がんばれ公明党2007

公明党応援ブログ

『平和路線の公明党』論(中国新聞10/9掲載)

2005-10-14 14:18:44 | 一般紙誌より
「靖国」での役割に命運

宗教学者 山折哲雄

総選挙が終わって、わが国の政治風土がずい分変わった。こんどの選挙で面白かったのは、一部の選挙区で自民党の候補者が国民にむかって「比例は公明党へ」と懇願し、かわって公明党側が「小選挙区は自民党へ」と叫びつづけたことだった。それが功を奏し、自民・公明与党の大勝につながった。

そんな与党連携がはたして義理・人情に発する戦略だったのか、それとも小泉純一郎首相の群を抜くリーダーシップおよび創価学会・池田大作名誉会長のカリスマ指導の賜物(たまもの)だったのか。これまでの公明党の、ある種の存在感のある活動をみていて、眼前に三つの光景が浮かぶ。

それはもしかすると、今後の公明党の行方を占ううえで、重要な標識となるものではないだろうか。
      
第一は、その平和主義路線である。ときに、インドを独立にみちびいたガンジーの非暴力思想がもちだされる。教育基本法の改正や九条をめぐる改憲問題についても抑制的な態度を示しつづけた。

公明党の精神的母胎である創価学会が、戦後まもないころ「折伏(しゃくぶく)大行進」という攻撃的な伝道活動を展開していたことが、まるで夢のようだ。「貧・病・争」の克服というスローガンを掲げて大衆の心をつかんだ野党的新宗教が、やがて政党をつくり、与党の一翼を形成していく。その過程で、かつての社会党のお家芸だった平和主義路線を前面に押しだすようになった。

今日の公明党が旧社会党の生まれかわりのように映るのもそのためである。もしかするとこんど落選した土井たか子さんの真の身代わりは、辻元清美さんではなくて、イカンザキの神崎武法さんかもしれない。

第二の光景は、芸術・文化を振興するための政策提言をおこない、その立法化のために汗を流している公明党の姿だ。それは自民党を核とする国家の中心政策が「科学技術創造立国」を標榜(ひょうぼう)しているのと、まさに対照的なイメージをわれわれに喚起する。

戦後の日本が科学技術と社会科学の二本柱を軸に、社会の編成と教育の支援をおこなってきたことは誰の目にも明らかだ。それにくらべるとき、いつもその周縁にしか位置づけられてこなかった芸術文化の役割を重視しようとしている。そこには、新時代の民意をつかもうとする公明党の戦略がうかがえる。

第三の光景が、今回の選挙運動においても公明党と創価学会が一体化してみせつけた協力支援の態勢である。宗教的信念にもとづく大衆動員であり、カリスマ指導がほとんど日常化している。ここで興味をひくのは、肩をくむ友党の小泉首相がたびたび靖国参拝を口にしていたことだ。

これにたいし公明党は、政教分離の立場から反対の立場を表明していた。自民党執行部も選挙を有利にみちびくため、それを一時棚上げする方針を打ちだした。しかし郵政民営化を前面に掲げて大勝した以上、首相がふたたびリーダーシップを発揮してこの問題をとりあげるであろうことは目にみえている。というのも首相自身もまた、その強固な信念にもとづいて靖国参拝をおこなってきたからである。

このようにみてくるとき「宗教」の問題が自公連立政権の行方に微妙な影を落としていることに気づかされる。一方に神道に発する靖国信仰、他方に仏教に由来する法華・日蓮信仰である。これはいずれも現代日本人のアイデンティティーを語るとき欠かすことのできない論題であるのだが、しかし今日、政教分離という名の近代的自己規制の網の目にからめとられて、問題自体を追求する姿勢があまりみられない。

臭い物にはふた、という態度が自民党にも公明党にもみられるのである。しかし総選挙という国内問題が決着をみたあとは、首相の靖国参拝をめぐって国際関係がふたたび緊張の度を加えてくるにちがいない。そのとき連立政権がどのような対応をするのか。未知の部分がのこされているが、しかし、もしかすると、さきにふれた公明党の平和主義路線が何らかの役割をはたしうるかもしれない。そのチャンスをものにすることができるかどうか、そこに公明党の命運がかかっているのではないだろうか。(中国新聞社)

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1 コメント

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Unknown (マイケル釈尊)
2005-10-18 13:08:21
はっきり言って、外交は公明党にまかすべだと思います。公明党の議員には優秀な国際派がいます。山本香苗・遠山参議員です。ぜひとも実現してほしい。

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