黄金色の日々(書庫)

海外ミドルエイジ俳優に萌えたり愛でたりするブログ

死線の彼方に

2018-06-17 00:48:16 | アメコミ映画

タイトル浮かばなかったので、とりとめもなく。


「元気かバック」
「この世の終わりにしてはな」 
キャプテンの横で戦う元軍曹ならぬ、ウィンター・ソルジャー改めホワイト・ウルフ。
私にはそれだけでもう充分すぎた二人のシーンでした。

目の前でバッキーが消えていった衝撃。でも、まだあの時は何が起きたか理解できず、ソーの沈黙と壊れたヴィジョンを見て完全に事態を飲み込めた。
その際にスティーブが感じたのは、「食い止められなかった…!」だと思う。

スティーブがバッキーが消えたことに打ちひしがれ立ちすくむ…といった二次創作を読むのは大好きです
バッキーだけが消えたのなら、そりゃあ耐えられないでしょう。バッキーはスティーブ個人が成り立つ大きな存在だから。
が、実際のところは宇宙から半分のヒューマノイドが消えてしまった。最悪の事態を阻止できなかった…方に衝撃を感じるのがスティーブだと思ってる。

そしてそこで立ち止まらないのも、スティーブ・ロジャーズ。もやしの頃から勝てない戦いにもためらいなく飛び込んでいった男。
ペッパーの安否はわからないけどフライディはいるはずなので(人間ではない)、トニーがタイタンの宇宙船に乗ったこともいずれ知る。
そしてソーがいる。今回のソーはめちゃめちゃいいですよね。バトルロイヤルのソーも良かったけど、私はIWのソーにしびれましたよ。
ソーも家族全員と親友も亡くした。サノスへの復讐にも増して、自分は生きて乗り越え、進まなければならない。まだどこかにいるはずの半数のアズガルドの民と、死んでいった人々に対する王の勤め。
トニーもまた、タイタンで嘆いて儚くなって終わるわけもない。ネビュラと協力して、なんとか地球に戻ろうとするはず。

でもその先の展開はもう全然読めません。ただストレンジ先生が言った「たったひとつ」の勝利のパターンが、私の中で一つの仮説があり、それがまったく喜ばしいものじゃないんだな まあこれはハズれると思います。私ごときがルッソズを読めるわけがないので。

ひとつスティーブについて気になったのは、サノスと組み合った時の目ですね。サノスが「ん?」みたいな表情をするじゃないですか。
あれは、強化されているらしいが、たかだか地球の男ごときが自分を少しでも抑えられるのか、という驚きではないと思うんですよ。
素手ではないけど、スパイディやスターロード、ドクターも止めてたしね。
歯を食いしばり、咬みつくような目でサノスを見上げたスティーブ。あの瞳の中に何かを見たんじゃないか。

正義の象徴であったキャプテン・アメリカ。でもスティーブは、正義も大義名分も時代や政治や国家、人それぞれの考えで変容することを知っている。彼の時代は、虚弱な者は国にとっては役立たずという“正義”が常識だった
“揺るぎなき信念”“己が信じる正義をなす”ということも、強固に見えてもろいもの。強い者の正義がすべてを制したかに見えて、時が過ぎてそれが覆される。それをスティーブは実体験してきた。

70年近く眠っていた、実質は30代の青年のはずなのに、彼は歳月の重みをまとって見えるようになった。
そしてIWのスティーブの表情と目には、なにかしら「虚無」めいたものがある。喰いつきそうな眼をして挑んできた男の目に、決して満たされることのない永遠に戦いを続ける何かを、サノスは見たんじゃないか。


話は変わりますが、バッキーとロケット、スティーブとグルートの邂逅は可愛かったですね。
なのに、二人にとっては人語を話して銃をぶっ放すアライグマも、謎の人型樹木も、自分らの運命の変転からしたらそう驚くものでもないんだな…と思ってしまって、少々うなだれました。挨拶するスティーブは愛しかったけど!
それによく考えたら、バッキーとロケットは双方、望まぬ改造をされてる者同士なんだよね。そしてスティーブとグルートは、もともとの自分から生まれ変わった身体になってる。グルートは元のグルートではなく、若木というか息子みたいなものらしいですが。
考えすぎなのか、意図的ならどれだけ鬼暗喩だよ…。


バッキーの風貌はまさに「髭のマリア」でしたが、聖母マリアというよりもマグダラのマリアに見えます。
一般人から見れば数限りない罪を背負ってる。そして傷も。「半分イカれた」というのはたぶん、洗脳解除が完全じゃないということじゃない。バッキー・バーンズであること、ウィンターソルジャーだった自分、そしてホワイト・ウルフになろうとしてることの統合性の途中ということだと思う。
「罪のない者がいればこの人を打て」 とマグダラを指して人々に言ったキリスト。そう、今のスティーブってキリストを彷彿させる。ジーザス・クライスト・スーパースター。
DCのスーパーマンは、「ジャスティスの誕生」で一度死に、「ジャスティス・リーグ」で蘇る。あれは完全にキリストのメタファーだった。
MCUのキャプテン・アメリカもそれを踏襲するとは思えないけど、今のスティーブは重みと共になぜかもやしの頃を思い出させる雰囲気なんだよな…。
ちなみに二人はそれぞれ、DCとMARVELの最初のヒーローにして正義の象徴。

ホワイト・ウルフはコミックとは違う新設定。
白き狼。おまえにサ…スティーブが救えるか!(Byもの〇け姫)
CWでバッキーがスティーブの突っ走りの原動力になったのとは逆に、今度はバッキーがストッパーになる気もしている。どう再会するかもわからん上に何の根拠もないただの願望です(笑)

クリエバキャップが卒業となれば、サムかバッキーがキャプテン・アメリカを継ぐことになるのか、その話題もよく出てますね。
ただルッソズ(だったか?)、ウィンター・ソルジャーという素晴らしいキャラクターがなくなるのは残念だと思うよ、みたいなことを言ってた気がする。でももうホワイト・ウルフだよね?(笑) 新しい名をもらった地ワカンダのために、もっと活躍する姿は見たいがな。 

私はキャプテン・アメリカはクリス・エヴァンスでおしまいと思ってて、次のフェーズは次世代ヒーローたちが活躍すると思ってるんですが、どうかはわかりません。ダウニのアイアンマンもですが、アイアンマンはウォーマシンみたいに色を変えて別マシンにすればアリだけど、トニー・スタークはダウニーだけ。
ソーについては…。クリヘムのちら発言と民を抱える王ということからも、死にはしないと思ってる。


つまりはインフィニティウォーは、暗喩と匂わせのオンパレードなので、深読み脳が炸裂するばかりで萌えてる暇がありません。
とにかく本当によく練られ、上手く配置された密度の濃い内容。あれだけの数のヒーローをそれぞれ見せ場を作り、個性を出させ、悪役こそ重要位置にしてご都合主義にしていない。それで150分。ルッソズと脚本家チーム、ストレンジかよ!!



というわけで、IWについてはこれで終わりです。来年を待つより前にアントマンとキャプテン・マーベルがあるわけで、そこに何かヒントがあることを期待!

 

 


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