Ali'i Drive Breeze

The Big Island
ハワイ島で体験した思い出を写真とともに綴る旅日記

アロハ・カヤック・ツアー<Aloha Kayak Tour> #3

2008年03月03日 | 南コナ地区

さぁ、大変なことになってきました。
ツアー参加者からリタイアが出ただけでなく、
ツアー・ガイドまで引き返してしまったという、
もはや予測不可能となったアロハ・カヤック・ツアー。
やや波の荒いケアウホウ湾沖の海上から、中継再開です。

今や海上を進むのは、3艇のカヤックのみ。
ツアー・ガイドに指示された小船に向かって、漕ぎ進んでいます。

天気は快晴。
波さえ穏やかなら、さぞや楽しいツアーだったことでしょう。
しかし、当人たちはそんなことを思う余裕さえなさそうです。

ケアウホウ湾を出た直後は、
カヤックが揺れる度に悲鳴を上げていた日本人の妻も、
事態が事態だけに、黙々とオールを動かしています。
不安がる妻を安心させようと、
「大丈夫だよ。きっと、アロハ・カヤックのスタッフが小船で待ってるんだよ。」と、
夫が後ろから声を掛けている。

さぁ、ガイドが引き返して10分ほどが経過!
3艇とも、よ~やく小船までたどり着けたようだぁ~。
しかし~・・・?
おっと、小船には誰も乗っていないぞ。
まったくの無人です。
またしても、日本人の夫の予想は外れたようだ!
今日は、まったく勘が冴えていませ~ん。

さぁ、ここでどうすればいいのか?
カヤックに乗る際、シュノーケルのセットも渡されましたが、
果たして、ここがそのポイントなのでしょうか?
何も分からず、小船の周囲をまわるだけで、
6人とも途方にくれている様子だ。

だからと言って、“How do you do? Nice to meet you.”
などと、悠長に挨拶を交わしている状況でもありません。
少しでも手を休めれば、あっという間に波に押し流されてしまうのは確実です。
さぁ、困ったぞ~!

「これって、ツアー代金払うの?」

お~っと、日本人の妻が、言ってはいけない一言を口にしたぞ。
まだツアーは終わっていません。疑問はありますが、まだ、口にしてはいけない!

おや、アメリカ人夫婦が何か言っているぞ。
おっと、後方から・・・
なんと、帰って来ました!!
ツアー・ガイドの青年が、猛スピードで近づいてきます。
いや~、素晴らしい漕ぎっぷりだ!!
あっという間に近づいてきた~~~。

どうやら青年は、おばあちゃんと父親の乗ったカヤックをケアウホウ湾に、
一旦送り届け、それから戻ってきたようだぁ。
それも、この短時間で!
たのもしいぞ青年。

さぁ、ガイドの青年がここで先頭に出て、自分について来るようにと手で合図。
おっと?
ということは・・・、
ここが、シュノーケリングのポイントではなかったようだ。
3艇が再びガイドの青年に付き従って漕ぎだしました。

左手には、白い波が黒い岸壁にぶち当たり、高々と砕け散っている様が見て取れます。
すっごい迫力だぁ!
もし、あそこにカヤックが引き寄せられたら・・・
おっと、恐ろしすぎてこれ以上は口に出来ません。

洋上を4艇のカヤックが、カルガモの親子よろしく進んでいく!

さぁ、時刻は午前11時を過ぎたところ。
ようやくツアー一行が、ケアウホウ湾の南にあるKuamoo Bayへとやって来た。
どうやら、ここが目的のポイントのようです。
黒い岩場に囲まれた、小さな湾といった印象だ。

と、ここで、ガイドの青年はカヤックから降りて海中へ。
泳ぎながら、巧みにツアー参加者3艇のカヤックをロープで繋いでゆく。
そして、アメリカ人夫婦の乗ったカヤックの先端のロープを掴むと、
海底に潜っていった。
どうやら、海底の岩を使ってカヤックを係留するつもりのようだ。

しかし、波が荒いせいか、普段どおりとはいかないようだ。
2度、3度と繰り返し試みるが、なかなか岩にロープを括り付けることができない。
青年が、いつも以上に体力を消耗していることは確かだ。
海底でかなり苦戦していることが、浮上してきては息を吸う彼の表情からも読み取れます。

ガンバレ青年!
我々は手助けできないぞ!

さぁ、大きく息を吸った青年が潜っていった。
5回目の挑戦。今度はどうだ?
3艇が海上から見守る中、・・・

おっと、青年が浮かび上がってきた!!果たして・・・・?


O.K.サインだ!!
やっと3艇のカヤックを係留できたようだ。
GOOD JOB !  青年!!

そして~、この湾内でシュノーケリングして楽しむようにと言い残し、
青年はひとり、湾内の岩場へと自分のカヤックを引っ張っていく。
うん?・・・どうする気だ?

カヤックを岩場にズルズルと引き上げ・・・、
なんと、青年はツアー参加者に背を向け、
岩場から走り去って行った~~~!!
どういうことだ?
まったく信じられません。
ふたたび、ツアー参加者はほったらかしだ~~~~!!!

さぁ、残された参加者はどうする?

