
枯れかけた「セリバオウレン」の葉、2回3出複葉
ノルウェーで実際にあった連続テロ事件を元に、生存者の証言から再現したシナリオで、映画化された
「ウトヤ島、7月22日」を「WOWOW」のオンデマンドで見た。
「ウトヤ島、7月22日} の公式サイトは こちら
2011年7月22日 ノルウェー首都 オスロ政府庁舎爆破事件と、ウトヤ島銃乱射事件が
連続して発生した。
政府庁舎爆破事件では8人、ウトヤ島銃乱射では69人が死亡し、合計77人の人が犠牲となった
負傷者の数は100人以上と言われている。
ウトヤ島には当時ノルウエー労働党青年部の集会が行われていて、10代から20代の青年が
700人参加していたと言われている。
映画は、その中の一人「カヤ」と呼ばれる女性の行動を72分間に渡って追い続けるワンカット
で撮影し、鳴り響く銃声の音とともに、見るものに緊張と恐怖を与える。
映画では、犯人は一度も出てこないが、事件後に逮捕されたブレイビクは「イスラムによる
乗っ取りから西欧を守るため」を動機として「反多文化主義革命」に火をつけることをあげて
「非道だが必要な事だった」と言ったという。
なせ労働党青年部の集会を狙ったのかでは、移民政策に賛成していた労働党の青年を狙って
移民政策の根絶やしを狙ったのではとも言われている。
事件の後で判明した事では、犯人のブレイビクは、警察官の制服を着用して、政府庁舎爆破
テロ捜査を装って、参加者を整列させ、確実に殺すため、一人に2発ずつの弾丸を撃ち込んで
殺したと言われている。
自分の価値観や思想に合わない人間は殺してしまえと言う考えは、民主主義とは全く相容れない
戦慄の思想である。
これほどの殺人を犯しても、死刑制度のないノルウェーでは、ブレイビクは禁固最低10年、最長
21年の刑が言い渡されているという。
また移民政策を快く思っていない人たちの中には、ウトヤ島の生存者に向かって「おまえ達も
死ねば良かったのに」と言う人もいるらしい。
真の民主主義とは何かを問われている映画だとも言えよう。
多くの日本人に見てもらいたい映画の一つだと思う。