見果てぬ夢

様々な土地をゆっくりと歩き、そこに暮らす人たちに出会い、風景の中に立てば、何か見えてくるものがあるかもしれない。

スペイン最後の夜は華やかなクリスマス風景で

2007-11-30 08:31:55 | スペイン
最初にスペインに入ったのは9月。この旅で一番多くの都市を回り、多くの時間を過ごした。都市国家が集まったスペインは、各街の歴史や文化にそれぞれの個性が光、どこへ行っても様々な過ごし方や新たな感動に出会える国だ。

最後の都市、マドリッドは首都としての誇りを示すばかりでなく、歴史と伝統を大切にしながら、今を訪れる旅行者に配慮した街づくりを整えている。
観光客が多く歩く場所には、朝から多くの警察官が巡視し、夜中の12時近くまでマドリッドの記章を付けた清掃員が甲斐甲斐しく歩道を掃除し続ける。交差点の建物の壁に必ず取り付けてあるストリート名表示は、通り名に因んだ絵柄の装飾タイル張りで美しい。



マドリッドでは、中心地区の邸宅を改装した安ホステルに泊まり、二日間をソフィア王立美術館とプラド美術館で過ごした。
ソフィア美術館は、スペインの現代美術を集めた美術館。バルセロナとは別の趣で、ミロ、ダリ、ピカソの秀作を前にした。特に、ナチスドイツの空爆に抗議して一気に書き上げたという「ゲルニカ」は圧巻で、その場に釘漬けになった。



世界有数の美術館で盗品がないことが誇りというプラド美術館は、夕方5時からの無料時間を狙ったのだが、観覧者の長蛇の列で入館まで1時間近く並ぶことになった。
やはり、無料には無理がある。翌日は開館間際に行って8ユーロの入館料を払い、夜まで一日美術館で過ごした。
ゴヤの「裸のマハ」、ベラスケスの「四世の家族」、ルーベンスの「三美神」等など、美術の教科書で見た絵が、広い館内に贅沢なスペースで展示され、どの作品の前に立っても迫るものがあって離れ難い。



夜、ホステルの建物から一歩外に出ると、街中が色とりどりのイルミネーションで華やぎ、デパートもクリスマス商戦で各店舗が一層白熱している。
これだけ贅沢に装飾できる経済的、精神的余裕が、マドリッドにあるということを改めて知らしめているようだった。



↑フラメンコの哀しく激しいメロディを奏で歌うバスカーズ


↑華やかなイルミネーションで飾られた街路。


↑デパートに並ぶクリスマス贈答品は大きなバスケットアレンジが主流


↑骨付き生ハム、ワイン、チーズなどが人気。貰ってみたいプレゼント箱は323ユーロ(約52,000円)。


↑クリスマスの雰囲気を一層盛り上げるストリート・ミュージッシャン。


↑人の山が見上げているのは、スペイン大手デパートの正面口の壁。


↑正面の壁一面に、クリスマス風景の装飾。12月25日まで、毎日1時間毎に装飾された人形たちが動き出して歌うスペクタルショーが展開。エンディングにクリスマスツリーの頂上から舞い落ちる白い雪に、観衆は大喝采、子どもたちは綿で出来た雪を拾おうと周囲を走り回る。
これだけのアトラクションを実施できるのも、大手デパートの資金力と企画力、度胸があるからだろう。


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