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三つの占領と三つの不安

2010-07-20 | clipping
共同通信|思いやり予算協議で米高官訪日へ 日米間の火種に発展も 2010/07/20
http://www.47news.jp/CN/201007/CN2010072001000074.html


 【ワシントン共同】米国務省は19日、シャピロ国務次官補(政治・軍事担当)が日本政府との在日米軍駐留経費負担(思いやり予算)の見直し協議に臨むため、22~24日に訪日すると発表した。菅政権下で日米両政府が思いやり予算を交渉するのは初めてとなる。

 思いやり予算をめぐっては年末の予算編成までに特別協定に合意する必要があるが、日本側が予算削減を狙う一方、米側は上積みを要求。双方が厳しい財政事情を抱える中、妥協はともに困難な情勢で、日米間の深刻な火種に発展する可能性がある。

 国務省は19日に発表した声明で、日本による現在の43億ドル(約3728億円)の負担は「米国とともに地域の安定を促進する上で重要な日本の責任」と指摘。米軍施設の賃貸料や関係者への給与などを通じて「日本経済にとって、かなりの投資」になっているとも強調した。

 シャピロ次官補は東京滞在中、ライス在日米軍司令官とも意見交換。訪日に先立ち20日から韓国入りし、ソウルで外交通商省高官やシャープ在韓米軍司令官とも会談する。
【共同通信】

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新井信介「京の風」|日本の完全独立に、時代を整理して考える。三つの占領と三つの不安。 2010 年 7 月 20 日
http://midorinonet.com/purplejade/


 こんにちは。東京では、現役の高校の先生が参加されました。

そのとき、驚いたこと。
 ①今の高校生は、「911」を知らない。まして、オウム事件を知らない。
 ②生まれてからずっと、デフレの時代に生きていたから、ラーメンの価格が
  高かった時代も知らない。日本経済が上昇していた時代の感覚がない。

 「911」は、10年前。「オウム」は、15年前。
 私が、「新東方主義」を書いたのは、湾岸戦争の年の1992年でした。

 この間、一貫して、日本の「独立」「自律」が求められながら、それができない。

 理由はいろいろありますが、まず、日本のおかれている状況を、国民(マスコミ)が、
はっきり認識していないことが、変わらない、変えられない原因のすべてでしょう。

> 敗戦(「終戦」ではない)したあとの、「戦後の日本」が、サンフランシスコ条約後も、

  いまだに、アメリカに占領されたままで、実質的に合衆国の一部になっていることを
  ずっと、政府もマスコミも学者たちも、隠してきたことです。
 
 アメリカにとって、当時人口2億人の合衆国に、新たに、1億人を抱える、一州を加わえると、
 日本から、アメリカ合衆国の大統領が出てしまう。
 こんな事態は、絶対に、許せない。
 そこで、日本をそのまま保護下において、形式的に独立させ、その内側では天皇を温存し、
 民族としての自尊心を回復させながら、天皇の権威の下で中央集権支配を続けさせ、
 国家全体の経済活動をコントロールする。
 国内の利権の分配は、戦前の官僚組織と、自分の代官所となった自民党に任す。

 こうした体制で、日本企業は経済発展し、それが、グローバル化。
 しかし、政府は赤字の山。 少子高齢化。 郵便局には、7~800兆円の預金。
 世界経済は、ニクソンショック(1971)、プラザ合意(1985)、Y2K(1999),  911(2001)、
リーマンショック(2008)と、いずれも、戦後のドル覇権が揺らぎ、それを補う、国際合意を進める中、
覇権国アメリカのプレゼンスが、急速にしぼんでいった。

 で、今、G20 の時代。 中国、インド、ブラジルの台頭です。

 成長する中国を、取りこんで、世界の経済体制を、壊さないようにする。
 その中国での、人民元資産が、如何にインチキで膨れ上がろうとも、その中国マネーなしには、
 回らない。
 
 こうした中で、日本に対しては、その中国と、直接、連携させるのは、アメリカの覇権を
 完全に、失いかねない。

 で、今、民主党政権になっても、アメリカは、

  安全保障(外交・軍事)、 医療(薬漬け、高額治療)、 エネルギー(原子力・石油依存)

