2019年11月14日に表面技術協会中部支部主催の「令和元年度表面技術若手研究者・技術者研究交流発表会」に参加しました.
発表している森田の図.
初のオーラルでの発表&岐阜大学からの参加者が1人という状況でしたが逆に緊張は少なくリラックスして発表出来ました.
私はゴム射出成形用金型表面への微粒子投射処理とDLC成膜の併用による離型性向上という題目で発表しました.
【学会全体の感想】
燃料電池の電気化学特性の向上やアルミニウム合金の自己潤滑性の向上バイオフィルムの抑制など幅広い分野の発表があり
非常に興味深い内容ばかりでした.高専の方も多く発表しており,高専5年生でも大学2年生の年なので当時の自分を思い出すと
意識の高さに驚きを感じました.下記に自分にとって特に興味深かった発表を紹介させていただきます.
【興味深かった発表】
①『和周波発生分光法を用いたグルコース膜表面の分子構造解析』(名城大学院理工 吉田様)
研究内容は細胞へのプラズマ照射効果を明らかにすることを目的とし,和周波発生(SFG)分光法を用いて細胞膜を構成する
グルコース薄膜表面の分子構造解析を行ったという内容でした.私が特に興味深いと思った内容はSFG分光法は下の図ように対称性
が破れる界面からのみ発生するSFG光を利用し,かつ界面に極めて敏感であり高感度であるため従来の赤外やラマン分光法では測定
が困難とされていた物質の表面や界面における分子構造を高感度に計測できるという点です.私も金属表面とゴムとの接着界面を測
定しようとしたことがあり,赤外線の潜り込み距離がネックだと感じていたのでSFG分光法は極薄い分子層などを測定するのに適し
た測定方法であると強く感じました.
②『次世代高伝導性・耐摩耗性自動車端子向けのAg-Grapheneハイブリットめっきの創製』(名古屋工大院 坂井田様)
研究内容は自動車の神経と言われるワイヤーハーネスの先端には,様々な電子機器と接続している端子コネクタがあり,電気自動
車やハイブリット自動車の発展と共にその信頼性の要求が高まっている.そこで,従来のコネクタに使用されていたCu合金基材上に
高導電性のAg膜をめっきしたものにさらにGrapheneを固体潤滑材として複合させることで高機能化を促すという内容でした.
私が特に興味深いと思った内容は,Ag-Nano C複合メッキの表面性状や特性をFE-SEM,EDS,XRD,GD-OESなどで測定しその結果
を非常に分かりやすく発表スライドの中で表現してました.私も表現の仕方を是非参考にしていきたいと強く思いました.
今回は発表の評価が行われており,その結果若手奨励賞をいただくことが出来ました.
研究へのモチベーションが上がりました.
また,交流会にも参加し名古屋大学から発売されているビールも味わわせていいただきました.
とてもフルーティーでビールの味が苦手な私でも美味しくいただくことができました.
記事:M1森田裕也
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