あと一週間もすれば『ひな祭り』
昔は『早く飾れば早くお嫁に行ける』と言うのをマジで信じてた時期もあったかな?
でも今は早く結婚したい・・・訳ではない(苦笑)
まあ時代の流れなんだろうな~
実際のところ、私の母は大学卒業後にすぐ結婚
子供も2人ぐらい産むのが普通だった時代だけど(私の周りでは一人っ子は甥だけ(笑)
今の時代は、共働きも、一人っ子も・・・普通かな?
だからだろうな『少子高齢化』で国民年金がどんどん値上がりして、年金を払っている若者は搾り取られているのが現状だ
これでは自分が貰う立場になった時・・・いったいいくらもらえることやら?
・・・話が重くなりそうなので切り替えて『ヒイロノカケラ』の続きを
『・・・暗くなってきちゃったね。灯りを点けるわ』
そう言って立ち上がった直後だった。
二度目の激しい揺れの地震に、私は身体を強張らせた
『これは普通の地震じゃない・・・。〇〇さん、外を・・・』
ふらつく身体で立ち上がろうとする鴉取君を、私はあわてて支えた
『外・・・?』
私は窓の外に視線を向けた
『街が――寒名市が・・・!』
そこには異様な光景が広がっていた
夜の寒名市は、怪しい赤いモヤのようなものに包み込まれようとしていた
いつもならネオンで輝いている夜景は、ボンヤリと不思議な色に光っていて、まるで闇の中に浮かんでいるようだった
そして化鳥のように無数に揺れ動く影も見える・・・おそらく妖化してしまったカミ
この街は今、常世の国に変わり果てようとしていた
『封印が解け始めているんですね』
『そう・・・みたい』
信じたくなかったが、直感的に彼の推測が事実だとわかる
『もし・・・僕が病院に行かずに、みんなと行動を共にしていたら・・・何とかできたかもしれなかったのに』
『そうしていたら・・・役所も封印も、天意にむざむざ渡すことにはならなかったかもしれない』
彼はうなだれ、後悔の念に満ちた声で自分を責める
『僕の勝手な行動で得たことは・・・千尋にバケモノ呼ばわりされたことだけだ・・・何の役にも立てなかった』
『――そんなことない!』
私は強く否定したけれど、彼は『もういい』と言うように首を横に振ってしまう
『僕が・・・今の事態を招いたようなものです』
『鴉取君・・・・』
『すみません。1人にしてください・・・。お願いします』
これ以上、私が傍にいれば、余計に彼の傷をえぐってしまいそうで
私は、その言葉に頷いて部屋を出るしかなかった
リビングに戻ると、みんなが私の方に目を向けてきた
私は彼が目を覚ましたことを伝えると『起きているならそろそろ事情を説明しよう』と、言うが
『・・・みんな、待って』
『どうしたんだ、〇〇』
『鴉取君、まだ混乱してるみたいで、1人にしてほしいって言ってるの』
『だから、もう少しだけ待って』
あんなに苦しんでる彼を、今はそっとしておいてあげたかった
『そんなに待てる状況じゃないことはわかって言ってるのか?』
『はい・・・。でも、休まないと彼はきっと戦えません』
『弟さんに拒絶された自分の力を、呪っているようだったから・・・』
受けた印象を正直に語った
『見通しの甘いおまえが言うからには相当ひどいようだな。仕方ない』
犬戒先輩はそう言って納得してくれるが
『あいつ、今がどんな時かわかってんのか?閉じこもってる暇なんてねぇんだぜ』
鬼崎君はそう言って批判する
狗谷先輩は説得に行こうとするが、凌さんに『やめたほうがいい』と止められる
鴉取君は、空虚な気持ちになっているのだろう
でも、彼はすべてなくしたわけじゃないと思う
そのことに気づいてほしかった――
そんな時、いきなり鳴り出した着信音に、私はあわてて携帯を取り出した
『もしもし・・・?』
『もしもし、お姉ちゃん・・・さっきはごめんなさい・・・』
『千尋くん・・・!』
『心配しないで、私なら大丈夫よ。それより無事でよかった・・・』
『駿にぃにもひどいこと言っちゃった。僕、どうしたらいんだろう・・・』
『千尋くん・・・』
自分の発言を悔いるように、彼の声音は重く沈んでいた
『ちゃんと話合えば大丈夫よ。千尋くんはどこにいるの?』
『あの後、考え直して天意から逃げ出してきたんだ。助けて・・・お姉ちゃん』
『逃げて・・・?』
だとすれば宗像さんが追っている可能性は高い
速急に対処すべきだった
『ちょっと待ってね、千尋くん。鴉取君に代わるから――』
『ダメ!』
『駿にぃにあんなこと言っちゃったから 今は、謝れないよ。だから・・・そのこともお姉ちゃんと話したくて・・・』
『僕、公園にいるから誰にも言わないで1人で迎えに来て。お願いだよ』
鴉取君のショックを考えれば『電話に出て』と言っても断られるかもしれない、千尋くんも怯えているようだった
『わかった、今行くからね』
『ありがとう、待ってるね!』
ここから公園なら、あまり時間はかからない
私は急いで部屋を出た
今回はここまで
しかし、鴉取君の落ち込みはさらに悪化してしまったような・・・
けれど、ここで『千尋くんからの電話』と急展開
でも・・・罠と言う可能性も拭えない
けれど、本当に逃げ出してきたなら彼の心境にどんな変化があったのか?
