ロシアの北都 サンクトペテルブルク紀行

2005年秋から留学する、ロシアのサンクトペテルブルク(旧レニングラード)での毎日を記します。

災い転じて…

2005-10-06 19:22:07 | Weblog
2005年09月29日
ロシア滞在29日目
【今日の写真:雨の夕方(ネフスキー大通り)】

今日の主な動き
07:10頃 起床
08:45 出かける
08:52 マヤコフスカヤ駅
09:01 バシレオストラフスカヤ駅
09:15 学校
12:25 バシレオストラフスカヤ駅
12:34 ガスティニードヴォル駅
12:48 日本センター
14:56 ガスティニードヴォル近くのレストラン
16:13頃 ケーキ屋”Север”
16:25 ケーキ屋近くのカメラ屋
17:26頃 カザン聖堂側のカメラ屋
18:10 再びケーキ屋近くのカメラ屋
18:30頃 本屋”Дом книги”
19:06 ネフスキー通り駅
19:20 マヤコフスカヤ駅
19:33頃 帰宅

 日本では見られない光景の一つ、それは地下鉄の車内で物を売ること。
 今日も昼、授業が終わってバシレオストラフスカヤ駅から地下鉄に乗ると、ペン売りのおばちゃんが一緒に乗り込んできて宣伝を始めた。日本でも新幹線や特急に車内販売があるが、日本のようにワゴンで静かにやってきて飲食物や新幹線グッズなどを売るのと違い、ペテルブルクの地下鉄の物売りはペンや地図など、一つの商品しか売らない。しかも大きな声で一方的にベラベラ喋りまくり、次の駅で降りていく。実はここの地下鉄、連結されているそれぞれの車両が完全に独立していて車内からの通り抜けができない。(Maxやまびことつばさ、はやてとこまちを想像してもらえればお分かりいただけるはず)したがって隣の車両へ移動するには一旦駅でホームに出なければならない。満員の時は無理だし、逆に人が少なすぎても商売にならない。適度な時間を見はからって、しかも1車両につき1駅の間のチャンスにお客さんを見つける。これで商売が成立しているのだからすごい。
 今日は買う人がいるのかなと様子を見ていると、親子連れらしき人が緑色のペンを手にしていたようだった。

 日本センターに行くと、明日日本へ帰国する関西の大学のT口さん、I本さんと会い、同じく偶然そこにいたA子とともに昼食へ行くことになった。T口さん、I本さんにとってはロシア最後の昼食。I本さんが行きたいレストランがあるというので行ってみる。その名も「サンクトペテルブルク」。彼女が持っていたガイドブック「地球の歩き方」に掲載されているレストランで、ランチもあると書いてあったのだがその情報は古く、今ランチはないと言われた。2人にとっては記念すべき最後の昼食だから私はそこでも良かったが、他の人々がもう少し安いところを希望したので、結局ガスティニードヴォル近くの別のレストランへ。H谷さんにもメールで連絡すると彼もかけつけ、別れの挨拶も兼ねてしばしくつろぐ。

 その後、ガスティニードヴォルでおみやげを見たいというI本さんとA子、T口さんと私の2人ずつに別れ、T口さんの希望でケーキ屋へ行く。今日は寮でも送別会のパーティーがあるらしく、T口さんはケーキを買っていきたいそうだ。その場で食べられる小さなケーキも売っており、苺ののったケーキを食べながらもう2人を待つ。
 その間、増刷したというT口さんのパスポートを見せてもらった。査証欄が足りなくなった場合には1回だけページを増やすことが出来るのだが、私が実際に見るのはこれが初めて。大学との交渉の結果無事にパスポートが返ってきたため、予定通り帰国できることになったそうで、パスポートが戻らなければもう少し長くいるつもりでいたT口さんは逆に拍子抜けしたらしい。
 I本さんとA子はまもなくケーキ屋に来るはずだったがいつまで待っても現れず、場所を間違えているのではないかと思い、2人で探しに行く。

 2人を探しながら、私は写真をプリントしてもらうためにカメラ屋に立ち寄る。最初ケーキ屋の近くのカメラ屋に行き、メモリースティックを出すと「メモリースティックは今使えない」と言われ、先日も行ったカザン聖堂の側のカメラ屋へ。するとそこのおばちゃん、勘違いしてデータをCDに焼き始めた。「CDはいらない、プリントだ。」と私が言うとおばちゃん目を丸くして、「そんなこと言わなかったじゃないか!」だって。確かにちゃんと説明しなかったこっちも悪いが、改めてプリントを頼むと「今機械が故障中でプリント出来ない」とのこと。全くどこのカメラ屋も使えないなと思いながら、80ルーブル払ってCDだけ買い取った。が、よく考えればこのCDを最初のカメラ屋へ持っていけばプリント出来るはず。
 そこで再び最初のカメラ屋にCDを持っていくと「あと10分待て」と言われる。どうしてかと問うと、「今機械はゆっくりゆっくり動いている」とのこと。「ゆっくりゆっくり」なんて、ふざけた機械だなと呆れてしまったが、T口さんを待たせている私はそうのんびりしていられない。ちょうどメモリースティックにも全く同じデータがあるので、カメラで再生しながらプリントしたいファイルの番号と枚数を書く。こうしてようやく注文を終えた。
 間違ってCDにコピーされたことがかえって幸運だった。災い転じて何とやらとはまさにこのことか。トラブルもたまにはこうして報われることがある。思い通りにならないことにいちいちイライラしていてはここでは生きていけない。上手くいったときの喜びを次の行動へのエネルギーに変換していくことが肝要である。

 I本さんとA子は結局現れなかった。外は小雨。T口さんは相当お疲れのようで、もう探すのをやめて最後に本屋へ行くことに。本屋で彼女が面白い物を見つけた。それは『はじめのいっぽ』という日本語学習の教科書の中。「日本語を使います」という文の「使」という漢字の上に「にほんご」という読み仮名がふってあったのである。これには笑うしかなかったが、さすがに教科書がこんな大間違いをしてはいけないのではないだろうか。
 
 T口さんが参加する寮での送別会は18時からの予定だったが、2人を探している間に19時を回ってしまった。ガスティニードヴォル駅のホームで別れ、反対方向の列車で私は帰路についた。T口さんは社会人として仕事をされながらも大学で再び学問に励まれ、1ヶ月もの間ロシアに留学するというかなりアクティブな方。韓国での生活経験もあるということでアジアの事情や旅行業界に詳しく、機会ある度に興味深い話を教えてもらえた。またロシアにいらっしゃる予定なので、その時の再会が楽しみである。
 
 マヤコフスカヤ駅に着く。グレーのどんよりした空に小雨がぱらつく良くない天気。(【今日の写真】参照)。今日は歩きまくってとても疲れた。 

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