先週、Stroke誌(世界トップクラスの脳卒中に関する医学雑誌)に岡大脳神経外科・村井智先生の論文が見事掲載されました。
これは平松匡文先生の指導のもと、岡山県下の脳血管内治療専門医所属施設8病院のご協力を得て、岡山県における脳と脊髄の珍しい血管病変を悉皆調査したものです。
平松先生は特に硬膜動静脈瘻(dAVF)の診断・治療に特に熱心であり、村井先生と一緒に論文を書き上げてくれました。
従来、dAVFは1年間に人口100万人あたり3人程度見つかると言われていました。岡山県の人口は約200万人なので、1年間に6人となります。
しかし、岡大では年間20-30件のdAVF治療を毎年のように行っており、いくら中四国一円から患者さんが集まると言っても多すぎる印象でした。
そこで、2009〜2019年の10年間の岡山県における患者さんを調査させていただいたのです。
結果は・・・
dAVFは人口100万人あたり10人程度で、同時に脳動静脈奇形よりも多いことも判明しました。
また予想通りですが、脊髄血管病変は非常に少ないこともわかりました。
ご協力いただいた皆様に感謝したいと思います。
また、これを契機にさらに診断・治療の精度を高めていきたいと思います。
今日は、久し振りにちょっと真面目なお話でした。
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