真相は次回・・・ですかね
昔は『早く飾れば早くお嫁に行ける』と言うのをマジで信じてた時期もあったかな?
でも今は早く結婚したい・・・訳ではない(苦笑)
まあ時代の流れなんだろうな~
実際のところ、私の母は大学卒業後にすぐ結婚
子供も2人ぐらい産むのが普通だった時代だけど(私の周りでは一人っ子は甥だけ(笑)
今の時代は、共働きも、一人っ子も・・・普通かな?
だからだろうな『少子高齢化』で国民年金がどんどん値上がりして、年金を払っている若者は搾り取られているのが現状だ
これでは自分が貰う立場になった時・・・いったいいくらもらえることやら?
・・・話が重くなりそうなので切り替えて『ヒイロノカケラ』の続きを
『・・・暗くなってきちゃったね。灯りを点けるわ』
そう言って立ち上がった直後だった。
二度目の激しい揺れの地震に、私は身体を強張らせた
『これは普通の地震じゃない・・・。〇〇さん、外を・・・』
ふらつく身体で立ち上がろうとする鴉取君を、私はあわてて支えた
『外・・・?』
私は窓の外に視線を向けた
『街が――寒名市が・・・!』
そこには異様な光景が広がっていた
夜の寒名市は、怪しい赤いモヤのようなものに包み込まれようとしていた
いつもならネオンで輝いている夜景は、ボンヤリと不思議な色に光っていて、まるで闇の中に浮かんでいるようだった
そして化鳥のように無数に揺れ動く影も見える・・・おそらく妖化してしまったカミ
この街は今、常世の国に変わり果てようとしていた
『封印が解け始めているんですね』
『そう・・・みたい』
信じたくなかったが、直感的に彼の推測が事実だとわかる
『もし・・・僕が病院に行かずに、みんなと行動を共にしていたら・・・何とかできたかもしれなかったのに』
『そうしていたら・・・役所も封印も、天意にむざむざ渡すことにはならなかったかもしれない』
彼はうなだれ、後悔の念に満ちた声で自分を責める
『僕の勝手な行動で得たことは・・・千尋にバケモノ呼ばわりされたことだけだ・・・何の役にも立てなかった』
『――そんなことない!』
私は強く否定したけれど、彼は『もういい』と言うように首を横に振ってしまう
『僕が・・・今の事態を招いたようなものです』
『鴉取君・・・・』
『すみません。1人にしてください・・・。お願いします』
これ以上、私が傍にいれば、余計に彼の傷をえぐってしまいそうで
私は、その言葉に頷いて部屋を出るしかなかった
リビングに戻ると、みんなが私の方に目を向けてきた
私は彼が目を覚ましたことを伝えると『起きているならそろそろ事情を説明しよう』と、言うが
『・・・みんな、待って』
『どうしたんだ、〇〇』
『鴉取君、まだ混乱してるみたいで、1人にしてほしいって言ってるの』
『だから、もう少しだけ待って』
あんなに苦しんでる彼を、今はそっとしておいてあげたかった
『そんなに待てる状況じゃないことはわかって言ってるのか?』
『はい・・・。でも、休まないと彼はきっと戦えません』
『弟さんに拒絶された自分の力を、呪っているようだったから・・・』
受けた印象を正直に語った
『見通しの甘いおまえが言うからには相当ひどいようだな。仕方ない』
犬戒先輩はそう言って納得してくれるが
『あいつ、今がどんな時かわかってんのか?閉じこもってる暇なんてねぇんだぜ』
鬼崎君はそう言って批判する
狗谷先輩は説得に行こうとするが、凌さんに『やめたほうがいい』と止められる
鴉取君は、空虚な気持ちになっているのだろう
でも、彼はすべてなくしたわけじゃないと思う
そのことに気づいてほしかった――
そんな時、いきなり鳴り出した着信音に、私はあわてて携帯を取り出した
『もしもし・・・?』
『もしもし、お姉ちゃん・・・さっきはごめんなさい・・・』
『千尋くん・・・!』
『心配しないで、私なら大丈夫よ。それより無事でよかった・・・』
『駿にぃにもひどいこと言っちゃった。僕、どうしたらいんだろう・・・』
『千尋くん・・・』
自分の発言を悔いるように、彼の声音は重く沈んでいた
『ちゃんと話合えば大丈夫よ。千尋くんはどこにいるの?』
『あの後、考え直して天意から逃げ出してきたんだ。助けて・・・お姉ちゃん』
『逃げて・・・?』
だとすれば宗像さんが追っている可能性は高い
速急に対処すべきだった
『ちょっと待ってね、千尋くん。鴉取君に代わるから――』
『ダメ!』
『駿にぃにあんなこと言っちゃったから 今は、謝れないよ。だから・・・そのこともお姉ちゃんと話したくて・・・』
『僕、公園にいるから誰にも言わないで1人で迎えに来て。お願いだよ』
鴉取君のショックを考えれば『電話に出て』と言っても断られるかもしれない、千尋くんも怯えているようだった
『わかった、今行くからね』
『ありがとう、待ってるね!』
ここから公園なら、あまり時間はかからない
私は急いで部屋を出た
今回はここまで
しかし、鴉取君の落ち込みはさらに悪化してしまったような・・・
けれど、ここで『千尋くんからの電話』と急展開
でも・・・罠と言う可能性も拭えない
けれど、本当に逃げ出してきたなら彼の心境にどんな変化があったのか?
真相は次回・・・ですかね