ロシアの北都 サンクトペテルブルク紀行

2005年秋から留学する、ロシアのサンクトペテルブルク(旧レニングラード)での毎日を記します。

ペテルブルク案内記10-2日目:バシレフスキー島、デカブリスト広場-

2006-07-06 21:28:53 | Weblog

【写真:バシレフスキー島のストレルカからペトロパブロフスク要塞、ネヴァ川を眺める(28/06)】

 ペトロパブロフスク要塞からビルジェヴォイ橋(Биржевой мост=「取引所の橋」の意)を渡り、バシレフスキー島に入る。
 ネヴァ川の河口に位置するこの島は、ピョートル大帝の構想では、都の中心になる予定だった。Большой(大)、Средний(中)、 Малый(小)の3つの通りが島の中心部を貫通し、それらと直交する通りが1番通りから29番通りまであるというユニークな街路の配置は、古い都市計画の名残なのだという。私が留学しているサンクトペテルブルク大学はこの島にあり、私は毎朝メトロをバシレオストラフスカヤ駅で降り、中間通り、8,9番通りを経由して大学河岸通りにある大学まで通っている。他にもこの島にはロシア科学アカデミー、ロシア芸術アカデミーの建物があり、科学、芸術の中心地となっている。
 フィンランド湾と反対側にある島の先端は「ストレルカ」(стрелка=とがったものの先端)と呼ばれ、この付近ではよく催し物が開催される。正面にネヴァ川、左手にペトロパブロフスク要塞、右手にエルミタージュ美術館を望むここからの眺めは、ペテルブルクの中でも最も美しい光景の一つだと私は思う(写真参照)。

私達の散歩コースはストレルカを通り、大学河岸通りへ。河岸の建物についてBはいろいろと知っていて、詳しく説明してくれた。夏場の今は大小多数の船が航行しており、河岸通り付近にもたくさんの船が停泊しているが、冬、気温が-20度を下回るような寒さの頃には相対的に水温が高いために真っ白な湯気が立ちのぼる。夏と冬でがらっと表情を変えるネヴァ川をイサク聖堂、エルミタージュをバックに見ることが出来るのも大学河岸通りの魅力。

 現在工事中で臨時の橋となっているシュミット中尉橋を渡り、バシレフスキー島を出る。
バシレフスキー島とネヴァ川を挟んで対岸にある通りをエルミタージュ方面に歩いていくと、まもなく右手に見えてくるのがデカブリスト広場。
 背後にイサク聖堂という構図が美しく、今でこそ観光客の記念撮影スポットのようになっているが、ここは1825年、デカブリストの乱が勃発した場所。広場の中心にあるピョートル大帝の「青銅の騎士像」は足元で起こったこの事件をどんな思いで眺めたことか。ロシアのこうした広場や聖堂、教会などには、往々にして悲劇的な事件の記憶が刻まれていることがある。それらの美しさを鑑賞するだけでなく、その背後の歴史を知ることでロシア観光の深みが倍加する。
ここを訪れた頃には既に21時半を過ぎていたため、いつもたくさんいる観光客やカップルなどはまばらで、記念撮影にはちょうど良かった。

   


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