☆奈良の旅3日目ー2
2019年11月11日(月)
〇 飛鳥寺
用明天皇2年(578年)仏教の受容を強く推進していた蘇我馬子は飛鳥寺の建立を発願。
その翌年、朝鮮半島の百済からは、崇峻天皇に仏舎利が奉献され、同時に僧6人を始め、寺工2人、鑪盤博士1人、瓦博士4人、画工1人が派遣されてきました。
仏教伝来の大きな意味は、単に仏教が伝わったというだけではなく、それを取り囲む仏教文化全体と当時の最先端技術が伝来したことにあります。
🚖 樫原神宮前駅からタクシーで飛鳥寺に向かう間、田園風景でのどか、、、
季節も秋、柿の実が日に映えて、今こうして目にするものがいにしえの時代にも同じようであったろうか、、、などと思いをめぐらせているうちに飛鳥寺に着きました。
〇 釈迦如来坐像(重文) 飛鳥時代・銅造
この仏像は、我が国の現存する最古の釈迦如来像とされていて、その開眼供養は609年です。
作者は法隆寺釈迦三尊像の作者でもある鞍作止利(くらつくりのとり)という人物であります。
嘗て聖徳太子の師といわれる高句麗の高僧恵慈や寺の完成時に来朝した百済の高僧恵聡などがこの寺に住んで本格的な教学研究の場となっていました。
そして、その後推古天皇33年(625年)高句麗僧恵灌が入り我が国に初めて体系的な仏教教学を伝え、さらに斉明天皇7年(661年)当時の僧道昭が唐留学を終え帰朝して玄奘三蔵より学んだ唯識説(法相宗)を初めて伝えています。
さらに天平期には当時の僧智光が三輪宗の「空」の概念から、後の浄土思想の源流となる思想を独自に展開したという。
これらの史実が示す通り、日本仏教はこの寺から全て出発し発展していて、まさに日本仏教のルーツはこの寺にある。と言えます。。
靴を脱いで本堂に入らせて頂くと、釈迦如来坐像が手の届くところにあり、ここでゆっくり三人で座して、1400年前の聖徳太子に思いを馳せたりして、、、旅のひとときを楽しみました。
やっぱり 釈迦如来坐像の横にはこの人 聖徳太子16歳の時、
父用明天皇の病気平癒のご祈祷をされているお姿の像
飛鳥寺近くにある「蘇我入鹿首塚」も見てきましたが、
曽我と小綱生まれの者は多武峰(談山神社)には決して参拝せず、縁組もしないとされた、筋金入りの鎌足嫌いな蘇我一族とゆかりの深い人たちの話とか
入鹿の首は切られてもなお飛び跳ねたという日本史上一大事件の「乙巳の変」の話とか、 ここでは割愛する。
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秋深い晴天の午後、嘗て蘇我蝦夷や中大兄皇子たちも歩いただろう野の道を三人で、テクテク歩いて・・・
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〇 酒船石遺跡(さかふねいしいせき)
今は、きれいに整備されていて歩きやすい
ここを登って行く
すると小高い丘の上の少々鬱蒼としたジメジメ感のある場所にあった
ほぼ東西で長さ 5.5m 幅(南北)約 2.3m 厚さ 1m
酒船石のある丘陵全体は自然のままではなく、人工的な丘である。
巨石を自在に移動させた形跡、非常に鋭利な石の切り口
飛鳥時代には謎の巨石文化が発達したのでしようか・・・
↓ 🚖 タクシー
石舞台古墳 蘇我馬子の墓と伝えられている
飛鳥時代592年~710年の118年間にかけて奈良の飛鳥に宮・都が置かれていた時代、この短い期間にこのような巨石文化が発達したことは謎多きことです。
因みに、聖徳太子は574年2月7日~622年4月8日 政治の中枢で活躍されていました。
↓ 🚖 タクシー
タクシーの運転手さんは観光地の説明が慣れていて、お陰様で楽しくこの辺りの巨石の跡を回ることができました。
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15:07 樫原神宮前駅
↓ 🚊
京都駅 ※ここではいろいろお買い物
↓ 🚅 新幹線
三島駅
↓ 🚙 Cさん運転で帰路に
20:30ごろ自宅 いい旅をありがとう♡
<旅行感想>
奈良という土地と,そこで1400年も重ねてきた歴史、言葉で言えないもどかしい感想・・・
バタバタとすぎる日常からほんの3日間、悠久の歴史を垣間見させて頂いたわけですが、心の奥になんとも温かい、豊かな感情が目覚めてくれてたら嬉しいのです。
帰ってから にわか奈良好きとなり、光明皇后と三体の観音像の話、楽毅論の臨書作品は勿論。
持統天皇の一生と藤原不比等の台頭、
それになんといっても聖徳太子につきましては出生の秘密から謎めいて、その一生と未来記、法隆寺全体が太子の供養塔といわれる以所、、、等々。
ただ日本の歴史を読むと、天皇のお名前、その同じ人の子供時代のお名前とか、誰が誰と結婚してそのまた両親は???これが慣れてくるまでがなんとも・・・
ちょちょっとほんの一部回っただけでしたので、此処も行きたい、あそこも行きたい、もっと時間をほしい、、、とか思ってしまいます。
それと、仏像に関してろくな知識もありませんが、日本の美術として相当高い価値を感じました。
日本人として世界に誇っていいなと、こころから感じています。
そして同行のお二人さん、笑える場面ばかりが浮かんできますが、お疲れ様でした いつもいつも ありがとう♡
※旅に際して以下の著書を携えて大変参考にさせて頂きました。お礼を申し上げます。
入江泰吉と歩く『大和路仏像巡礼』 入江泰吉・田中昭三
『土門拳の古寺巡礼』他写真集各種
其の他、ネット上の多くの情報