11月中旬過ぎ久しぶりに茨城県立植物園に行き「見納めのバラ」を見て一番奥の熱帯植物園の近くまで歩いてくると、アーチに巻き付いた弦に何やら果実が実っています。実の形状から「アケビ」だなと思っていたんですが、プレートを見ると「ムベ」とあります。..
ムベ-1
「ムベ」、あまり聞きなれない名前なんで調べてみると「アケビ」と違って常緑性で、そしてアケビの果実が熟すると割れるのに対してムベは熟しても割れないのが特徴のようです。
ムベ-2
で面白いのが名前の由来、最初外来語かなと思ったんですがどうやらあの「宜(むべ・うべ)なるかな」の「むべ」から来ているようです。「むべなるかな」は古い言葉で「「なるほど、もっともなことだ」、「まさに、その通りだと思う」といった意味を表す言葉です。
ムベ-3
「ムベ」の名前の由来
天智天皇が近江国の蒲生野で狩猟をした際、8人の子持ちで病気一つせず長生きをしている老夫婦に出会いました。天皇は大変に驚きなぜ健康で長生き出来ているのかを夫婦に訪ねました。 すると夫婦は「この果実を、毎年秋に食べているからです」といい、アケビを小さくしたような果物を出しました。天皇はその果物を口にすると、一言「むべなるかな(もっともであるなあ)」と言い、これを朝廷に毎年献上するようにと命じました。
そしてこのとき天皇が口にした「むべ」という言葉が、そのまま不思議な果物の名前になったと伝えられているそうです。
真偽のほどは分かりませんが、ムベは天智天皇 (626年~671年)の時代にあった果実ということは間違いないようですので随分古くから日本にある果実のようです。