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こんな貝が採れた

海岸での打ち上げや、磯採集、漁港での採集と、貝集めのブログです。

メオニノツノガイ

2015-10-11 19:53:13 | 巻貝類
以前、トウガタカニモリの沖縄方面の型の記録を、ここで紹介しましたが、昨年から目撃されているメオニノツノガイの南方型について紹介します。
と言っても、そう大きな差があるわけではないのですが、今まで採れている物とは、少し感じが違っているのです。
串本周辺で見つかるメオニノツノガイは、下の画像の貝で、瘤列のおとなしい感じのものです。


Cerithium echinatum Lamarck 1818
オニノツノガイ科 メオニノツノガイ
串本町田並産 生貝個体 48.7㎜ 2008年採集

こちらで採れる貝としては、ほぼ最大級の大きさで、十分老成しています。
棘列は、やや小さめで、細かく出てきます。

これに対して、沖縄で採れた物を比較してみますと、

Cerithium echinatum Lamarck 1818
オニノツノガイ科 メオニノツノガイ
沖縄県国頭村産 生貝個体 48.7㎜ 2009年採集
串本の物と同じ大きさで、少しだけ瘤列が粗い印象を受けます。

手持ちの外国産を見てみると、

Cerithium echinatum Lamarck 1818
オニノツノガイ科 メオニノツノガイ
インドネシア、サンギヘ島産 生貝個体 41.7㎜ 2010年採集
瘤列はもっと疎らになり、大きくなります。

少しずつ南に向かって、瘤列が少なくなって大きくなる傾向にあるように思います。

ここで気になっているのが今回採れたものです。

Cerithium echinatum Lamarck 1818
オニノツノガイ科 メオニノツノガイ
串本町有田産 生貝個体 42.2㎜ 2015年採集

明らかに今まで採れていた貝とは、瘤列の大きさも数も違ってきています。
この個体が採れた所には、同じ特徴の物がいくつもあったと聞いていますので、この個体だけの特徴ではなさそうです。
このような特徴の貝が採れている事は、以前のトウガタカニモリの例と同じ事が考えられるのではないかと思い始めています。
まだ、小さな特徴の違いの範囲だと思いますが、個数を確認していくうちに解決できると思います。


オネジタクミニナ

2015-05-31 21:35:29 | 巻貝類
この仲間では一番大きくなる種類だと思います。
図鑑以外では、あまり見る事の少ない貝で、私もこの個体だけしか持っていません。
昔あったトロールにより揚げられた個体で、殻皮も残った生貝ですが、蓋はありませんでした。
周辺とその下にやや太い螺肋がある以外は、細い螺肋が出ます。
縦肋は、螺肋を横切らず、成長線程度のものです。


Opimilda quinquelirata Kuroda 1958
タクミニナ科 オネジタクミニナ
串本町串本串本漁港トロール揚り 生貝個体 30.0㎜


マボロシリュウグウボタル

2015-05-06 20:30:00 | 巻貝類
友人からイガグリガイに、恐らくマボロシリュウグウボタルが入っているんじゃないかと送って頂きました。
その画像がこれです。




このまま置くことも可能ですが、やはり中が気になります。
慎重に取り外しました。





予定通り?マボロシリュウグウボタルが出てきました。
サイズは30.4㎜、殻頂の薄紫色も残っています。
それも欠けのない完品です。
良い標本になります。
ありがとうございました。

クロガシラコシボソクチキレツブ

2015-04-27 18:31:40 | 巻貝類
クロガシラコシボソクチキレツブについての文献を教えて頂いたので、再度検証してみます。
その文献が手元にある事に気付いて、その中には原記載の記述も引用されていました。
文献は、『山口県産貝類の研究ー1 河本コレクションにおける注目すべき貝類の再検討 (1)腹足類』です。
その中で、Smithの原記載の記述の引用は、『殻は卵型、白色、殻頂は赤褐色、螺層は8階、初めの2層は微小で粒上、続く2層は貧弱な斜めの網目状となり、それ以後は膨れ、各螺管の上部は縫合部で溝状を呈し、12の細い縦肋と5~6本の螺条が交わって、結節し、布目状となる。殻口は小さく、その高さは全体高の11分の5に等しい。口唇は肥厚し、内側に8~9個の小歯をそなえ、縫合に接してやや深いが狭い切れ込みがある。軸唇はねじれ、下部は斜状、水管溝は狭く、短い。』
この記載文以外に、河本標本は殻頂が赤褐色ではなくむしろ漆黒色を呈する事、縫合下にまばらな茶色の斑点を散らす、体層上半分では縦肋が螺肋より強いが、下半分では両肋の強さはほぼ同等となるため、体層は殻質の異なる二つの部分に分かれているように見える。
こう記載されているが、載せられているのは、画像ではなく以下のスケッチである。


このスケッチと記載文を見て、以前『オゴクダの貝』で紹介したクロガシラコシボソクチキレツブ?の標本と非常によく会うと思うようになりました。
その画像がこれです。


さてどうでしょうか?

Cirsotrema ernestoilaoi

2015-04-12 18:28:54 | 巻貝類
この貝を初めて見たときには、ラセンオリイレイトカケはこんなに大きくなる貝だったんだと思ってしまいました。
実際形をよく見れば、違う貝と言う事が解るのに、こう言う感じの貝をあまり目にする機会がなかったせいかも知れません。
チリメンニナの仲間と言う事は、縦肋で解ります。
1本の縦肋が、たくさんの縮れた細い肋の集まりで出来ていて、縦肋間には低い螺肋があります。


Cirsotrema ernestoilaoi Garcia 2001
イトカケガイ科 和名無し
宮古島近海恵比寿曽根 生貝個体 25.7㎜