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団塊世代オヤジの春(1):列車に飛び乗れ

2006-08-23 | 経営と戦略
テレビ東京の朝の番組「モーニングサテライト」の取材を受けました。三菱電機のオーディオブランド「ダイヤトーン」が復刻され、1本105万円のスピーカーが売れている、他にも復刻ブランドがいろいろ出ている、どういうことかというお題です。

個別のブランドを詳しく調べたわけではないので、あくまで私の仮説でお話ししたのですが、「団塊オヤジの春」というのが私の考えです。

よく言われているように団塊世代の退職が2007年にピークを迎えます。1946年から50年に生まれた広義の団塊世代は約1000万人います。これだけの人数をひとくくりに論じるのは少し乱暴ですが、この半数の5百万人の「団塊オヤジ」は、ひとことで言うと「リッチなこだわりオヤジ」なのです。

退職時の世帯あたりの推定金融資産は2千万円以上。そしてその使いみちとして、団塊前世代と異なり「趣味のもの」への消費意欲が非常に強いのです。その対象は、若い頃に手が届かなかった「あこがれのブランド」へ向かいます。

さきがけとなったのは、2002年に復刻された日産のフェアレディZ。V型6気筒、3.6リッター、280馬力のモンスターですが、半数のオーナーが45歳以上と言われます。

マーケティング上のポイントは「物語を伝える」ことでしょう。そのブランドのこだわりを、どれだけ丁寧に伝えるか。これが鍵です。そしてここでマーケティングが従来のマス中心から一段進んだものに進化します。

フェアレディZの場合で言えば、従来のマス広告とショールーム中心の売り方から、趣味の雑誌やウェブで「物語」を伝えるやり方が見事に当たりました。ダイヤトーンでも地道な試聴会やウェブを中心にマーケティングしているようです。

以前書いたTOTOのトイレも同じ話だと思います。
http://blog.goo.ne.jp/kozatori7/e/336005c45fe45345c9bdafc1e70cf46a

日本の成長を汗水たらして引っ張ってきた団塊オヤジが、これからしばらく消費者リーダーとして台頭します。企業はこの列車に飛び乗って、的確に対応する必要があるでしょう。

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