おっと、文句も言わず、各自シュノーケリングをして楽しむことにしたようだ。
アメリカ人夫婦と日本人の夫婦は、シュノーケル・ギアを付け海中へ。
黄色や黒い色の熱帯魚を見ながら一緒に泳いでる。
案外、楽しそうだ~。

しかし、家族5人のうち3人がリタイアしてしまった母娘だけは、
カヤックに乗ったままだ。
疲れてしまっているのか、
はたまた帰るときのために体力を温存するつもりか?
シュノーケリングするつもりは、まったくなさそうだ。
ただただ、カヤックに乗って波に揺られている。

しかし、帰りのことなどまったく考えていない日本人夫婦は、
目の前の熱帯魚に夢中だ!
おっと、
日本人の妻はシュノーケリングに熱中するあまり、
係留されているカヤックに近づいていることに気づいていないぞ。
カヤックは舳先を繋がれ、艫が八の字の広がっているが、
その間へ、そうとは知らずに徐々に近づいている。
このままでは、頭をぶつけてしまうのは確実だが・・・?
果たして、その前に気づくのかぁ?!

いや、まったく気づく様子が無~い。
むしろ、その危険に気づいたのは、少し離れたところにいる彼女の夫だ!
「○○、危ないよ!」
妻の名を呼び、知らせようとするが、
普段から夫の言うことに耳を貸さない妻には届いていないようだ。

お~っと~、
まるでお約束のように、カヤックが波に煽られ、
日本人妻の頭を左右から一気に挟みこむ!

ゴ、ゴン!!

鈍い音が湾内に響き渡ったぁ~!大丈夫か~~?


日本人妻が、顔を上げ、バタバタしながら周囲を見回している。
どうやら、怪我はなさそうだが、
しかし・・・、
自分の身に何が起きたのか、まったく分かっていないようだ。
夫の姿を探し、何事かと問いかける目線を送る。

では、今のシーンをリプレイで見てみましょう。
海中の熱帯魚を追って、
彼女は、2艇のカヤックの広がっている方から近づいてきていますねぇ。
そして、ちょうど2艇の間にすっぽり体が入った瞬間、
まるで計ったかのように、やや大きめの波が来たわけですね。
広がっていた2艇のカヤックが鋏のように閉じられ、
まず、右側のカヤックが彼女の頭を襲う!
と同時に、今度は左側のカヤックが頭にぶつかって来て、
逃げ場のない彼女の頭は、
瞬時に2度の衝撃を受けてしまったんですね。
これは、まぬけ・・・いや、痛そうだ!
当人にしてみれば、かなりビックリしたことでしょう。

日本人妻も、なんとなく事情が飲み込めたようです。
そそくさとカヤックの傍から離れて行きます。
どうやら、痛みよりも恥ずかしさのほうが勝ったようだ!
ほかの人たちには気づかれないよう、
何事も無かったかのように平然と泳ぐその姿が、かえって痛々しい!

おっと、いつの間にか、
CAPTAIN ZODIACのゴムボートも湾内にやって来ている。
彼らもシュノーケリングを楽しんでいるようだ。
さすがに体力の消耗を感じたのか、
帰りは、「あのゴムボートに乗って帰りたい!」と、
日本人の妻が、夫に戯けたことを言っている。
しかし、彼女が参加しているのはカヤック・ツアー。
自力で帰るしかありません。

と、そこへ、ツアー・ガイドの青年も戻ってきた。
どうやら彼は、陸上を駆けて隣のケアウホウ湾に戻り、
リタイアした3人をケアしてきたようだ。
彼らに、そのまま待っているように言い置いて、
再びKuamoo Bayへと駆け戻ってきたようです。
1時間近くかけて漕いできた距離も、
陸上ならほんのひとっ走りの距離だったいうことか?!
だとしても、ツアー・ガイドの青年にとっても、
海上と陸上を行ったり来たりと大変なツアーとなったようです。

時刻は、まもなく正午。
そろそろケアウホウ湾に引き返す時間となったようです。
ガイドの青年と一緒に、ツアー一行は来たコースを戻っていきます。
来る時は波の抵抗が強く進みにくかった海上も、
帰りは、波がカヤックを押してくれている感じだ。
漕ぎ慣れたこともあり、それぞれがスムーズに進んでいく。
景色を楽しむ余裕もあったようだ。

そして、
あっという間にケアウホウ湾へと戻ってきた。
前半は過酷なブート・キャンプを思わせたカヤック漕ぎも、
どうやらVictory!のようです。
カヤックを降り、ツアー終了です。

ランチとして出された歯ごたえ十分の硬~いサンドイッチは、ご愛嬌!
食べ終わったところで、ツアー料金を払って解散するようです。

さて、
波乱含みで始まったアロハ・カヤック・ツアー。
写真を撮る余裕まではなかったようです。
結局、洞窟に入ることもなく、シュノーケリングして楽しんだだけでしたが、
この日の波の状況を考えれば、仕方ないといったところでしょうか。
一時はどうなることかと思いましたが、
大事に至ることなく無事に終えることが出来たのは、何よりでした。
シー・カヤック初体験の日本人夫婦にとっては、
自分たちだけでもやれるんじゃないかと自信になったようです。

さぁ、そろそろお別れの時間のようです。
以上、晴天のケアウホウ湾から中継でお伝えしました。
ALO~HA!

    
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