上野千鶴子が聞く小笠原先生に「ひとり家で死ねますか?』 上野千鶴子 小笠原文雄
出版社:朝日新聞出版( 2013-02-20 )
命に関わるとき、医師に逆らうことができるのだろうかと自信は揺らぎます。
そんな訳もあって、自分が望んだ通りの最期を迎えるのは難しいのではと、残念ながら私は考えていました。
でもこの本を読んで少し希望が持てた気がします。日本中のお医者さんに、真剣にこの本を読んでほしいと思います。
そして日本中に小笠原先生の様な医師が増えることを願わずにはいられません。
何かがあったとき家族は驚いて先ずは救急車を呼ぶでしょう。残された日々を、自分の思うように満足して納得できるよう過ごすことは、たやすくはないと思います。
高齢になるほど認知症を患っている割合は増えますし。家族や周囲の人と「最期のとき」の話ができる関係は、相互の信頼があったればこそです。
病気の状態や認知症で、希望通りにはいくかどうか判らなくとも、周りにはきちっと自分の希望を言っておきたいものです。
家族がいるとしても、遠方に居たり、家族や本人が望んでひとり暮らしをする高齢者は確実に増えています。
遠くにいる家族が、かえって問題をややこしくする例もよく聞きます。
「最期まで家で暮らしたい」その願いどおり、
「満足し、納得して死ぬこと、だれにも看取られなかったとしても、
本人の希望がまっとうされたとしたら、その生き方、終焉は喜ばしいものであるといえる」と
誠にもっともだと心から思います。(中西氏)