アメリカでもワーキングプアが3分の1。
米国で盛り上がる格差議論から学ぶこと 成長と社会的平等をいかに実現するか
格差があることは悪いことだから何とかしなければならないことへの合意が得られたとして、所得格差をどう是正するのか。その方法がわからないから、解決できない問題になっていると思う。
たとえば、高所得者から多くの税金をとって、失業者や低所得者に「フードスタンプ」を配ることで所得を再配分すればいい、という単純な問題じゃないと思う。
そのような「大きな政府」の国からは、大企業や専門性の高いスキルを持つ高所得者は逃げ出すだろうし、働かなくても暮らしていける、頑張らなくても何とかなるような社会は、いずれ衰退に向かってしまう。
その逆の「小さな政府」では、所得の格差は、その人がいかに頑張ってきたかを示すもので、過度な是正は必要ない、自己責任=必然の結果だと考える。だから、格差は、積極的ではないけれども、肯定されることになると思う。でも、格差社会には脆さがあるから、適度に是正することが社会にとって良いことだという落とし所はあるんだろうなと思う。
日本はどちらに向かうのか。難しいけれど、格差は拡大し固定化するんじゃないかな。
子どもの頃から、努力しても報われることはないと親に言われ続けたら。大学を出たら、誰もが知っている大企業に勤められる、普通に働いていれば出世できる、そう親に言われ続け、就活をしてみて、初めて社会の厳しさを知ったら。いったん、非正規の道に入ってしまうと正規の道は断たれるという現実を知ったら。
人生がきまる分かれ道、早すぎるよね。
米国で盛り上がる格差議論から学ぶこと 成長と社会的平等をいかに実現するか
2010年の米国の家計所得の中位値は4万9445ドル(約386万円)と、1997年とほぼ同じ水準になり、4900万人もの人が貧困ラインである年収2万4343ドル(約190万円)以下の生活をし、5100万人が“near poor”(所得が貧困ラインの50%増<3万6515ドル:約285万円>以下の水準)に位置しています。即ち、米国の人口3億人のうち1億人が、年収285万円以下という低所得に喘いでいるのです。
今年出されたIMFのレポートでも、富裕層と貧困層の格差が小さい社会ほど、長期にわたる景気拡大が可能となり、格差が拡大傾向にある米国では、今後の景気拡大は1960年代の1/3程度の長さしか持続しないだろうと述べています。
日本はどうでしょうか。国税庁の民間給与実態統計調査を見ると、2010年の給与所得者の平均給与は年間412万円(ピークの1997年(467万円)から約12%減少)ですが、4550万人の給与所得者のうち200万円以下の人の割合は23%、300万円以下だと41%にもなります。これに対し、給与が2000万円以上の人の割合は0.4%に過ぎません。
所得格差の是正に取り組まないと、1929年の大恐慌や現在のような経済危機が、繰り返し起きることになると主張されています。
おそらく米国の議論から一番学ぶべきは、今や成長と社会的平等が密接不可分であるという認識ではないでしょうか。そして、そこから導かれる結論は、やはり民主党政権の経済政策は間違っているということです。
今年出されたIMFのレポートでも、富裕層と貧困層の格差が小さい社会ほど、長期にわたる景気拡大が可能となり、格差が拡大傾向にある米国では、今後の景気拡大は1960年代の1/3程度の長さしか持続しないだろうと述べています。
日本はどうでしょうか。国税庁の民間給与実態統計調査を見ると、2010年の給与所得者の平均給与は年間412万円(ピークの1997年(467万円)から約12%減少)ですが、4550万人の給与所得者のうち200万円以下の人の割合は23%、300万円以下だと41%にもなります。これに対し、給与が2000万円以上の人の割合は0.4%に過ぎません。
所得格差の是正に取り組まないと、1929年の大恐慌や現在のような経済危機が、繰り返し起きることになると主張されています。
おそらく米国の議論から一番学ぶべきは、今や成長と社会的平等が密接不可分であるという認識ではないでしょうか。そして、そこから導かれる結論は、やはり民主党政権の経済政策は間違っているということです。
格差があることは悪いことだから何とかしなければならないことへの合意が得られたとして、所得格差をどう是正するのか。その方法がわからないから、解決できない問題になっていると思う。
たとえば、高所得者から多くの税金をとって、失業者や低所得者に「フードスタンプ」を配ることで所得を再配分すればいい、という単純な問題じゃないと思う。
そのような「大きな政府」の国からは、大企業や専門性の高いスキルを持つ高所得者は逃げ出すだろうし、働かなくても暮らしていける、頑張らなくても何とかなるような社会は、いずれ衰退に向かってしまう。
その逆の「小さな政府」では、所得の格差は、その人がいかに頑張ってきたかを示すもので、過度な是正は必要ない、自己責任=必然の結果だと考える。だから、格差は、積極的ではないけれども、肯定されることになると思う。でも、格差社会には脆さがあるから、適度に是正することが社会にとって良いことだという落とし所はあるんだろうなと思う。
日本はどちらに向かうのか。難しいけれど、格差は拡大し固定化するんじゃないかな。
子どもの頃から、努力しても報われることはないと親に言われ続けたら。大学を出たら、誰もが知っている大企業に勤められる、普通に働いていれば出世できる、そう親に言われ続け、就活をしてみて、初めて社会の厳しさを知ったら。いったん、非正規の道に入ってしまうと正規の道は断たれるという現実を知ったら。
人生がきまる分かれ道、早すぎるよね。