とね日記

理数系ネタ、パソコン、フランス語の話が中心。
量子テレポーテーションや超弦理論の理解を目指して勉強を続けています!

2014年ノーベル物理学賞は赤崎勇先生、天野浩先生、中村修二先生に決定!

2014年10月07日 22時43分02秒 | ノーベル賞
左から赤崎勇先生、天野浩先生、中村修二先生


物理学賞の発表の日は毎年ワクワクさせられる。今年の物理学賞の受賞理由は、一般の人にとってもわかりやすい。赤崎先生、天野先生、中村先生、おめでとうございます!

「20世紀は白熱電球によって照らされた。21世紀はLEDによって照らされるだろう。」

スウェーデン王立科学アカデミーによるこの言葉には胸が熱くなった。青色LEDの技術は白色LEDの開発にも必要な技術である。

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スウェーデン王立科学アカデミーは7日、2014年のノーベル物理学賞を赤崎勇・名城大学教授(85)、天野浩・名古屋大学教授(54)、中村修二・米カリフォルニア大学教授(60)に授与すると発表した。授賞理由は「明るくエネルギー消費の少ない白色光源を可能にした高効率な青色LEDの発明」。LEDは照明やディスプレーなどに広く使われている。生活を一変させたことが高く評価された。

Nobelprize.org
http://www.nobelprize.org/





白色光源を可能にする赤、青、緑のLED(Light Emitting Diode=発光ダイオード)は、次のような順番で発明された。

1)1962年、赤色のLEDがニック・ホロニアックにより発明。(僕が生まれた年だ!)

2)窒化ガリウムを用いた高輝度の青色LED開発に関して、基礎技術の大部分(単結晶窒化ガリウム (GaN) やp型結晶、n型結晶の作製技術やpn接合のGaN LED)は赤崎勇天野浩らにより実現。
1993年11月、中村修二が職務上で高輝度かつ長寿命の青色LEDの量産技術を発明。

3)青色LEDの登場によって純緑色LEDが実現できるようになった。


青色発光ダイオード開発物語(サイエンス チャンネル動画)
http://sc-smn.jst.go.jp/D040506/

LED 発光ダイオードの基礎知識
http://www.optdevice.jp/knowledge/

LEDの発光原理
http://www.kc-lightech.com/knowledge/genri

白熱灯や蛍光灯とは違うLEDのしくみ。
http://www2.panasonic.biz/es/lighting/led/led/principle/

知っておきたいLED照明の基礎
http://ednjapan.com/edn/articles/1207/02/news064.html


先生方のご経歴と著書へのリンクを載せておこう。

赤崎勇先生: ウィキペディアの記事 著書: アマゾンで検索
2014年、ノーベル物理学賞受賞。
名城大学教授(終身)、名古屋大学特別教授・名誉教授。工学博士。1929年鹿児島県生まれ。京都大学理学部卒業。神戸工業(株)、名古屋大学、松下電器産業(株)東京研究所を経て、1981年名古屋大学教授(工学部電子工学科)、1992年名城大学教授(理工学部)。1998年結晶成長学国際機構Laudise賞、2000年度朝日賞、2004年文化功労者、2009年京都賞、2011年IEEE Edison Medal受賞、2011年文化勲章受章。IEEE(米国電気電子学会)ライフフェロー、NAE(米国工学アカデミー)外国人会友

中村修二先生: ウィキペディアの記事 著書: アマゾンで検索
2014年、ノーベル物理学賞受賞。
1954年、愛媛県生まれ。徳島大学工学部電子工学科卒。79年、日亜化学工業株式会社に入社。開発課で、半導体の研究開発を開始。93年、20世紀中には不可能といわれた高輝度青色発光LEDの世界初の実用製品化に成功。その業績に対して、本田賞、朝日賞、仁科賞、ベンジャミン・フランクリン・メダルなど、国内外で数々の科学賞を受賞している。2000年2月より、カリフォルニア大学サンタバーバラ校教授。工学博士

天野浩先生: ウィキペディアの記事 著書: アマゾンで検索
2014年、ノーベル物理学賞受賞。
日本の電子工学者。工学博士(名古屋大学)。専門は半導体工学。名古屋大学大学院工学研究科教授。


関連記事:

速報:2013年ノーベル物理学賞はヒッグス博士とアングレール博士に決定!
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/e4c4d6d15d52e86a94caccd6da8edb5e


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8 コメント

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へー (hirota)
2014-10-12 10:36:11
青色LED発明よりかなり前に、どこかの展示会の目玉で緑色LEDを見た事があって純緑にしか見えなかったけど、純緑色じゃなかったのかー!
返信する
Re: へー (とね)
2014-10-12 11:47:18
hirotaさん

僕もこれは意外でした。昔見ていた緑のLEDは純緑ではなかったのですね。

http://blogimg.goo.ne.jp/user_image/24/f9/efec094d9eb96cbd7438d05760e1402a.png

上:青色LEDがない時代
下:青色LEDがある時代
返信する
あれ (hirota)
2014-10-13 10:35:58
下の例に緑がないんじゃ…
返信する
Re: あれ (とね)
2014-10-13 10:54:02
hirotaさん

モニターの画面(もしかするとスマートフォンの画面)に目をぐーっと近づけてみてください。緑や青が見えてきますよ。

http://blogimg.goo.ne.jp/user_image/01/8c/5ec17383122191161e82137f23fcacdd.png

冗談はさておき、緑の文字が使われなくなったのは色覚マイノリティーの人は赤色と緑色、オレンジ色と黄緑色の区別がつきにくいことが多いからなのだそうです。見分けにくい色の組合せはこのほかにもあるようですが、それをすべて使わないというわけにはいきませんから「とりあえず緑を使わない」ということにしたのだと思います。

区別がつきにくいのはどんな色?
http://www.skk-health.net/me/13/#CHAP2SEC1-1
返信する
なるほど (hirota)
2014-10-14 10:59:34
人間の色覚三原色は爬虫類時代の四原色から退化して赤と青の二原色になった後でX染色体上の赤色覚が遺伝子重複で赤から緑が分化したばかりだから不安定で変異し易いとか。
そのおかげで赤遺伝子が更に分化して女性限定で二種類の赤色覚を持つ四原色の人が居るかもとか聞きますね。(女性限定なのはX染色体を二本持つのは女性だけ)
返信する
Re: なるほど (とね)
2014-10-15 01:53:21
hirotaさん
人間はもともと(爬虫類時代には)二原色の眼だったのですか!そして緑が赤から分化したとは。。。僕は知らないことばかりです。
あと4つの色の色覚を持つ人がいることは知っていましたが、女性限定だということも知りませんでした。
深いですね。
いつもいろいろ教えていただき、ありがとうございます。
返信する
いや (hirota)
2014-10-15 13:30:27
爬虫類時代は4色、哺乳類で2色です。
哺乳類はほとんど夜行性ですから退化したんですねー。
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Re: いや (とね)
2014-10-15 16:38:19
hirotaさん

失礼!読み違えていました。
いったん退化したというわけなのですね。
返信する

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