goo blog サービス終了のお知らせ 

こんな貝が採れた

海岸での打ち上げや、磯採集、漁港での採集と、貝集めのブログです。

ハチジョウユキスズメ

2018-06-12 16:00:00 | 巻貝類
非常に扁平な殻で、軟体が何処に入っているのか気になるくらいです。
殻表には、突起を伴った放射肋があります。
内面にも、周辺は扁平になる部分があって、放射状肋は内面にも影響しています。
殻はほぼ透明で、透けて見えています。


肥後目録標本掲載番号658
Phenacolepas nakamigawai Is.Taki 1954
ユキスズメ科 ハチジョウユキスズメ 
串本町上浦海岸 死殻個体 6.7㎜ 2018年採集


肥後目録標本掲載番号658
Phenacolepas nakamigawai Is.Taki 1954
ユキスズメ科 ハチジョウユキスズメ 
串本町上浦海岸 死殻個体 6.7㎜ 2018年採集

トウガタフデガイ

2017-02-18 22:17:21 | 巻貝類
長く所属不明の貝として、そんな貝を集めた中に入れられていました。
タケノコガイ科のように細長く、でも水管が長く伸びる特徴はタケノコガイ科には当たらず、最近はクダマキガイ科の中に入れていました。
でも、今回の日本近海産貝類図鑑第二版でやっと所属が判明しました。
まさかの新しくトウガタフデガイ科の新設、その中の日本産の唯一の種であるトウガタフデガイとされていました。
表面には螺肋があり、それを縦肋が横切る、やや布目を思わせる形に、水管が長く伸びる特徴は、やはりクダマキガイ科の方がしっくりくるなあと感じています。
とにかく種名が判明した事で、やっと落ち着きました。
産地は奄美大島以南となっているので、和歌山まで分布が広がりました。


肥後目録標本掲載番号
Vaughanites superstes Kantor,Lizouet,Puillander & Bouchet 2014
トウガタフデガイ科 トウガタフデガイ
串本町潮岬沖ドレッジ揚り 31.8㎜ 1980年採集

Daphnella sp

2016-03-04 22:11:44 | 巻貝類
まだ串本沖合で操業されていたトロール漁船が、串本漁港に停泊した時に手に入れた貝の一つです。
単一の個体ですが、特徴は画像のようにはっきりとしたもので、フデシャジクの仲間と言う事が解ります。
色々な文献や図鑑で調べましたが、今だ同定に至っていません。
トサフデシャジクと言う貝に少し似ていますが、水管の長さや形から違う事が解ります。
全面には密に螺肋が出ます。
ご存知の方がおられたら、教えて頂きたい貝です。


Daphnella sp
クダマキガイ科 不明種
串本町串本漁港トロール揚り 生貝個体 28.1㎜ 1977年採集



ビシャモンエビス

2015-12-23 18:05:09 | 巻貝類
1994年に、VENUSで発表されたエビスガイ類の8新種の一つです。
見た感じは、ヘソアキトゲエビスの1型かなと言う印象ですが、より大きくなる事、主肋が強大で色斑を有する事、底面の肋が少なく臍孔に近い所が白くならない事で区別されるようです。
それ以外に、螺肋間が広く艶がある点も異なりますが、やはりヘソアキトゲエビスの1型と言う考え方も捨てられません。


Tristichotrochus galea Sakurai 1994
ニシキウズガイ科 ビシャモンエビス
台湾東北部水深100m~200m 生貝個体 16.5㎜


Tristichotrochus galea Sakurai 1994
ニシキウズガイ科 ビシャモンエビス
台湾東北部水深100m~200m 生貝個体 16.5㎜


キンシバイ

2015-10-29 14:21:01 | 巻貝類
日本近海産貝類図鑑には、キンシバイとして2個の写真が載せられています。
通常のキンシバイと熱帯産の白斑のある模式型ミナミキンシバイです。
また、記載文には、小笠原産の縫合下に結節のある物を、イボキンシバイとして分けるが、変異にすぎないとされています。
特にこのイボキンシバイについては、写真が載せられていません。
日本及び周辺地域産軟体動物総目録では、それぞれミナミキンシバイを模式型として、残りの2タイプと言う記載です。
ここでその3型を紹介してみます。

最初に模式型とされるミナミキンシバイの型は、

Alectrion glans glans Linnaeus 1758
オリイレヨフバイ科 ミナミキンシバイ
沖縄県伊平屋島産 48.3㎜


Alectrion glans glans Linnaeus 1758
オリイレヨフバイ科 ミナミキンシバイ(背面)
沖縄県伊平屋島産 48.3㎜


Alectrion glans glans Linnaeus 1758
オリイレヨフバイ科 ミナミキンシバイ
フィリピン パラワン島産 39.9㎜


Alectrion glans glans Linnaeus 1758
オリイレヨフバイ科 ミナミキンシバイ(背面)
フィリピン パラワン島産 39.9㎜

これに対し、こちらで採れるキンシバイのタイプは、

Alectrion glans nipponensis Kuroda & Habe 1971
オリイレヨフバイ科 キンシバイ
串本町潮岬産 38.3㎜~40.2㎜


Alectrion glans nipponensis Kuroda & Habe 1971
オリイレヨフバイ科 キンシバイ(背面)
串本町潮岬産 38.3㎜~40.2㎜

この両型の違いは、日本近海産貝類図鑑では白斑の有る無しと書かれています。
標本を見る限りでは、沖縄、フィリピンの個体は、横切る褐色線が明瞭で、背面に大きな褐色班が出ます。
殻もやや細めとなる違いがありそうです。
ただ、この違いは、地方変異で出る範囲かと思います。

次にイボキンシバイですが、

Alectrion glans suturae Lamarck 1822
オリイレヨフバイ科 イボキンシバイ
小笠原諸島父島産 16.0㎜

まだ幼貝ですが、肩に出る瘤列は確認できます。
褐色線も途切れるほど薄めで、肩部の瘤列間は、薄く彩色されます。
形もキンシバイのように、やや太めで、殻質も薄いようです。

イボキンシバイについては、私自身の考えでは、同種とするのは疑問が残ります。
まだ沢山の個体を見ていませんので、何処まで繋がるかは解りません。
相模方面で、このような型が出ていれば面白いですね。