてしまった人のブログ

月刊誌「決断」全巻を入手

2017-05-03 00:18:15 | 決断
前回の更新からだいぶ期間が空いてしまったが、久しぶりの更新になる。

一昨日、私は某古本屋である書籍を入手した。
それは、タツノコプロによって制作された戦記アニメ「アニメンタリー決断」(1971)放送時に、日本テレビ網によって刊行されていた月刊誌「決断」だ。
こちらのサイトによれば、「この雑誌は「決断」本編をより楽しむための予備知識の獲得と、本編鑑賞後により理解を深めるための副読本的な役割を持っていた。」とある。
月刊誌の内容に関する詳しい解説についてもこちらのサイトを参考にされたい。
アニメンタリー決断とは 決断の雑誌

今回私が入手したのは、月刊誌「決断」の創刊号から最終号の全6冊だ。
落書きやページの破れ、汚れなどが多く状態はあまり良いものとは言えないが、この書籍を入手した古本屋の店長曰く、「今まで何十年も生きてきたがこんな本は初めて見た」との事で、希少価値の高い書籍であることには変わりないだろう。



実を言うと私はこの本の存在を前述のファンサイトで知り、今まで様々な古本屋でこの書籍を探してきたが、一昨日に至るまで中々見つからなかったのだ。
念入りに調べた結果、偶然インターネットで全巻販売されている事を知り、店頭販売も行なっているとの事で直接古本屋に出向いて手に入れる事ができた。
この本を初めて手にした時、私はもう泣きそうになっていた。それほどこの書籍の入手した事が嬉しかったのだ。



第一巻の巻頭は、真珠湾攻撃で旗艦の空母「赤城」から発艦する第一波攻撃隊の零式艦上戦闘機のイラストと、真珠湾を奇襲する第一波攻撃隊のイラストで占められている。
大変躍動感溢れるイラストなのだが、零戦の塗装が赤いスピナーに上面濃緑色だったりと考証が若干怪しかったりはする(描かれた時代だけにしょうがないが)。
このイラストを描いたイラストレーターは不明。



次のページに掲載された、「アニメンタリー決断」の広告。
広告に描かれている軍人は、双眼鏡を手にし、白い海軍第二種軍装を着た人物が山本五十六大将、右の第一種軍装の人物が源田実中佐、左の飛行服を身につけた人物が淵田美津雄中佐といったところだろうか。
「アニメンタリー決断」はサッポロビールと矢崎総業がスポンサーを務め、日本テレビで全国ネットとして土曜夜7時30分から8時の時間帯で放送されていた。
新潟総合テレビでは「土曜夜7時-7時30分」、福島テレビでは「金曜夜9時-9時30分」などと時差が生じていたようだ。





広告の次のページは、実際に放送で用いられたシーンを白黒で掲載した「アニメンタリー劇場」という記事だ。
第一話の「真珠湾奇襲」は「トラ・トラ・トラ!? われ奇襲に成功せり」として掲載されている。
ただし目次では記事の名前が「アニメーション劇場」と誤植されている...。



第二話「ミッドウェイ海戦(前編)」、第三話「ミッドウェイ海戦(後編)」は「ミッドウェイ海戦 勝敗を分けた運命の5分間」として掲載。
余談ながら、ミッドウェー海戦でよく言われる「運命の5分間」は、実は史実ではない全くの俗説ではあるのだが、決断のみならず現在の作品でもこの俗説は今だに唱えられている...。





第四話の「マレー突進作戦」は「電撃のマレー作戦 一路シンガポールをめざして」という名で掲載。
この記事だけ何故か決断本編のシーンではなく、描き下ろしの絵が用いられている。
創刊号の発行は5月1日で、第四話の放送は4月24日なので編集の過程でスケジュールの都合故か本編の絵を使用する事が出来なかったのか、あるいはファンサイト曰く「新たに描き下ろされた」かのどちらかだろう。

機会があれば気になった記事をまた紹介していきたいと思う。

日本コロムビア「決断・男ぶし」(SCS-127) EP盤

2017-01-13 21:41:26 | 決断
ネットオークションにて、私が好きなタツノコプロのアニメ「決断」(1971)のEP盤「決断・男ぶし」を入手した。
このEP盤は1971年5月に日本コロムビアが発売したものだ。

以前から古本屋や中古レコード屋などを探しては見つからなかった代物だが、オークションで偶然安価で出品されていることに気がつき、落札に至った。

EPのジャケット。ジャケットの画には旧日本海軍の連合艦隊司令長官山本五十六大将が大きく描かれ、背景には大和と武蔵が描かれている。
EPのジャケット絵を描いたのは、当時の乗り物絵本画家であった小山泰治氏のようだ。
アニメの「決断」の方でも作画を描かれていたかまでは不明。



EP盤A面。45回転。B面は「男ぶし」。



「決断」の歌詞。九七式中戦車チハが描かれている。
作詞は「ハクション大魔王の歌」「みなしごハッチ」の丘灯至夫氏が担当し、作曲は「暁に祈る」「英国東洋艦隊潰滅」などの軍歌や、
「長崎の鐘」「オリンピック・マーチ」などといった様々な歌謡曲や行進曲を作曲した古関裕而氏が担当、歌は歌手の幹和之とコロムビア男声合唱団である。
それにしても、かつて多くの軍歌を作曲していた作曲家が、アニメの主題歌とはいえ戦後に再び軍歌調の作曲をしていたりするのは興味深い。
古関自身の意思はどうであれ、軍歌を作り上げた戦争責任について批判も大きかったはずではないだろうかと野暮なことを考えてしまう。
まぁ陸上・海上自衛隊の隊歌も手掛けてたりするし本人は自分の責任についてあまり気にしていなかったのかもしれないが。



「男ぶし」の歌詞。日本軍の零戦に撃墜されるSBDドーントレスが描かれている。
作詞は丘灯至夫氏、作曲は古関裕而氏、歌はコロムビア男声合唱団。



どういう訳か海軍第二種軍装を着て敬礼する幹和之の写真が掲載されている。



ジャケットの絵には、真珠湾攻撃、ミッドウェー海戦、マレー作戦の様子が描かれている。
当時の戦記ブームの時の絵なのだが、まるで戦時下の軍国絵本に出てきそうではある…。





余談ながら「決断」のレコードは主題歌だけでなく、放送された回の音声を短縮・再構成し収録したドラマレコードなるものが存在していたようだ。
アニメンタリー決断とは 決断のレコード

機会があれば是非手に入れてみたい。