本のある日々
南伸坊が物事に出会い、咀嚼してゆく刻々の自分を活写するスタイルがますますさえわたってきており感服した。
伸坊流の術中にはまった快感のとげが次々と体に突き刺さってゆくのだ。
タイトル「くろちゃんとツマと私」。くろちゃんはオスの黒猫。夫婦の無邪気ないたづらのプランの応酬とくろちゃんのしたたかな反応。
人間と猫が互角の物腰で必死でせめぎ合いを繰り広げるところがみそ。
他にも「いないいない、ころんだ」「ブータンのおみやげ」「はじめての肛門科」「シャラポワの乳首」「パンダの名前」「いっずれ判明する」など旅の道連れにと思った。
他に「ロシアの躁と鬱」、中尾ちゑこ著。ソ連崩壊の2年後に単身でロシアビジネスに踏み込み、四半世紀にわたって日本とロシアを行き来するロシア人と精力的格闘にいそしんだ
経歴をもつことも初めて知る新鮮な情報である。 ムラマツ氏