ロシアの北都 サンクトペテルブルク紀行

2005年秋から留学する、ロシアのサンクトペテルブルク(旧レニングラード)での毎日を記します。

ロシア旅行の技2 金(かね)

2007-06-12 23:53:01 | Weblog

【写真:両替屋の外にあるレートの表示。2006年4月4日、ネフスキー大通りで。】

 今日6月12日は「ロシアの日」または「独立記念日」という祝日。1990年の今日、ロシアでは国家主権宣言が採択された。この日は4年後の1994年から、ロシアで最も新しい祝日の一つとなっている。もっとも、多くのロシア人にとってはどこかへ出かけたりするようなただの休日。この点、「~の日」といいながらただの休日と変わりない日本の祝日と同じようである。(参考webサイト(ロシア語):http://calendar.best-party.ru/day_of_russia)

 さて、今日もロシア旅行のちょっとしたアドバイスを紹介したいと思う。前回は鉄道の予約についてやや詳しく説明したが、今回はそれよりも(?)大事なお金の問題。

 ロシアに限らず、旅行の際に考えることは、どのように現地通貨を入手するか。
 ロシアの通貨はルーブルだが、現在日本の銀行や郵便局では取り扱っていない。そのため、どうしてもロシアに行ってから(あるいは周辺諸国で)入手する必要がある。
 なお、旅行者の中にはロシアでもドルが使えると思っている人がいる(私も驚いたが、本当にいるのだ)ようだが、よほど特殊な例外を除き、空港、駅、店、レストランなどあらゆる場面で原則ルーブルしか使えない。 
   
 現地で通貨を入手する方法は複数ある。
 まずオーソドックスなのが、ドルやユーロなど、他の通貨からの両替。
 ロシアが初めてだったりするとどうしても空港やホテルなど、レートが非常に悪い場所で両替する旅行者が多い。ロシアに到着した時点で全くルーブルを持っていなければ少額の両替は仕方ないが、このようなレートの悪い場所での両替は最小限度にとどめた方がよい。
 旅行者が訪れる大都市には多くの両替店があり、例えばペテルブルクのネフスキー大通りを歩いていると100mおきくらいに両替の看板を目にする。このような街の両替店は他店との競合があるためレートが良い。両替の看板とともに、たいていはドル、ユーロのレートが表示されているため、他店との比較が容易であるのが便利。
 ただ、気をつけなければならないのは手数料。レートが良くても手数料が高ければ損をするし、逆もあり得るから、両替所で聞いてみるとよい。(ロシア語が出来なくても、外国人を相手にすることが多い両替所の人は数字だけでも英語が話せる人はいるはず。たぶん。)それと、店によっては同じドルからの両替でも、一定額以上はより良いレートが適用されることがある。が、その際も注意が必要。
 
 昨年、ペテルブルクに到着したばかりの同じ大学からの留学生を両替に案内した際、こんな事があった。
 その両替所(銀行)はペテルブルク中心部にあり、「500ドル以上だと1ドル=26.63ルーブル」という表示が通りに出ていたので2人で入店した。彼女は846ドルを両替しようとしたので、当然500ドル以上のレートが適用されたと思っていたが、窓口から戻ってきた彼女が持ってきた書類には、レートが1ドル=26.40(500ドル未満のレート)で両替した旨の記載があった。これはおかしい。私は早速待合室にいた店員に尋ねた。(分かりやすいよう、実際の会話を短縮して掲載。)
・・・
私:「500ドル以上の場合はレートが26.63で、彼女は846ドルを両替したのだから26.40ではなく、26.63が正しいレートだ。」
店員:「彼女は100ドル札を3枚しか持っていなかったからこのレートになった。500ドル以上というのは、100ドル札を5枚以上持っている場合だ。」
私:「そんなことわかるわけないじゃないか。通りの看板には500ドル以上で26.63と書いてある。もし100ドル札が5枚ないといけないなら、看板にもそう書くべきでないか?」
店員:「書くスペースがなかったんだ。」
 (何という言い訳かと思ったが、こうなったらいつもの「得意技」、責任者に直訴しかない。)
私:「責任者と話がしたい。」
店員:「私が責任者だ。」
 (マジかよ!?こういうケースは初めてだった。)
私:「じゃあ他の店に行くから金を返してくれ。」
店員:「それはできない。だいたい、大した違いではないじゃないか。他の店でもあまり変わらないよ。」
・・・
 確かに、1ドルあたりわずか0.23ルーブルの違いは大きなものではない。ただ私は、額の大小ではなく、誠意ある対応をして欲しかっただけ。
 このトラブルまで、100ドル札でないと例えば「500ドル以上」の500にカウントされないということを私は知らなかった。一度にこんな高額の両替をしたのは後にも先にもこれだけだったから、他の店でも同様かどうかはわからない。ただ、ロシアで両替を予定している人に言えることは、できるだけ100ドル札を多く持っていくことである。
 ちなみに日本円から直接の両替は、レートが非常に良くないので絶対にやめた方がよい。ドルとユーロでどちらが良いかと言えば、今は円に対してユーロが高いので、ドルの方がおすすめ。

 現地でルーブルを手に入れるには、両替の他に、citibankや郵便貯金の、預金から現地通貨で引き出しというサービスを利用する方法がある。
 私は留学中、citibankの「ワールドキャッシュ」を使っていた。引き出しできるATMが街中にたくさんあるうえ、レートもそう悪くないので便利だった。ただ、引き出す際に手数料が200円かかるので、引き出せる限度額を1度に引き出し、余分な額はロシアの銀行に預けておいた。

 ロシアの銀行について一言紹介しておきたい。
 今、ロシアの銀行のレートはめちゃくちゃ高い。あまりロシアへ行かないという人にはおすすめできないが、1,2年に1回くらいは行くという人ならば、ロシアに口座を開いて定額預金をしておくのがとてもおすすめ。
 例えば、「ズベルバンク」Сбербанк Россииという銀行の利率は次のようになっている。アメリカドルで300~10000ドルを2年間預けた場合、年利は6.35%。これがルーブルの場合、利率は更に上がって8%(1000~100000ルーブル)、最大で8.75%(百万ルーブル以上)。相変わらずうんざりするほど低利率の日本の銀行とは大違いだ。詳細はズベルバンクwebサイトhttp://www.sbrf.ru/ruswin/vklad/popdep.htm参照。
 ロシアでは、出国の際持ち出せる現金に限度額があるため注意が必要だが、お金に余裕がある人はロシアの銀行で利子を増やし、送金や、ヨーロッパ系の銀行に移して国外で引き出すという手もある。こうなればロシアの銀行にお金を預けない手はないし、そうすることでロシアの発展に貢献することも出来る。さすがに銀行口座の開設となるとロシア語は必須だが、口座を開設した支店でないと預金の出し入れが出来ないなどロシア独特のシステムを見ることが出来、興味深い。

 以上、今回はロシア滞在の際のお金について簡単に記述してみた。なお、ルーブル紙幣は、各紙幣毎にロシアの都市が描かれている。50ルーブル札にはペテルブルク、100ルーブル札にはモスクワといったように。旅行の際は、こんなところもよく観察してみるとおもしろい。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