 に関する日本の基本政策は、どんなことがあっても自分のコントロール下に、おこうとします。

 これは、今後も続く、《三つの占領》です。

 ここを、突破するには、自分自身(国民の理解、感情、利害)をきちんと制御した上で、
 アメリカと中国、ロシアを相手にする「智慧と、現実的なチカラと、勇気」が必要です。
 
 緻密な計算と、周到な準備、そして、国民一丸になっての意志が必要です。

 民主党は、自民党から政権を奪取しましたが、自分の姿すらも、きちんと見れない政党です。
 全く期待できませんが、こうした現実を、日本国民に自覚・再認識させたという意味で、
 存在価値がありました。

で、まあ、この三つの占領に対する対策は、じっくり練るとして、現実の、
私達の目下の生活状況を、どう、改善するか、です。

 これには、《三つの不安》の解消 をすすめないといけません。

とりあえず、安全保障は、おいておいて、経済に直結することです。

①企業活動のグローバル化で、雇用減。

②最大の預貯金を持つ、高齢者の不安、医療介護費。

③子供を持つ世代の、教育費と将来の就職。

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新井信介「京の風」|「三つの不安」をどうするか? 2010 年 7 月 21 日

続きです。

 以下の《三つの不安》、 どう解消するか? 

①企業活動のグローバル化で、雇用減。

  これは、日本国民が、どこかに雇用されたい、と、考える以上、
  雇用主、つまり、企業が必要です。

  事業家にとって、日本を魅力的にするしかありません。
  あるいは、大金持ちが、住みたくなるような国にするしかない。

  これには、どうしたって、税制面での優遇が必要です。
  これは、他の国に比べて、日本が優位であるかどうか、です。

  法人税、所得税を下げるしかないでしょう。
  10%まで、下げるしかないところまで、追い込まれると考えます。
  
  その前に、公務員や外郭団体を大幅に減らすこと。
  そして、公共サービスの原資は、消費税が基本になるでしょう。

②最大の預貯金を持つ、高齢者の不安、医療介護費。

 今の薬漬けの高額医療が続く限り、国家による、医療の完全無料化は不可能です。
 健康保険制度の破綻が、その前に、やってきます。

 まず、ここを変えることを、前提にした上で、話します。

 地域社会で、高齢者支援を対象にした、多くのつながりの回復が必要です。
 さらに、そのつながりを作り出す、システム運営組織に、高齢者の預貯金が
 スムースに流れてくる仕組みを、つくるのみです。

 その運営では、なによりも、うそがなく、親身になって相談に乗る人間がいて、
 宗教団体とは、全く違う次元で、地域社会の共通の未来像が必要です。

 青年層、壮年層の生きる目的が、より高額の収入だけにあるのなら、
 そうしたつながりはできません。

 地域を生かす、自分の郷土を造る、さらに、そこを芸術化する、という、自分自身が
 主体になって創造性を発揮する意識にならない限り、 これは、難しいでしょうね。

 ここまで、日本人が、意識を高めることができるかどうか?

③子供を持つ世代の、教育費と将来の就職。

 大学までの、教育費を、全額無償にする。
 現在の難関大学の講義も、ネットで、誰ででも聴講できるようにする。

 大学は、日本人なら誰でも入れるが、そこを卒業できるのは、その大学の担当ゼミの
 教官から、これなら合格と、お墨付きを与えられたものだけに、限定する。

 大学受験で、人生のエネルギーの大半を使い果たす愚、無駄を止めましょう。
 さらに、世の中の実情をよく知った上で、実際に自分はこの現実社会で、どの部分を引き受
 けるべきか、その自覚も沸きあがらない内に、企業就職を求めるのは、もう止めましょう。

 一方、これは、国家(統治体)に、どれだけの経営資源(人材、財源、資産)を持たせる
 べきか、に関わりますが、これには、まず、現状の不要な人員のカットが最優先。
 そのあとは、消費税が、一番いいでしょう。

 で、その一方で、どんどん、物々交換すべし。

 自分から、富=《人を喜ばすもの》を生産できるものは、そのとき、全く問題はない。

 煩雑な行政経費と、中身のない地位だけを確保している人間が、一番の無駄。

 「はっきりしないものは、変えられない」。