Ali'i Drive Breeze

The Big Island
ハワイ島で体験した思い出を写真とともに綴る旅日記

コーヒー・シャック<The Coffee Shack> #1 リンさんったら!

2007年05月03日 | 南コナ地区

Palani Rd.から、
フアラライの中腹を横断する180号線(North Kona Belt Rd.)を南に向かってドライブした後、ホナロで11号線(Mamalahoa Hwy.)に合流。
アロハ・エンジェル・カフェの前を通り過ぎ、
さらにマナゴ・ホテルの前も通り過ぎ、
このお店で焼きたてのピザが食べられるというので、立ち寄ってみました。

<The Coffee Shack>


人気のお店だけあって、店内はほぼ満席。
メニューを見て、とりあえずコーヒーとサラミとトマトの載ったピザを注文することに。
近くにいたウェイトレスに声を掛けようとしたのですが、
そのウェイトレスは明らかに、忙しさのあまり余裕をなくしている様子。
ほかの人に頼もうかとも思ったのですが、
どう見ても彼女が私たちの座っているエリアの担当のようです。

やむなく、
「Excuse me ?」と声を掛けると、
彼女は振り向き、私たちのテーブルにやって来ました。
そして、注文票とペンを取り出しながら、
ひとつため息をついて、「I accept only two questions.」と、ぼそり。
彼女にしてみれば、独り言のつもりだったのでしょう。
私は苦笑して、「O.K. This is first Question.」というと、
そのウェイトレスは照れ隠しなのか、途端に満面の笑みでこちらを見ます。
私が、先ずピザの焼ける時間を尋ねると、20分ぐらいかかると教えてくれました。
了解と答えた後、second question でピザとコーヒーを注文してもいいかと尋ねると、
「Sure.」と言ってくれたので、メニューを指差して注文しました。
もともとは陽気な性格の女性なのでしょう。
注文をとった後、「私の名前はリンよ。」と、自己紹介してくれました。
「僕の名前はヒロです。」と返すと、
リンは驚いたように「あのHilo?」と、山の向こう側つまりHilo Downtownの方向を差して訊きます。
もちろん違うのですが、簡略に説明できるほどの英語力もないので、
「同じ名前です。」と答えると、
何故か感心したように「そうなの・・・」と、リンは2、3度頷きました。
そして、
あきらかに先ほどまでとテンションの変わった彼女は、
足取り軽やかに厨房へ注文を通しに行きました。
分かりやすい性格の彼女は、しかしこの後、あることをきっかけに再び不機嫌に・・・。

とりあえず、ピザが焼きあがるまでの間、
コーヒー・シャック自家農園の美味しいコナ・コーヒーを飲みながら、
見るとはなしに周りを見ると、私たちが座っているテーブルの右隣には
両親と小学生くらいの姉弟のアメリカ人家族が座っていて、
左隣には60歳前後の日本人の男女5人が座っていました。

ほどなくリンが、アメリカ人家族にピザなどの食事を運んできました。
注文の品がテーブルに並べられていきます。
リンが去った後・・・、しかし、その家族は料理に手をつけようとしません。
静かに座っているだけです。
私はジロジロ見るわけにもいかないので、
どうして食べようとしないのか理由はわかりません。

妻と、食事の後のドライブ・コースについて話していると、
今度は左隣の日本人客のテーブルに、リンが料理を運んできました。
次々とテーブルに載せられる料理の分量の多さに、
5人が驚いている様子が伝わってきます。
さらには、
「これは、どの料理かしら?」と、戸惑う声も。
英語で書かれたメニューと、運ばれてきた料理のイメージが結びつかないのでしょうか・・・。

やがて、私たちが注文したピザが運ばれてきました。
「Enjoy it !」と、笑顔のリン
焼きたての自家製ピザは、
生地はサクサク、チーズはタップリ&トロ~リ、トマトはフレッシュで、
ほんとに美味しかったです
一枚全部を食べきってしまうと苦しくなりそうなので、
半分食べたところでTAKE OUTすることにしました。

