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ネット民主主義@ISL

2007-07-25 | 経営と戦略
ISLの野田さんに頼まれて「ネット民主主義」というお題でセッションをしてきました。参加者は30代の経営リーダーコース受講生。セッションには、グーグルで広告戦略を引っ張る高弘氏、ファシリテーターはリクルートの宮本氏と、こう面子を並べただけでも、尺八とバイオリンとジャズピアノのセッションのような(なんのこっちゃ)わくわく感があります。

グーグルの高弘氏の話は面白かったですね。印象に残ったのは、グーグルによって広告を出すという行為が一部企業から多数の企業、個人へ「民主化」されているということ。グーグルによって広告主の数が6~8倍になっているそうです。

具体的なところで言えば、広告主で目立つのは福井県とのこと。高弘氏の言葉を借りれば、新幹線も空港もなく、検索をうまくつかって客を呼ぼうとする意識が高いということです。面白いと思いませんか。

私はヒッペルの「イノベーションの民主化」をテーマにしました。以前早稲田ビジネススクール(WBS)でやったように、どこでこの理論が制約をうけるか、ということから理論の拡張性、進化を議論する意図です。

WBSと同じく、規制、規模、技術などいろいろな「制約」が出されました。しかし興味深かったのは、高弘氏が口火をきったのですが、リードユーザーによる「改造」をもっと幅広に考えるということ。

ひとつの例は、医薬品です。これは薬事法という壁があって勝手にクスリを改造するというわけにはいきませんが、例えば飲みやすい大きさ、旅行にもっていきやすい量、など使い方は「カスタマイズ」可能です。

もうひとつ伝統のある商品を議論しました。これも技術の壁があります。しかしここで、「伝統」という壁を少し柔軟に考える、例えば、海外で「改造して」握られている妙な寿司もありじゃないか、と考えれば「ブルーオーシャン」が見えてくるかもしれません。

また、セッションが終わってから「マス・カスタマイゼーション」と「マス・コラボレーション」の違いを考えていました。前者はWBSででてきたポイントですが、後者との違いは「対話の位置づけ」です。後者はいろんな人が対話しながらモノを作っていくということです。それが創造力を生むのでしょう。

そういえば、セッションの最後の方で、高弘氏が、「オープンソースを考えるのは関西弁の使い手が多い。なぜかといえば、関西ではボケとツッコミがあって、オープンソースは会話が大事だから」という、奇天烈な説をぶちかましていました。

ぜひ参加された将来のリーダー候補の方々に、自分の業界で「民主化」がどのような形で起こるのかを考えていただく刺激になればと思います。

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