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日々新たなり/日本語学2020

批判的思考

2022-04-24 | まさしこと

論理的思考と論理思考と違うとして見て、論理思考はまた批判的思考であるとする、など、さらにわからなくなってしまうような撞着を起こしそうである。論理的思考を一般にし、それを述べるようなことに対置して、論理思考を批判にとらえるのは哲学もふくめて難しい思想としてしまったイデオロギーになるので、批判の語は使いにくくなった。とくに教育現場では用いないようである。
批判は正邪を分かつことである。善悪、正不正、是非の論理であるが、実はそれだけに生産的な思考法とするには重要なポイントがある。そこを踏まえないと批判が非難となるような使い方のなってしまう。
批判的思考を批判する結果だけを論じるのは、やはり、よろしくない。それを避けて論理的思考となって説明するようなことなのだろう。

批判 クリティーク
> criticism 英語
 critique フランス語
 Kritik ドイツ語
「批判」の語に、哲学用語としての重要なまた明確な意味を与えたのはカントであった。
マルクス主義の用語としては、イデオロギーを論理的に検討するだけではなく、それを生みだす物質的な条件や階級的な基礎を暴露すること。
ギリシア語の「分割する」を意味する語クリネインkrineinに由来する語によって表される


ひ‐はん【批判】〘名〙
① 批評して判断すること。物事を判定・評価すること。
※正法眼蔵(1231‐53)無情説法「古今の真偽を批判すべきなり」
※浄瑠璃・一谷嫩軍記(1751)三「御賢慮に叶ひしか。但し直実過りしか、御批判いかにと言上す」 〔資治通鑑注‐唐紀・玄宗開元二四年〕
② 裁判で判定・裁定すること。判決。
※大内氏掟書‐六五条・文明一七年(1485)四月二〇日「そのぬし出帯して、奉行所にてひはんをうけ」
③ 良し悪し、可否について論ずること。あげつらうこと。現在では、ふつう、否定的な意味で用いられる。
※洒落本・魂胆惣勘定(1754)中「女郎の㒵をほめ、衣装の有なしをかたり、くしかふがいのひはんをし」
④ 民間の噂話。〔日葡辞書(1603‐04)〕
⑤ 哲学で、事物や学説の内容を根本的に研究して、その全体の連関、意味、基礎を明らかにすること。マルクス主義の用語としては、イデオロギーを論理的に検討するだけではなく、それを生みだす物質的な条件や階級的な基礎を暴露すること。〔教育・心理・論理術語詳解(1885)〕
出典 精選版 日本国語大辞典


ひ‐はん【批判】
[名](スル)
1 物事に検討を加えて、判定・評価すること。「事の適否を批判する」「批判力を養う」
2 人の言動・仕事などの誤りや欠点を指摘し、正すべきであるとして論じること。「周囲の批判を受ける」「政府を批判する」
3 哲学で、認識・学説の基盤を原理的に研究し、その成立する条件などを明らかにすること。
→批評[用法][用法]批評・批判――「映画の批評(批判)をする」のように、事物の価値を判断し論じることでは、両語とも用いられる。◇「批評」は良い点も悪い点も同じように指摘し、客観的に論じること。「習作を友人に批評してもらう」「文芸批評」「批評眼」◇「批判」は本来、検討してよしあしを判定することで「識者の批判を仰ぎたい」のように用いるが、現在では、よくないと思う点をとりあげて否定的な評価をする際に使われることが多い。「徹底的に批判し、追及する」「批判の的となる」「自己批判」
[類語](1)批評・講評・評価・論評・評論・評・評語・総評・概評・短評・寸評・合評・時評・時論・高評・酷評・劇評・書評・選評・月旦評・コメント/(2)論難・弁難・批難・批正・酷評・冷評・痛論・否定・駁論ばくろん・反論・反対・不賛成・不同意・不承知・異議・異論・異存・抵抗・造反・対立・辞退・固辞・遠慮・難色(―する)難ずる・論あげつらう・駁ばくする・辞する・否む・難色を示す・首を振る・首を横に振る・頭かぶりを振る・非を打つ・異いを唱える・異いを立てる
出典 小学館デジタル大辞泉について



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