穂高岳山荘は稜線上にあるため、岐阜県側と長野県側の山々がよく見える。笠が岳に日が沈み蝶が岳から日が昇る。2.983mの雲上の小屋からの眺めは素晴らしい。翌朝6:00朝食を食べ、コーヒーを飲んでからアイゼン装着6:45奥穂に向け出発。連休中は途中の雪壁で苦労したと聞いていたが、特に問題なく抜けて岩稜をアイゼンでゴリゴリ言わせて歩く。1時間チョイで3,192m頂上到着。今回の目的はここではなくここから?m下の南陵ビバーク地点だ。小屋では80mぐらい下との情報があり、ちょっと期待していたが丁度南稜を上がってくるパティーがあり南陵の頭で情報を聞いたところ200m程下との事。チョイとがっかり!!それでも、ザックはあることがわかりアンザイレンで岩稜帯を降りる。ところで、アイゼン(それも氷壁用のアイゼン)で岩稜帯の下りは非常に危険なことが身を以て判った。刃先がひっかかっるのだ。幸い一回転して草付部に突っ込み止ったが、サングラス大破(後で修理)アイゼンは雪の上で使うものとあらためて理解した。雪稜をアンザイレンで慎重に下り190m下降したところで、雪上にザック発見9:11。傍に行ってみると、3つ綺麗にベルト側(背負う方)を上に向け並んでいた。登攀者が落ちないように、綺麗に揃へ、ベルト側が乾くようにしてくれていたと思う。ザックの中身も1か月前のまま、アルピニストの心持に対し頭を下げるしかなかったです。一か月前にビバークしたところはもっと広く感じていたのに、今は非常に狭くもう少し来るのが遅れていたらザックは谷の底に転がり落ちていたかもしれません。ただし、ここからが荷物が2倍になったため非常に苦労しました。ザックが2個・ピッケルが2個・アイゼンが2個……。再度奥穂に着いたのは11:30でした。穂高山荘へ戻り、うどんを食べ今回のお礼を言って涸沢ヒュッテへ下りました。往路と同じザイテン横を下り、傾斜が緩くなったところで秘密兵器「ヒップそり」をだし人すべりしましたが、スピードが出る分コントロールが効かず場所を十分に考えないと危険と思いました。それでも2名を追い越し涸沢ヒュッテで2名を待っていました。(ただし、代償としてズボンと上着ザックが乾燥室行きとなりました。夕食には生ビールのジョッキが…「ここは天国?・・・」
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