システム担当ライブラリアンの日記

図書館システムやサービス系の話題を中心に。最近、歩き旅の話題も。

『ライブラリーリソースガイド』、佐藤翔「連載内連載:アンケート調査再考」36号の質的調査まで

2022-06-17 19:22:09 | 同志社2016~
遅ればせながら、雑誌『ライブラリーリソースガイド』掲載、佐藤翔さん「連載内連載:アンケート調査再考」、36号の質的調査まで読みました。

●内容は、直接話を聞いたり、議論したこともあるので、割と理解できてるつもり。。。修論で僕は質的調査(半構造化インタビュー)をしましたし。

36号のp.156にある「(グループインタビューなどは)単純に、時間がないから同時に多人数でやっちゃおう、という話ではないわけです」についても、
ちゃんとした解説本に、グループインタビューなどのメリットして、相対的に短い時間で、多くの人を対象に調査できるって書いてたよなぁ(自分で整理したExcel表にも書いたはず)、とか思えたりもします。

p.157の「調査者の感受性や、話を引き出すある種の『技』」というは、今でも実感します。

本記事で触れられる、「よく行く場所?」「LINE」のくだり(p.156)は、質的調査(発見・気付き)の醍醐味ですね。

●最後に触れられる
「やはり実例をみていかなければ、わかるものもわからない!」(p.157)
もホンマそうです(実例を見聞しないと理解したことにならない、が正解!?)。

例えば、フォーカスグループも普通なら参加経験ないような…。僕はカナダのスキー場でたまたまグリーンシーズンのリーフレットについてフォーカスグループに参加したおかげもあり、結構イメージできるようになったつもりです(謝礼は席上の軽食と、リフト券だったか)。

●ただ、いつもながら(大学院でのあの経験の数々と比べると)自分で読むだけで理解できるのか…と。
特に思い出すのは、増田先生(現在は摂南大か)の授業。本当に濃密でした。

大学院で知った(恐怖)は、自学理解の限界の恐ろしさかも。

●ちょっと批判的なことも!?

佐藤さんは、知識・経験・能力が揃っているので、量的/質的調査について、分かりやすく整理されて、それぞれ問題点も整理しつつ、「落としどころ」も示唆しつつ書かれています。

ただ、普通の学生・院生・社会人は、知識・経験が少ないのですね(能力は、年の功などにもよるでしょうが)。

なので、(リサーチクエスチョンを立てて、調査計画を作って…)調査を実施して、「落としどころ」も考えたとしても、どうしても「やはり実例をみていかなければ、わかるものもわからない!」問題が出てくると思います。

で、発表する(ゼミなどの場を想定)
→教員・先輩等から(理解促進、成果向上のためとしても)質問
→「やはり実例をみていかなければ…」問題で、どうしても説明が不十分に
→(教員・先輩から)調査について体系的、実戦も含め説明される機会は少ない(場合が少ないような)。
→結局「落としどころ」が分からない。
→質問される。
→話がかみ合わない。
→(以下同じ。但し、時に「ゼミでボコボコにされた」という感想が漏れる?)
というスパイラルに陥ることが多いような(ちゃんと調査してませんが…)。

それで、勉強嫌い、研究嫌いが出てこなければと心配も。

結局、研究(職場も?)って、「共通言語」というか、「この点は押さえた上で議論しようね」的な積み重ねがないと、「やはり実例をみて」いない状態では、単にコンパスもなく大西洋(太平洋より馴染みがない!?)の真ん中に放り出されたようなものに?
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