 

(テイク・アウトをお願いすると、持ち帰れるようパックに入れてくれました。
 結局、持ち帰ったピザは翌朝コンドミニアムで、
 レンジで暖めなおして食べたのですが、   
 充分美味しく食べられました。
 おかげで、貧乏旅行の私たちは一食分の食費を節約できました。)

さて、残ったピザを持ち帰ることにしてコーヒーを飲んでいると、
不思議なことに右隣のアメリカ人家族は
弟だけが食べていて両親と姉は、
未だに料理に手をつけていないようです

一方、
食事を終え、会計をしようとしている左隣の日本人客たちは、
リンを呼び寄せ、しきりに何かを言っています。
漏れ聞こえてくるのは、料理が違う・・・というカタコトの英単語。
その中のひとりの女性が、食べかけた料理の載った皿を持ち上げて、
これは頼んでいないと言っています。
リンは、明らかに不機嫌そうに、どう言う事かと聞き返しています。
その様子を、私たち夫婦はもとより、周囲の客もどうしたのかと見つめています。

どうやら女性は、
「注文した以外の料理もテーブルに出されて、
 分からずに少し手をつけてしまったが、
 これは注文した料理ではないから、
 伝票の値段が間違っているんじゃないか?」
ということを、主張しているようです。

それに対してリンは、
「料理を運んできた時に、あなたたちは何も言わなかったでしょう? 
 どうして今になって違うって言うの?」
というようなことを、苛立たし気に問い返しています。

英語の分からない妻が、「ねえ、どういうこと?」と尋ねるので、
「こういうことじゃないか。」と、状況を説明していると、
業を煮やした女性客がリンに向かって、
「Your mistake !」
ハッキリと言い切りました。
その瞬間、その場の空気が凍りつきました。
そして、一瞬の間を置き、我慢の限界が頂点に達したリンは、
「My mistake ? You said My mistake ,・・・?」と、
顔を真っ赤にして女性を睨みつけると、
そこにいる全員が見つめる中、
悔しさを全身であらわし、店の奥へと消えていきました。
そして、そのまま客席に戻って来ることはありませんでした。

あまりのことに、日本人客5人は信じられないと言いながら、
結局レジで会計を済ませ、店を出て行きました。

私も事態の急変に、呆気に取られていると、
妻が右隣のテーブルを示しながら言います。
あの日本人女性が手に持って「違う。」と言っていた料理は、
隣の女の子の注文じゃなかったのか、と。
「えっ?」
私が右隣のテーブルを見ると、
さっきまで、料理に手をつけていなかった家族が食事を始め、
淋しそうな顔をしている娘に、
母親が慰めるようにピザ勧めているところでした。

「あ~~~、そういうことだったのかぁ・・・」
私は得心しました。
つまり、アメリカ人家族が料理に手を出さなかったのは、
娘の注文した料理が出てくるのをじっと待っていたからで、
その料理はとっくに
日本人客のテーブルに運ばれてしまっていたのだと。
そして、
頼んでもいない料理の代金が加算されていることに納得のいかない日本人客が、
クレームをつけたのだと。
そうです。明らかにリンのミスだったのです。

私たちには笑顔で応じてくれ、自己紹介までしてくれたリン。
「忙し過ぎたんだろうな」と、彼女に対しては同情する気持ちもあります。
もし、アメリカ人家族が、娘の料理が来ていないと催促するか、
あるいは日本人客が、出された料理が一品多いことに早く気づいていれば、
こんな気まずい結果にならなかったのでは・・・と思いました。
せめて、リンが顔を見せてくれれば、何か声を掛けよう思っていたのですが、
残念ながら、その後リンは現れませんでした。
仕方なく、ほかのウェイトレスにチェックをお願いして、店を出ました。

それにしても、
客に間違いを指摘されて仕事を放棄するなんて、さすがアメリカ人・・・
なのかな???




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