HAPPY TITLE

僕は雲の上 君を見下ろしてる
星より遠くで オレンジに光る

欲望という名の電車に乗り、地獄で乗り換え、なんとかやってきた極楽の行く末

2011-04-19 | 演劇
テネシー・ウィリアムズの傑作戯曲のこの作品。
松尾スズキ演出ということで、期待感も高まりますな。

と、言いたいところですが。

自慢じゃありませんが、ワタクシ、もともとの作品も知りませんし、
そんなに松尾スズキフリークでもないですし、
原作と今回はココが違ってオモシロイ!とか、
あそこは松尾節が炸裂してたよねーとか、
そういうの全然わかりません。
ダメ人間でごめんなさい。

ともあれ、さすがに傑作だけあって、ストーリーは大変素晴らしく、引き込まれたなぁ。

あらすじ(“欲望”という名の電車に乗り、妹ステラ(鈴木砂羽)の元へやって来た姉ブランチ(秋山菜津子)。上流階級出身のブランチにとってステラの貧しい生活は衝撃であり、中でもステラの夫でポーランド系の粗野な男スタンリー(池内博之)とは、事あるごとに衝突を繰り返していた。そんな彼女の心に安らぎをもたらしたのが、スタンリーの親友ミッチ(オクイシュージ)。しかしスタンリーがブランチの過去を暴き出して……。)

とにかく、秋山さんの力量なー。スゴイ役者さんだ、と。
あの徐々に壊れていくカンジ。怖かった。
そして、他人事じゃない感がハンパない!!
ワタクシ、そういう素質持ってると薄々思ってるから、すんげえ怖かったYO!
と、だいぶ秋山さん演じるブランチに入り込んでいるように見えるワタクシですが、秋山さんが椿鬼奴に見えるという罠にはまり、脳内修正が大変だったということは、誰にもナイショです。

でもさ、姉だけが病んでるってわけでもなくて、
妹夫婦も共依存ってカンジだし、
妹の夫の、姉を排除しようっていう執念とかも、かなりなもので、
大なり小なり抱えてるものが、誰にでもあるのだなーと。
そう考えると、肩の荷がちょっとだけおりた気がしないでもないデス。

で、そんな中、何度か笑いどころもあったりして。
ま、ワタクシは笑ってないですケド。
これって、松尾さんが意図的にぶっこんだものなのか、
見てる方が、息がつまり過ぎて、この辺で放出しなければと思ったのか、
なかなかナゾですな。

結局、なんやかんやで、スーパーおもしろかったよってことデス。
観てない人は観ればいいじゃない。
東京もあと2週間ぐらいやってるし、その後、大阪、愛知でもありますよ。



本日のタナボタ観劇『欲望という名の電車』@PARCO劇場

演出:松尾スズキ
出演:秋山菜津子・鈴木砂羽・池内博之・オクイシュージ
   猫背椿・村杉蝉之介・顔田顔彦・河井克夫・小林麻子・桔川友嘉・井上尚

~5/1(日)PARCO劇場(東京)
5/7(土)8(日)シアター・ドラマシティ(大阪)
5/10(火)名鉄ホール(愛知)