ロシアの北都 サンクトペテルブルク紀行

2005年秋から留学する、ロシアのサンクトペテルブルク(旧レニングラード)での毎日を記します。

「ベントー-トリ テリヤキ」を食べる

2005-11-11 19:16:39 | Weblog
2005年11月08日
ロシア滞在69日目
【今日の写真:モスクワ駅で食べた「ベントー-トリ テリヤキ」】

今日の主な動き
08:53頃 出かける
09:00 マヤコフスカヤ駅
09:11 バシレオストラフスカヤ駅
09:22 学校
12:24 コピー屋
12:31 バシレオストラフスカヤ駅
12:39 ガスティニードヴォル駅
13:50 日本センター
14:31 ネフスキー通り駅
14:38 マヤコフスカヤ駅
14:50頃 モスクワ駅構内 日本食もあるレストランで昼食
15:59 帰宅

 昼、授業が終わるとまもなく携帯電話に着信があった。番号が通知不可能で、誰からの電話なのか分からない。実はこちらに来てから着信する電話のほとんどが「通知不可能」の扱いのため、電話の相手は出てみて初めて分かるのである。最近はクラスの友人などからかかってくることもあるため、日本語で電話に出るべきかロシア語で出るべきか迷ったが、日本語で出る気分だったので、「もしもし」と喋ってみる。すると日本の祖父の声が聞こえてきた。祖父の誕生日祝いに送った手紙が着いたとのこと。10月31日に、カザンスカヤ通りの郵便局から祖父宛の手紙を発送していたのだ。「2週間かかる」と言われたのに、実際は8日で着いたことになる。意外な早さに感心した。客を何十分も平気で待たせるロシアの郵便局だが、ちゃんと仕事をしているということが分かった。

 日本センターに寄った後、今日はちょっと変わったところで昼食を食べようと思い、メトロをマヤコフスカヤ駅で降りた後、そのままモスクワ駅へ向かう。

 実は先日(11月4日)トースナに小旅行に出かけた日、モスクワ駅から列車に乗る前に、構内にある日本料理のレストランに行った。おいしそうな日本料理のランチを見つけたのだが、休日はランチがないと言われて食べることが出来なかった。そこで今日またその店へ行き、今度こそはランチを食べてみようと思い立ったのである。
 私が注文したメニューは”БЕНТО-ТОРИ ТЕРИЯКИ(ベントー-トリ テリヤキ”という、そのまま日本語のランチ。しかもその紹介文たるや、тори-терияки(トリ-テリヤキ),салат гохан(サラダ ゴハン) саке маки(サケ マキ), каппа маки(カッパ マキ)。要するに、サラダを除いては、全て日本語をキリル文字で表記しただけ。キリル文字が読める日本人には分かりやすいだろうが、ロシア人にはさっぱり訳が分からないだろうなあと思う。その証拠に、サラダとゴハンの間にコンマがなく、「サラダゴハン」という意味不明な料理名になっている。ちなみに、「サラダゴハン」と「サケマキ」の間にもコンマがなかったが、改行されていたのでこちらは問題なし。
カウンターで、「とりの照り焼き」とナチュラルな日本語で言ってみる。日本語のネイティブスピーカーであることがロシアで役に立ったのは、先日日本語の学校へ行ったときと、今日この料理を発音したときくらいなものである。が、案の定日本語の発音では分かってもらえず、メニューを指さして注文。正しい発音をしたのに、「お前はいったい何語を喋った?」と言われそうでむなしかった。日本語のネイティブが日本語を発音したのに、かえって肩身が狭いをするとは滑稽である。
中身は大変おいしかった。ゴハンとサラダは「サラダゴハン」じゃなくてちゃんとそれぞれ独立していたし、少し固めだったものの、日本のご飯と一緒だった。それにしても、和食にコカコーラがセットになっているあたりが、いかにもヨーロッパという感じがする。ティーパックでいいから、せめて緑茶でも用意してくれたらもっと安上がりだろうし、日本らしいのになと思う。
 日本料理だけあって、ちゃんと箸もついてきた。日本の割り箸より長く、丈夫な箸。その袋には、使い方がイラスト付きで、英語で書いてあった。日本語に訳すと、「1.(1本を)親指の下に持ち、しっかり握る 2.もう1本の箸を、鉛筆を握るように持つ 3.最初の箸はそのままの位置に持ち、二本目の箸を上下に動かす。そうすれば何でもつかむことが出来る!」結構正確な説明なのだが、日本人には当たり前のことがこう細かく説明されると、おかしくて思わず笑ってしまった。
 この店の中には、「菜の花や月は東日は西 蕪村」とあちこちに書かれていた。なぜこの句を選んだのかは分からないが、どうせ日本の俳句を紹介するなら、これにこそキリル文字で読みを表記したらよさそうなものである。それとも、「日本語はこんな「ヒエログリフ」を使ってますよ。皆さんこんなの読めないでしょう。」とでも言いたいのかな。だとしたらあえて日本語だけで表記するのも肯ける。

 せっかくモスクワ駅に来たついでに(どっちがついでなのかは不明)、ホームに列車を見に行く。するとモスクワとペテルブルクを結ぶ新型の列車が入っていて、とても美しい外観だった。しかも運転席がホームから丸見えで、しばし観察する。いつしかこの列車にも乗ってみたいものだと思った。
 この新型列車のドアは閉まっていたのだが、ホームをふらついていると、ドアをこじ開けて中に入ろうとしていた男を発見。当然ドアをこじ開けるにはかなりの力が必要で、大変興ざめな光景だったが、中にいた女性係員に制止された。間違えて乗ろうとしたのかな。それにしても閉まっている列車のドアを外からこじ開けて入ろうとするなんて、通常考えがたいことである。が、ここはロシア。「こんな人もいるんだな」で笑ってすませてしまおう。

 

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